視聴映画感想 |
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■11年12月25日『デビルクエスト』 十字軍の騎士、ベイメンとフィルソンは神の名のもとに異教徒の女性や子供を殺戮することに疑問をいだき、 ついに十字軍を拔け、故郷へと帰る決意をする。 故郷への道を歩んでいく中、黒死病(ペスト)で市民の多くが死んでいく町の衛兵たちに脱走兵として捕まるが、 罪を許すことと引換に、『黒死病を引き起こした原因である魔女』を、宗教裁判にかけるため。 山奥の修道院でへと護送する任務を依頼される。 罪のない女子供を殺すことから逃げ出した騎士たちは、魔女の誤送任務の向こうに何を見るのか……。 っということで最近ではスティーブン・セガールと並んで「出てる映画が信用できねえ」俳優になってきたニコラス・ケイジですが、 この作品でも主演してますやったね!!!! というかニコラス・ケイジ主演が前面に出てる時点でロクでもないなという核心はあったものの、 地雷はどう地雷なのか踏んでみないと分からない、ということで見てみたわけですが、 うん、これタイトルが駄目だ!!!!! 原題は『Season of the Witch』なんですがなんというかこう、こっちのほうが正解だよね…。 というか邦題が盛大なネタバレになってるわけでありまして、これもう本当どうにかならなかったんだろうか……。 宗教裁判、異端審問、十字軍、魔女狩りといったところから想像される、 「本当にこいつは魔女なのか?罪のない人間が罪を背負わされているだけなんじゃないのか?」という、 あの当時の十字軍のやってたこととかに踏み込んでくる内容なんだろうなー、というのを想像したら、 まさか○○が□□で△△△△△△な内容になるなんて!!!という驚き(そして愕然)が本来あるはずなんですけども、 でももう邦題の時点で『ウィッチ』じゃなくて『デビル』って付いてたらもうね、わかるじゃないですか!!オチが!!!!! まぁそれでもオチが読めてたとは言え、クライマックスはともかく中盤の展開はなかなかスリリングで楽しいものはありましたし。 オチがもう完璧なまでに予想通り過ぎて「あーやっぱりこうなるよねー」と思わず遠い目になりながらも楽しめました。 序盤から中盤は比較的落ち着いていますが、ツッコミどころの数は後半で一気に増えるので、 ニコラス・ケイジのダメ映画出演遍歴にまた新しい一本が加わることを楽しみにしてる皆様も決して損はしないと思います。 いえまぁ見た2時間が無駄にならないのかどうかという点に付いてはいささかコメントしづらい感じだったりしますがゲフン。 しかし中世の騎士甲冑での戦闘シーンとかはやっぱり燃えますし、 何よりもニコラス・ケイジの毛髪がフサフサ気味な映画とかすげえ久しぶりでしたね……、 ・BDはこちら→デビルクエスト Blu-ray |
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■11年12月04日『フィースト2-怪物復活- ・ フィースト3-最終決戦-』 前作『ザ・フィースト』で客たちが無事にバーからの脱出に成功した翌日。 廃墟となったバーを訪れた女性は、爆発に巻き込まれ黒焦げとなった妹の手首を発見する。 道路沿いで事故を起こした車から、バーでの事件の生き残りであるバーテンを救出し、 昨晩の事件で妹が囮にさせられ無残な死を遂げたことを聞いた女性は、復讐のために街へと向かう。 だが、街はすでにモンスターの襲撃を受け、ゴーストタウンと化していた……。 先日レンタルで見て意外と面白かった『ザ・フィースト』の続編2本ですが、 実際には2と3をあわせて1本の作品、と捉えたほうが精神的には良いです、と先に言っておきます(何)。 間違っても2だけ借りて観ようとか思うと大失敗こくのでご注意を!!! もっとぶっちゃけると2と3を借りて3時間ちょっとをドブに捨てる覚悟がまず何よりも必要だけどな!!!! ……さて、1は低予算ながらも優秀な脚本、楽しいグロ描写、予想外の展開などで面白いB級モンスター映画になっていましたが、 今回のはアメリカだとビデオ作品として制作された模様。日本だと劇場公開されてたぽいですが。 バーという空間での立て篭もり作品から一転、街のいろいろな建物に立て篭もり、移動しつつ、 圧倒的に数を増したモンスターと戦う展開になっておりまして、 正直『明るさのアップ』とか『場所の拡大』という要素が、逆に魅力をスポイルしちゃったなぁと。 なかなか姿が見えなかったモンスターが、今作では白昼堂々と街中でオッサンと追いかけっこする映像とかね…… 何かもう……うん……。 登場人物が基本的に全員ロクでもなく、なおかつバカが多くて裏切り上等、スキあらば人間相手に殺されかねず、 ヒーロー面をして出てくるキャラはあっという間に死んでしまうという展開は好みなんですが、 あまりにも適当に殺されては追加キャラがポコポコ出てくるのに至っては「いやゲームじゃねえんだから!!!」とツッコミを入れずにはいられない。 明確な主人公が不在なので、誰が死ぬか分からないっていうのは面白いんだけどね……。 ちなみにオチは本当にひどいというか、本当に酷過ぎるというか、 いやお前ちょっと待てよ!!なんだよこれ!!!と机バンバンせずにいられなくなります。 しかも最後にはマリアッチのおっさんが唐突に登場し、ギターを引きながら3作のあらすじを適当に歌い上げ、 「どうせ考えても無駄だから怪物の正体とか気にしないほうがいいよ、4作目作ったら明らかになるかもしれないけど」 と言い放つ辺りには、あのクソ映画『ホテルゾンビ』のエンディングを思いだしてしまう嫌な既視感がありましたね(白目)。 とはいえ、「普通にやってりゃ面白くなった作品シリーズ」をここまで盛大にコースアウトさせて、 ロクでもないボンクラダメ映画シリーズへと仕上げてみせた制作陣のハンドルさばきにはいっそ感心するというか、 このオチまで含めての『ザ・フィーストシリーズ』だと考えると完全に狙いにハマってしまった感があります。 何かこう、「一発当たってしまったB級ホラー映画がシリーズ化されて盛大にクソ映画となっていってしまう」という、 日米欧問わずによくある映画界の光景を確信犯的になぞっているといいますか。 『トレマーズ』の1が大傑作なのに2と3が凡庸極まる映画になっていった流れを見てると、 このザ・フィースト3部作は『そういう流れをあえて踏襲することで、B級モンスターパニック映画のお約束に挑んだ』んだろうなぁと。 とてもじゃないけど入門者向け作品とは言いがたいので、 ある程度以上にB級モンスター映画とかホラー映画をたしなみ過ぎたボンクラ映画クラスタにオススメ、というところでしょうか。 心を広く持って見ると楽しい作品だったよ!!! ・DVDはこちら→フィースト2 -怪物復活- [DVD] / フィースト3 -最終決戦- [DVD] |
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■11年12月04日『デッドクリフ』 ある週末、ロッククライミングのために山を訪れた若者たち。 インストラクターを務めるカップルと、登山初心者カップルの楽しい休暇になるはずが、 登山初心者カップルの女性の元彼も参加することになり、妙にギスギスした空気に。 それでもロッククライミングを楽しんでいた彼らだったが、吊り橋のワイヤーが切れる事故が発生、予定通りに下山できなくなってしまう。 陽も傾く中、必死に下山しようとする若者たちだったが、彼らを謎の男が襲う……。 ギスギスした人間関係を引きずったまま、彼らは無事に山を降りられるのか。 いわゆる『田舎に行ったら襲われた』系の作品ですが、その脅威となるのがモンスターだけではなく大自然でもある、という本作。 自然怖ぇえええ!!!という作品だと今年レンタルで見た『フローズン』が今のところ最強なわけですが、 本作はあちらにない『明確に殺意を持って襲ってくる敵』がいるのが特徴なわけで、さぁどうなるかなと思って観てたわけですが。 結論から言うと、大自然の怖さをうまく描けすぎている一方、肝心の『敵』がびっくりするほど……うん、ショボくて……。 とにかく、欧州の山岳地帯が舞台になっているだけあって、映像の雄大さとかは実に良い感じ。 高所の恐怖をうまく撮ってるなぁ、うまく見せてるなぁ、というのは思いますね。 初心者カップルの男が非常にホラー映画でよくあるタイプの弱気バカで、こちらに変なストレスを与えまくるといいますか、 いいぞもっと引っ掻き回せ!!!と思うものの、それが原因で本当に仲間割れが起きるのが何というか(苦笑)。 ただ、逆に『序盤から自然(と老朽化する設備)の脅威をうまく描け過ぎていた』のが問題かなぁ、という。。 「楽しいロッククライミングが吊り橋落下の事故により一転!!」ぐらいの流れにすればよかったんだけど、 単にロッククライミングするシーンだけでもう「ほら怖いだろ!?怖いだろ!?」って見せ方をしてくるので、 ロッククライミングの楽しさとか大自然の雄大さを満喫してるシーンがなく、 初心者がビビリまくるだけなのが、こう……本当勿体無いなぁ。 そして何よりも一番の問題は、襲ってくる『敵』でありまして、これが別にゾンビとか怪物だとかではなく、 ごく普通の単なるオッサンなので……これがもう……。単に武器持ってるだけだしね……。 それでも脅威として存在出来てるのは、偏に登山パーティの仲間割れという要素があるからだしね。 山の自然という、およそ対処できない脅威から、なぜか「武器さえあれば対処できるオッサン」へと脅威が移り変わるので、 スケールダウン感がものすごいことになっておりまして、1.3倍速で見るだけでも十分じゃないかと思ってしまったり。 まぁあの辺りの地帯では本当にああいう行方不明事件が起きてるのかもしれませんが、 そこら辺の背景を知らない身からするとちょっとなぁ……うーん。 もっと面白くなる要素は見えてただけに期待はずれの部分が大きく残念なところでしたね。 ・DVDはこちら→デッドクリフ [DVD] |
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■11年11月26日『3時10分、決断のとき』 駅馬車を幾度となく襲撃し、悪名を馳せた強盗団の頭目、ウェイドが逮捕された。 地主たちからの執拗な嫌がらせによって苦しい生活を強いられている元兵士のダンは、 ウェイドを裁判にかけるための護送任務へと志願する。 だが、その護送任務はウェイドを取り返そうとする強盗団たちの襲撃を受け続ける過酷なものだった。 一人、また一人と命を落としていく誤送任務のメンバー。 そして目的の列車が出発する当日、ダンは大きな決断を迫られることとなる……。 っということで秋の夜長(もう冬ですが)向けの映画をもう一本。 『カウボーイ&エイリアン』みたいな斜め右方向の西部劇映画があったり、 『トゥルー・グリット』みたいな本格的西部劇映画が公開されたり、 『レッド・デッド・リデンプション』みたいな西部劇ゲームがリリースされたりしてる昨今ですが、 やっぱり日本人の気質に西部劇は合うんだなぁ……としみじみ感じいると共に、 その西部劇作品の復権(日本国内で)に寄与したのはやっぱりこれだよねー、と思うのが本作。 何かアメリカではめっちゃ評判が高かったのに、日本では公開が延び延びになってた…という話も聴きましたが、 いやぁ、本当にかっこいい映画でした!!! 強盗団の頭目、ウェイドはラッセル・クロウ。牧場主のダンはクリスチャン・ベール。 どっちも演技が非常にうまく、かつ丁寧な役者だけに、どちらの役柄も本当に絶品ですね……。 ユーモアがあり、腕も立ち、自らの運命を受け入れつつ、自らをコケにする人間には容赦しないウェイド。 苦しい生活の中、家族を守ろうと懸命にもがきながらも生きるダン。 自由さを満喫するウェイドと、汲々としたダンの対比は本当にグッと来ますし、 だからこそクライマックスでダンが迫られる『決断』と、それを受けてのウェイドの行動が、強く胸を打ちますねー……。 また、ウェイドを取り戻そうとする強盗団の副頭目はベン・フォスターで、これまたカッコイイんだなー。 ピーター・フォンダもカッコイイですし、野郎成分バリバリの映画になっています(笑)。 アクションシーンは西部劇ということで、拳銃、ライフル、あとショットガンぐらいだったかな。 それでも十分すぎるほどの密度と緊迫感があり、非常に良い『西部劇』になっていると思います。 ウェイドもダンも銃の扱いが本当にサマになってますしね……。 クライマックスでは街全体が敵となる中での戦いが繰り広げられ、『真昼の決闘』を彷彿とさせる展開に。 そこからはもう、息を呑む展開という言葉がぴったり来る感じで、ものすごく見入ってしまいましたしねぇ……。 ラストの余韻も素晴らしい、『傑作』と呼べる一本だと思います。 ・DVDはこちら→3時10分、決断のとき [DVD] ・リメイク前のオリジナル版はこちら→決断の3時10分 [DVD] ・合わせて観ていきたい→トゥルー・グリット ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray] |
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■11年11月25日『ザ・ウォーカー』 核戦争により荒廃しきった近未来。 世界に一冊だけ残った『本』を携え、荒野を西へと歩き続ける男、イーライ。 彼の目的は、本を西へと運ぶこと。彼自身もまだそこに何があるかは分からない、苦難の旅路だった。 ある日立ち寄った街で、ふとした出来事から彼が『本』を持っていると街の独裁者、カーネギーに知られることとなる。 カーネギーもまた、その『本』を求めてやまない男であり、なんとしてでもイーライから本を奪おうとする……。 イーライは独裁者たちの手から本を守り、本を運ぶべき場所へとたどり着くことができるのか。 っということで最近には珍しい『まっとうな全面核戦争で荒廃しきった世界』が舞台の、モンスターが出てこない系映画。 「え、さとっちさんなんで見てるんですか」とか言われそうですが気にしない気にしない(ぇー)。 色々とネタバレすると台無しになりそうな話ではあるものの、 アメリカ文化でそこまで重要な位置づけになる『本』となれば一冊しか無いと思うので、まぁ大概皆さん分かるよねと(笑)。 つまるところ、世界に一冊だけ残った(他はすべて、戦争の原因となったとされて焼却された)聖書をめぐる、 非常に小さな規模の、『守るものと奪おうとするものとの戦い』の物語です。 聖書をめぐる物語ですが、やたらに説教くさかったりはしませんし、 『ダ・ヴィンチ・コード』みたいにキリスト教の知識がないと楽しめない…ということもない、というのは嬉しい作り。 また、アクションシーンも随所に盛り込まれており、おかげで作品がグッと引き締まっています。 イーライを演じるデンゼル・ワシントンの殺陣がカッコいいんだこれが!!! 途中から出てくる年寄り夫婦もいい味を出してますし、アクションは予想よりも楽しめましたね……。 いや、もちろん『マッドマックス』みたいなヒャッハー展開とかはないんですが。 終盤の展開はそれこそ言うと全部が台無しになるので伏せますが、 『本を守り続ける意味』『イーライが西へと向かい続けた理由』『本当に果たすべき使命』 を非常に自然な形で明示してみせる、素晴らしい展開だったと思います。 イーライが守り続けた聖書がどういう形で結末に結びつくのか、ここは本当に感心しましたしね……。 かなり彩度を落とした映像の荒涼感や、主張しすぎないBGMなど非常に落ち着いた映画なので、 秋の夜長(もう冬ですが)に見るにはぴったりの一本だったと思います。 ・DVDはこちら→ザ・ウォーカー [Blu-ray] |
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■11年11月15日『コリン LOVE OF THE DEAD』 ある日突然、死者がゾンビとなって蘇り、人間を襲うという異常事態が発生する。 社会機能が麻痺していくロンドンに住む青年、コリンもゾンビに腕を噛まれてしまい、自分の部屋で意識を失ってしまう。 再び目が覚めたコリンはゾンビとなりながらも、かすかに残った記憶に従い、ロンドンの街へと歩みだす。 その目的は生者を喰らい飢えを満たすことではなく、『ある場所』へとたどり着くこと……。 ひたすらに作り倒された結果、玉石混交というか10本のうちに1本でも当たりがあればいいゾンビ映画の世界となっている中、、 本作品は『総製作費6000円!!ロメロ以来最高のゾンビ映画!!』という謳い文句で日本に上陸してきたわけですが、 蓋を開けてみれば……うん、実に凡庸というか退屈というか、貶すポイントは無いけど褒めるような作品でもないよね、と。 ゾンビとなってしまった青年コリンが、かすかに残る生前の記憶を元にロンドンを歩いて行く過程を追う映画ですが、 道中で起きる事象は押さえるべきポイントを抑えてるとは言えるものの、それが主人公にナニカをもたらすわけでもないため、 今ひとつパンチが薄いんですよね。 いやまぁ、主人公が人間に捕まったりはするんだけれど、それを経て主人公が成長しない(だってゾンビだもの)んで、 ロードムービーとして非常に大事な「成長」っていう要素がすっぽりと抜け落ちちゃってる……という。 こちらがゾンビ(コリン)に対して同情感を持てば作り手側の勝利だったのかもしれませんが、 残念ながらそれは失敗に終わってると思います。 人間たちに襲われて傷ついても、そこにコリンの悲しみや怒りは存在せず、淡々と話が進んでいくので、 演出側の「ほらコリン可哀想だよねーゾンビって実は悲劇的な生き物だよねー」という押し付けが見えるんですよね。 ましてや、時間が経つにつれて肉が腐って肌がどんどん汚くなっていく、「ゾンビとしてのコリン」を描いちゃってるから、なおさらに。 つまるところ、ひたすらに血肉を求めてさまようはずのゾンビが、記憶に従ってただ本能的に『ある場所』へと歩いて行くだけなので、 波長が合わない人にはとことんまでかったるくて退屈な時間(97分)が続きます。 人間としての理性を持ってるわけではなく『記憶』なので、生きてる人間の血肉を食らうことへの葛藤とかもありませんし、 このへんはどうにかならなかったのかなぁ、うーん。 あと『ゾンビとなった側から見る人間の恐怖』という視点も描かれてはいるものの、 それは単に『狩る側と狩られる側』の関係性の話でしかない(立場が逆転することはあるけども)、それは単に、 普通のゾンビ映画を見て我々が「いやーゾンビ怖いわ!!って思うのと何一つ変わらないわけです。 それはどんな映画でもごく一般的に存在する関係性でしか無いので、正直全然魅力を感じません。 むしろロメロ監督の『DAWN OF THE DEAD』を始めとして、色々な映画で今まで何回も描かれてきた、 「本当に怖いのは、味方であるはずの人間」というメッセージの方が、見ていてキツいですし、怖いし、面白い。 見ていてかったるいテンポの映画、という部分ではロメロ映画と共通しているものの、 正直ロメロのゾンビ作品と比較するのは(晩年のロメロ作品であっても)ちょっと失礼じゃないかなぁ、これ。 ちなみにこの映画、制作費0円を目指していたようで、監督がフェイスブックやらマイページやらで「こういう映画作るんだけどみんな参加しない?」と声をかけたら、俳優やらエキストラやらが無償で集まってくれた……という話があったり。 制作費の6000円は「撮影の途中でテープが無くなっちゃったんで近くのお店で買った代金と、小道具のバールの代金と、エキストラに振舞ったコーヒーとお茶とクッキーの代金」のことらしいので、何かもう全面的にジョークの領域の数字ですね。 実際には完全に自主制作映画で、それを南アフリカの方の映画祭に出したら大絶賛された……というのが真相の模様。 監督・脚本・編集・録音を一人でやってるから人件費0でカウントしてるところに至ってはもうね(苦笑)。 総評すると「制作費とかの余分な情報を取っ払ってしまえば実に凡庸極まる作品」という評価かな。 完全に視点をゾンビ側に置いた、という部分で目新しさはあるものの、そういうゲームも出てるので革新性は無し。 ちょっと変わったゾンビ映画を見たいなぁ、めっちゃ地味でもいいから……という人にだけはそーっとオススメしておきます(苦笑)。 ・DVDはこちら→コリン LOVE OF THE DEAD スペシャル・エディション [DVD] |
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■11年11月15日『サバイバルフィールド』 『派手でリアルなゲームを楽しめる』という噂のペイントボールゲームに参加した8人の男女。 装備も整え、各自に割り振られた役割に文句を言ったり喜んだりしながらも、 フィールドに降り立ち、相手チームに先んじて第一のフラッグポイントへと到達した。 しかしそこでチームの一人が、何者かの放った実弾で射殺されてしまう……。 今の弾丸は一体誰が放ったのか?このフィールドは一体何なのか? チームは状況を把握できないままに脱出の糸口を見つけようと動き出すが…… ええ、古今東西『ゲームに参加したと思ったら自分たちが狩られる側だった』とか、 『ちょっと拉致られて殺人ゲームで狩られる側に回された』とかのネタは尽きないものですが、 今回もそういう系列の作品でありまして。サバイバルゲームに参加したと思ったら実は自分たちが標的でしたー!という……。 装備だけは一人前のタクティカルギアだけど、持ってるのがペイント弾を撃てる銃なので、 ハンターに対して何の脅威にもならない辺りは非常に哀愁を感じるものの、やっぱりちょっと拍子抜け。 ゲームのフラッグポイントに行くたびに装備が増えてハンターへの対抗手段をが徐々に揃っていくんですが、 ……ハンターがライフルと暗視スコープ持ってるのに、マチェットとかさぁ……もっとこう……。 あと主人公たちのチームが『面識のない初対面の、寄せ集め』であるがゆえに、 「人が死んだ」という異常緊急事態に際してあっという間に分裂、内輪もめを起こしていくのが良くもあり悪くもあり。 得意分野があるとか、各自が持ってる知識を合わせてハンターへ対抗する…!!的な展開があれば燃えたんですが。 低予算映画の宿命か、各キャラのバックボーンとか「普段はこういう人間』っていうのがほとんどまったく描かれないため、 キャラが全員薄いこと薄いこと(苦笑)。このへんは『ザ・フィースト』は本当にうまかったなー。 主人公たちのチームが殺されるシーンにしても、『暗視スコープ越しの映像』がメインなので大した迫力も陰惨さもなく、 ひたすらに淡々と進んでいくのが実に惜しい。ワイヤートラップに捕まったキャラの殺され方なんかは楽しいのになぁ。 こういう作品って、基本的に見てる側としては『調子こいてるバカが無惨に殺されるのを見て笑いつつ溜飲を下げる』のが楽しいんですが(※かなり個人差のある意見です)。 続編を作りたかったのか、「誰がこのゲームを主催した?」「誰が黒幕?」というのを全く描かず、 非常にボカしてるあたりは『ホステル』とかに影響を受けたところもあるのかぁと思いつつ、 最終的にはまったく溜飲の下がらない、パッとしない凡作でしたね……。 直せば面白くなるポイントが目に見えてるだけに、惜しいなぁ、本当。 とりあえず個人的には「これを見るならハード・ターゲット見たほうが楽しいよ!!」ということで。 ・DVDはこちら→サバイバル・フィールド [DVD] |
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■11年11月11日『アイドル爆弾』『婚活バトルロワイアル』 海外でヒットした映画の良いところの上澄みだけをすくいとってドブに捨て、 あえてドB級、あるいはC級映画の道をひたすらに歩んでいく、そんなアルバトロス・フィルムが大好きさ!!(白目) ……はい、そんなわけでとあるダメ映画好き仲間の某しろがねさんから話を聞いて 「このダメっぷりは一見の価値が有るな」と思い借りてみたら、予想してたラインのさらに斜め上を逝く酷さで、 ちょっと頭がどうにかなっちゃいそうになりながらも完走したよ!!!!! とりあえずどちらの映画も『アイドル映画』なわけですが、 『アイドル爆弾』の方はジュニアアイドル出身の安西かな、『婚活バトルロワイアル』は現役グラドルの浜田翔子が主演となっていて、 とりあえず「可愛い女の子がひどい目にあう」という意味では合格ラインを走ってると思います。多分。 『アイドル爆弾』あらすじ: 何者かによって解体不能の爆弾を体に装着させられたアイドル、愛田愛理。 眠れば爆発する爆弾を解体するために、警察により薬物を投与され眠ることを許されないままに軟禁されるが、 彼女の密着ドキュメンタリーを撮影している番組プロダクションへ、犯人を名乗る男からの電話が届く。 「愛田愛理を外に連れ出せ。言うことに従えば爆弾を解除してやる」 警察の目を盗み愛理を連れ出すことに成功するスタッフだったが、犯人から次々に「命令」が届き……。 かなりいろんな要素が混ざっていますが、一番近い例えとしては『ものすごく小規模なダイハード3』というところでしょうか。 動画をUPしたり、制限時間内に指定された場所を移動して証拠画像をUPしたり、という携帯機器を使ったギミックになっていますが、 基本の「リアルタイムで飛んでくる犯人の指示に従って、都市を右往左往する」という流れは限りなく似た構造。 ただ、低予算バリバリなおかつ日本映画というかアルバトロスの宿命というか、 あまりにもいろんな所に気が配られてない、という。 劇中の視点は愛田愛理の密着ドキュメントを撮影してるスタッフのカメラだけなので『外部』の様子が分からない、 つまり警察の対応などは一切描かなくてもいいものの、だからといって「警察が何もしてこない理由にはならない」わけでしてね……。 自由のために警察署から(爆弾をつけたままで)逃走した時点で、『被害者でありつつも追われる身』になってるはずなんだけどなぁ。 そのあたりが全く描かれていないので、ものすごい『適当さ』を感じずにいられない……。 いやまぁ、アルバトロス・フィルムの映画に何を求めてるんだという気もしますが!!! ちなみに、オチは、えぇと、本当の本気で酷いといいますか、弁解の余地なく「これはひどい」と断言しましょう。 「お前誰だよ!!!」「何でこうなる!!!!!」とテレビにツッコミを入れ続ける必要が出てきますが、 なんかもうこれはアルバトロス・フィルムの映画を観る上では避けて通れないところなので、目をうつろな感じにおちくぼませながら見ていくとよいでしょう(昏い目で)。 ・DVDはこちら→アイドル爆弾 [DVD] 『婚活バトルロワイアル』あらすじ: 借金の返済にあえぐ売れないアイドル、新條華はTV特番『婚活バトルロワイアル』に出演することになる。 借金まみれの女性たちが様々な競技で闘い、勝ち残った一人だけがセレブと結婚できる権利を得るという番組だったが、 敗者には過酷な罰ゲームが待っていた……。 はい、もう『バトルロワイアル』の亜流というかパクリと言うか『バトルロワイアル』と『インシテミル』を足したような作品ですね。 番組の様子は全国放送されて、罰ゲームの様子も生中継。参加する女性が犯されたり死んだりするけど。 その「人が死ぬ」を、「どうせヤラセだよねー」とか思ってる登場人物全員のネジが5本ぐらい抜けてていっそ清々しいです。 お前、爆弾で腕吹っ飛んだり脚だけ残して全身吹き飛んだりしてるのによぉ……。 まぁその『婚活バトルロワイアル』という番組が大人気と劇中で言ってる割に、セットがあまりにもショボいあたりは、 アルバトロス・フィルム映画だというフィルターを五重ぐらいにかけて補完しましょう(遠い目で)。 ちなみにこの手の映画で必須な『お色気』シーンですが、犯される役の女性が一人だけおっぱい丸出しになるものの、 他の部分には全く見る所がなく、そこでも非常に期待はずれですね……。浜田翔子はまぁ仕方ないけれど。 長さとしては73分と非常に短い作品ではあるものの、展開が実にかったるくて見てても楽しくないため、 1.3倍速ぐらいで見ちゃってもいいかもしれません。と言うかそのほうがスピード感が増して良いかもしれません(遠い目)。 ・DVDはこちら→婚活バトルロワイアル [DVD] |
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■11年11月09日『ザ・フィースト』 テキサスの片田舎にある場末のバー。 いつものように客は飲んだくれ、様々な人生が微妙な塩梅で交差しながらも平和な夜が過ぎていくはずだった。 しかし散弾銃を携えた男が突然乱入、「早く店を封鎖しろ!!怪物に襲われるぞ!!!」と叫び、 切り落とされた怪物の頭をカウンターの上に放り投げた……。 様々なシチュエーションでひたすらに作り倒されているB級ホラー映画ですが、 もうここまでくると「大概作り過ぎてもうネタ残ってませんよね」と言いたくなる昨今。さすがに見飽きた感もありますし(苦笑)。 しかし中にはそういった『B級ホラー映画であることを飲み込んだ上で作る映画』が増えてきてるんですよね。 お約束的な部分を全部抑えたり、過去の傑作へのオマージュであったり……この辺りは例えば『ショーンオブザデッド』とか『ゾンビランド』とかになりますが(両方ゾンビ映画なのはそういう映画中心に見てるからです)。 んで、今回見た『ザ・フィースト』もそういうたぐいの作品でありつつ、 『B級モンスター映画でありながら、B級モンスター映画のお約束をぶっ壊す』痛快な作品でした。 基本的には「バーに立てこもって、モンスターの襲撃を退ける」というシンプルなあらすじ。 モンスター映画に多い立てこもりジャンルということで、非常にオーソドックスな映画……だと思ったんですけどねぇ(笑)。 舞台は2階建てのバー中に限られるものの、その「限られた空間」の使い方が見事ですし、 『ヒーロー』『ヒロイン』『ハニーパイ』『ババア』などで勝手に命名された登場人物のキャラも立ってて楽しい(笑)。 というか、「B級モンスター映画ならこいつは助かるよねー」とか「こいつはこう見えてここで生き残るわ」っていうのが、 非常に良い感じで裏切られまくるのには変な笑いが止まりませんでした。 いやお前それタブーだからね!?ってのもありますし(笑)。 モンスターも大型、中型、小型とバラエティに富んでいますし、その姿を見せ過ぎないのも良いですね。 この辺りは低予算ってのもあるんだろうけれど、良い感じに「どんな敵かわからない恐怖」が出てきますし。 あとモンスターが『ナイフのように鋭い爪』を生かして人間の脚をバッサリぶった切ったり、 眼球引きずりだしたり、何かもう、本当、良いね!!! まぁ立て篭もる側も化物のちんこ切り落としてそれ引き潰して大喜びしてるんだけどな!! 良い感じにそういうグロ方面も充実してて、かなりコレは予想外の嬉しさでした……あ、人によってはキツイかもしれません。 馬鹿な会話も多いしバカなキャラも多いし、B級ホラー映画としての体裁をちゃんと守りつつ、 そのお約束をぶっ壊しながらもご楽に徹した作品としては非常に良作でしたねー、得てしてこういうのは『タブーとお約束に挑んで大失敗』っていうのが多かったりするんだけど(苦笑)。 ・DVDはこちら→フィースト アンレイテッド・バージョン [DVD] ・続編はこちら→フィースト2 -怪物復活- [DVD] ・フィースト3 -最終決戦- [DVD] |
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■11年7月24日『アンデッド』 オーストラリアの片田舎にある街、バークレーへある日突然、隕石が降り注いだ。 しかも、隕石に直撃(!)された人々がゾンビとして蘇り、街の人間たちを次々に襲い始める。 そして降り注ぐ『触れると白煙を上げる雨』、隕石ではない謎の飛行物体、空を覆い尽くす不気味な雲。 さらには待ちが巨大な壁で外界と隔絶されてしまう……。 辛くもゾンビの襲撃から逃げ延びたレネたちは無事に街を脱出できるのか…!? っということで『処刑山』がノルウェー映画なら、こちらはオーストラリア産のゾンビ映画。 名前と評判は聞いてたものの、なかなか見る機会が無くてズルズル来てましたが、ツタヤのレンタルで発見したのでサクッと借りてみました。 しかし最近見てるゾンビ映画がノルウェーとかオーストラリアとか、なんかもう食料品じゃねえんだという気もしますが(笑)。 作品内容的にも最近よく見る『80年代ホラー映画直撃世代によるリスペクト&やりたいことてんこ盛り映画』と言いましょうか、 最初からA級作品を作ろうとせずに、あの古き良き懐かしのごった煮ホラー映画を作ったよ!という感じの後味の良さ(ぇー)が印象的です。 やりたい放題の方向としてはピーター・ジャクソンの『バッド・テイスト』とかが近いかな? 話としては『街からの脱出』が最終目標の作品ですが、 片田舎の平和な街(どちらかというと村っぽい)なので、それほど舞台装置として面白いギミックはありません。 ただし立てこもり・スーパーマーケットでの死闘など、ゾンビ映画の抑えるべきポイントはシッカリ押さえられています。 アクションシーンやスプラッタシーンに関しては80年代風に大げさすぎる大量血糊祭りになっていて、 景気よく壁やらカメラに血糊がブッかけられます。首もバンバンすっ飛びます。 ゾンビとの戦闘シーン自体はそんなに多くない(終盤20分ぐらいは戦わないしね)んですが、 その分、入れるべきところにちゃんと入れてきている感じ。 序盤は完全に銃撃メインでゾンビと戦うんですが、そこで輝くのがマリオンというカウボーイ風のヒゲ親父。 過去に『釣りをしてたら隕石が直撃した魚がゾンビフィッシュになり襲ってきて、やっとの思いで撃退したら異星人に拉致されたけどなんとか生き延びたんで、奴らが次に来たら対抗できるように武器を溜め込んでる』という、街ではキチガイ扱いされてる人ですね。 これがもう、積年の恨みとばかりにバカバカしくも清々しいほどのガンアクションを見せてくれます。 というか、対アンデッド・対異星人用の銃が、『ショットガンを三挺、横に並べてフレームで固定しただけ』って辺りはどうなんだ(笑)。 ガンエフェクトはちょっと音が軽めなのが惜しいですが、(登場人物は大マジだけど)ネタ方向に走ってるので、まぁこれはこれで。 というかスーパーマーケットでの死闘は大笑いしながら観てました、炭酸飲料のその使い方は無かったわー!!!(爆笑) 本作の特徴にして一番評価したいポイント、それが『異星人とゾンビ』という2つのネタの絡め方。 普通なら『異星人が人間をゾンビ化させ、侵略の尖兵とする』ぐらいの物が多いと思うんですが、本作ではまさかの……ねぇ(笑)。 途中から「うーん?これもしかして」と思いながら観てましたが、終盤ではそれでも膝を叩いて「そうきたか!!」と叫んじゃいましたしね。 詳しくは言いませんが、何でゾンビ映画が途中から『未知との遭遇』みたくなってんだよ!!!(笑) もちろんオチはゾンビ映画とかホラー映画によくあるあの手のやつになっているので、お好きな方もご安心ください(何)。 ・DVDはこちら→アンデッド [DVD] |
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■11年7月20日『新人 由愛可奈 〜正真正銘18歳。元現役女子校生グラビアアイドル、夢のAVデビュー!〜 in HD 』 Amazon:新人 由愛可奈 〜正真正銘18歳。元現役女子校生グラビアアイドル、夢のAVデビュー!〜[Blu-ray] みんくちゃんねるの情報で気になったんでついつい購入、まぁ安いしね(笑)。 しかし本当、AVに関してはBDも値段が小慣れてきた印象がありますねー、もちろん高いのは高いけど。 でもアホみたいにDVD+BDセットとかで発売しないし、うーん。アニメと映画はどうしてこうなった……。 全体的には『かなり良い』という評価かなー、由愛可奈はAVデビューまで知らなかったんですが、 グラビアアイドルのデビュー作、というコトを抜きにしてもなかなか良い一本に仕上がってると思います。 B83ということでおっぱいのサイズはやや小さめですが、形は良いし乳首の形と色も個人的にはOK。 何よりもお腹まわりのスタイルが素晴らしく、このあたりはさすがグラビアやってただけあるなぁと。 寝そべった状態でお腹に力が入るシーンでは腹筋が綺麗に浮かび上がってます……ちゃんと割れてるしね(笑) お腹まわりが素晴らしいということで、当然のように、背中〜腰〜お尻へのラインも絶品ですね。 絡みは3つですが、下着姿でのフェラ+顔射シーンがあるので実質4つ。 フェラについてはもうちょっと要勉強、というところですが、他の絡みは全て高得点。 特に1回目の絡みから4回目の絡みを見ていると、徐々に大胆になっていってたりしますし、 かなりHに貪欲なのがわかります、っていうかデビュー作からかなりアクセル踏み込んでますよこれ(笑)。 1つ目は普通に脱衣からの絡みですが、ここでお腹とか腰とか背中のラインの綺麗さが堪能できます。 緊張しながらも徐々にそれが溶けていって、という過程がすでに見えますね。 緊張しっぱなしではないので、『AVデビュー作』の一発目絡みに初々しさを求める人にはちょっと物足りないかも? ただここ、キスシーンが非常にエロいので、そういう意味でもおすすめです。 2つ目は下着姿で脱衣無しのフェラのみ。 フェラ自体はあんまり見所無いんですが、ブラに包まれたおっぱいの谷間が美しいので個人的には全然OK。 あと顔射されてからの表情が嬉しそうで実にエロい。これは次回作以降でのごっくん解禁が楽しみです。 3つ目はA●Bっぽいチェックのスカート+オーバーニーソにノースリーブのブラウスでのハメ撮り。 このへんからもうかなりアクセル踏んでて、「入れて、入れて、入れて」とかのおねだりがあったり、 抜けちゃったアレを自分からすぐに入れようとするとかのエロ娘っぷりが炸裂してきます。 ただここは結構カットが多めの繋ぎ繋ぎなので、出来ればじっくり見たかったかな。20分ぐらいしかありません。 4つ目は1つ目の絡みと同じく1対1の絡みですが、ここはかなりハードな攻めの連続。 手マンで潮吹きの直後に挿入し、突いて突いて攻めまくったところで抜いて手マン→潮吹きさせたりという、 テクニカルかつ強引な攻め方の前に完全に脱力しきったりしています。 全体的に受け身プレイですが、イキっぷりが良いうえ、攻められ続けてのぐったり感がゾクゾクさせられますね。 マイナス点があるとするなら @:声が鼻にかかってモチャッとした感じなので、演技には向かない印象がある(喘ぎ声とかは良い)。 A:ハメ撮り以外の部分でもカメラ目線が多いので、Hに没頭してる感じを堪能する、って感じじゃない。 B:お尻とか太もものシミがちょっと気になるかも。シミ除去してくれるといいなぁ。 という3つぐらいですかね。 カメラ目線は純粋に好き嫌い分かれる感じですけれども。 そんなわけで、値段を考えるとかなりお買い得感のある一本でした。 正直、やまぐちりこのデビュー作よりも満足感が高かったですね(笑)。 巷で話題になってるモザイクズレは、PCのモニタ(23インチ)とPower DVDで見ると「あぁ、これかな?」と言う程度。 モザイク自体が細かめなので、アレ自体の形とか色はハッキリわかりますし、それほどこだわらなくていいかも。 ・BDはこちら→新人 由愛可奈 〜正真正銘18歳。元現役女子校生グラビアアイドル、夢のAVデビュー!〜[Blu-ray] ・第2作目はこちら→ご奉仕美少女のおねだりSEX。 由愛可奈 in HD マキシング [Blu-ray] |
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■11年7月13日『処刑山-デッド・スノウ』 あらすじ: 雪山にバカンスへと訪れた8人の医学生たち。 だがそこは、かつてノルウェーに駐屯し暴虐の限りを尽くしたナチスドイツの兵士たちが 住民たちの反逆に敗走し、奪った財宝と共に姿を消した先であるという、いわくつきの場所であった。 そして学生たちが、宿泊するコテージの中で偶然にもナチスドイツの財宝を発見したとき、 雪山に眠っていたナチスの兵士たちが、ゾンビとなって蘇り、彼らを襲い始める……!! ちょっと珍しいノルウェー産のこの映画、キャッチコピーが『海へ行けばよかった……』というあたりに限りないユルさを感じますが、 荒木飛呂彦氏言うところの『田舎に行ったら襲われた』系の作品です。 シチュエーション的には『死霊のはらわた』に近いのと、かったるい序盤から一気に疾走感あふれる後半への切り替えなど、 限りなく80年代の香りに溢れまくった、愛すべき2000年代の映画……というところ。 っていうか、ある学生の着ているTシャツが『ブレインデッド』のシャツだったりする辺り、うん、そこが目指す場所だったか!!(笑) 本作は『ゾンビもの』として宣伝されているものの、一般に言われるゾンビとはちょっと違うかも。 血肉を食らうことが目的で人を襲うのではなく、それはあくまでも攻撃手段の一つであり、 リーダーによって統率され、目的を持つ集団を形成し、武器を持って行動し、そして走りまくる。 どちらかというと『アンデッド』とでも呼べばいいでしょうか、吸血鬼的なヒエラルキーを持ってますね。 倒すことも出来なくはないけれど、ある条件を満たせばそれ以上襲ってこない、とかの部分で言えば、 日本の妖怪とか怨霊とか、そんな感じの部分もありますしね。 単純にゾンビものと考えると、ザック・シュナイダー版『ドーン・オブ・ザ・デッド』のゾンビよりも、 さらに強烈な道の踏み外しっぷりではありますが、これはこれで全然問題ないかな(笑)。 そんな元気なゾンビが銃剣を使って被害者メッタ刺しにしたり、顔面掴んで目を潰してそのまま縦にまっ二つに引き裂いて脳みそこぼれ落ちたり、チンコに噛み付いたり、はらわた引きずりだしたところに手りゅう弾突っ込んで吹き飛ばしたり全身メッタ刺しにした上身体を引き裂いたりと、最近には珍しいぐらいに威勢よく臓物引きずり出し系の映画をやってるんですが、 それが明るく爽やかな雪原の上なので、あんまり陰惨さは感じませんね。 何せゾンビの出し方が『ジワジワとビビらせながら出すよー』ではなく、 『はい、ゾンビ出すよ!走るよ!頑張ってね!!!』という強烈な体育会系っぷり(笑)。 ホラー映画で「あのジワジワと精神を削られる演出が苦手なんですよー」という女性にもオススメです(待てよ)。 対する学生たちも中盤以降は逆襲に転じるんですが、 明るいロックをBGMに、ハンマーとかチェーンソーとかショットガンとかスノーモービルを使って、 全力疾走で突っ込んでくるゾンビたちをぶった斬りブン殴りひき殺し削り殺しなどでイキイキと解体するにいたっては、 「ドキッ!男だらけのスプラッタ大会 ポロリもあるよ!」という副題をつけるのもやぶさかではありません(ぇー)。 そしてスプラッタといえば、の血糊表現も頑張ってるといいますか、血が付いてる部分がちゃんとシーンが経過しても同じだったり、 そのついた血が時間経過でどす黒くなって固まっていったり、このあたりは純粋に褒めていきたいところですね。 あとなかなか良い感じに「このシーン、どこかで見た事あるよねー」「ですよねー」なシーンがふんだんに見受けられ、 とりあえずこの監督は絶対に『ランボー』と『インディ・ジョーンズ』大好きだよね(笑)。 主演の俳優たちに「ねえねえどんな死に方がいいー?」と聞いて、その要望を強引に作中で実現したんじゃないかと思うぐらいには、 死に方というか演出に差があって、「あぁ、あれがやりたかったのねー……」とかテレビの前でニヤニヤするかも。 妙に優遇されてるイケメン君なんかは、これもう監督の昔なじみじゃないんですかというぐらいに過去作へのオマージュと 盛大なアクションシーンその他の見せ場が用意されてるので、その辺りも本当、80年代映画テイストだわー(笑)。 純粋なホラー映画というよりもコメディ的、というか、メチャクチャやり過ぎてて笑ってしまう辺りには、 サム・ライミの『死霊のはらわたシリーズ』とかピーター・ジャクソン『バッド・テイスト』『ブレインデッド』の香りもしますし…… 何よりも監督がイキイキと、楽しんで、「俺はこんなのが作りたいんだ!!」の気持ちを伝えてくる痛快な一本なので、 「ちょっと臓物多めだけど陰惨じゃなくて、肩の力を抜いて見られるホラー映画」を探してる人に是非ともおすすめしたい一本ですね。 ・DVDはこちら→処刑山 デッドスノウ [DVD] ・合わせてみておきたい→死霊のはらわた [Blu-ray] |
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■11年7月11日『サムライ・アベンジャー 復讐剣盲狼』 あらすじ: 犯罪組織のボス、フレッシャーが刑務所から釈放される日、そこへと向かう一人の男の姿があった。 名前は盲狼。 フレッシャーに妻と娘を惨殺され、自らも両目を奪われた男が8年間かけて研鑽を積み、 ただひたすらにフレッシャーを殺すことを目的とした復讐鬼である。 だが、フレッシャーも刺客の来襲に備え、7名の腕利きを刑務所までの道に配していた。 復讐に燃える盲狼は、7名の刺客を斬り倒し、フレッシャーへの復讐を果たせるのか……? 正直あらすじを書くのに難儀するというか、ストーリーがあってないようなものなのでやや困りました(いきなりかよ)。 公式サイトとか見てると海外の『ファンタスティック・プラネット映画祭』の第一回で最優秀作品賞に選ばれたとかで、 それなりに頑張ってる映画なのかなーと思い観てみたり。 しかしこの映画祭、聞いたことないと思ったらオーストラリアのなのね。 映画のジャンルとしては和洋折衷ごった煮の剣客復讐譚、ということで、 『キル・ビル』とか『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』に近い雰囲気の作品だと思ってもらえればいいんですが、 舞台は砂漠の荒野(っぽいところ)だったりする辺りは、両作品よりもマカロニウエスタン作品色が強いかも。 舞台設定とか年代設定とかその辺りは考えてもさっぱり意味が分からないので、 とりあえず頭の中からツッコミは捨てるが吉。 そもそも敵がガンマンとかくノ一とか水着おねーちゃんなのはともかく、魔女とかゾンビ使いとかだしな!!!何でだよ!!!(笑) そんな面子と盲目剣士が戦っての復讐劇なんですが、 残念なのは『アイデアはともかく殺陣が壊滅的にモッサリしてる』点。 とにかくもう、早回しでも細かいカット割りでもスローモーションと早回しの併用でも何でも使っていいから、 もうちょっとキレのある動きをして欲しかった、 殺陣とかいうレベルじゃなくて、「はいここに刀出すから、こう打ちこんできてねー」っていう、『殺陣を付けている様子』を見せられてる感じ。 正直、ここは本当に評価できないというか、このアクションのダメさに引っ張られて作品の評価が下がるなぁという。 あと、主人公が妙にツヤツヤプクプクした血色の良い中年小太りのオッサンなので、 復讐鬼としての凄みとか全く感じない……髭面だけど無精ひげってわけでも無く整ってるし、 うん、これはちょっとね……もうちょい役作りをやね……。 この主人公を演じる光武蔵人さんは監督・脚本・制作もやってるので、 結局のところ、光武ワールドに馴染めるかどうかが全てだなーと思いますね。 まぁどう考えてもアクションというより単なる切株映画(人体ズッパーの血がどっパーみたいな)なので、 そのへんのテイストが大丈夫な人にはご褒美かもしれません。80年代ホラーが大丈夫な人、というか(笑) あとアクションシーンの途中でいきなり『日本刀で日本刀を折るのは非常に高度な技術を必要とする…』とかの民明書房的な説明が入るので、『魁!男塾』が好きな人はニヤニヤできるかも。 個人的には 『目指してるところもリスペクトしてるところも分かるんだけど、色々追いついてないのと、そのリスペクトへのむずがゆさに耐え切れなくなる作品』かなぁ……。 お酒飲んだりしてちょっと脳をボンクラ気味にすると楽しめるかもしれません(苦笑)。 ・DVDはこちら→サムライ・アベンジャー/復讐剣 盲狼 [DVD] ・どちらかというとこちらをオススメしたい→スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ [Blu-ray] ・あとコレもオススメしておきたい→キル・ビル Vol.1 【プレミアム・ベスト・コレクション\1800】 [DVD] |
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■11年6月30日『バトル・ロワイアル II 特別篇 REVENGE』 っということで、アニマックスで放送されるアニメ版『BLADE』のシリーズ構成と脚本を担当する深作健太が、 この『バトロワU』の頃からどれぐらい成長してるのかを見比べてみようと思い、 この作品と『エクスクロス 魔境伝説』をツタヤ宅配レンタルに登録してたら、 一体何の エクスクロス返却後に発送されやがったこちらもちゃんと見ておりました。 というか劇場で1回見てレンタルですでに2回ぐらい見てたので、正味4回目ぐらいの鑑賞になりますね(暗い目で)。 最も今回観た『特別篇』に関しては初めてなんですが。 前作のバトロワ1を監督した深作欣二がこちらも監督するはずでしたが、1カット撮影したところで持病が悪化し亡くなられたので、 前作の脚本を担当してた 『そこだけ聞けばちょっといい話』のある本作なのですが、その出来がなんかもう、えぇと、本気で始末に困るレベルの、手に負えないし負いたくもない作品でね……。 話の内容としては、 ・前作で生き残った七原がゲリラ組織『ワイルドセブン』を結成、すべての大人に宣戦布告し、東京都庁を爆破する。 ・都庁爆破テロを受けて政府が『新BR法案』可決。中学生の1クラスを使って七原秋也を殺させようとする。 ・前作の担任教師、キタノの娘が編入した全寮制中学のクラスが見事に七原との対決チームに選ばれる。 ・期間は3日間。七原を殺せば、その時点での生存者は全員無事に帰れる。 ・期間を過ぎても七原を殺せなかった場合、首輪が爆発して死にます。 ・男女21名ずつのタッグマッチです。同じ出席番号同士の男女でペアを組みます。片方が死んだらもう一人の首輪が爆発して死にます。 ・ペア同士が50メートル以上離れても首輪が爆発して死にます。 ・七原が立てこもってる『戦艦島』ですが、時間が経つごとにBR法のルールに則って立ち入り制限地帯が発生します。 ・立ち入り制限地帯に入っちゃったら首輪が爆発して死にます。 ・ライフルは渡すけど弾薬は島に上陸後、ヘリから落とします。適当に。ドロップアイテム拾いながら頑張ってね。 ……はい、ツッコミどころしか無いね!!!ツッコミどころしか見当たらないね!!!! 目標が立てこもってる場所も何もかもわかってるのにミサイルの一発も打ち込まず、 戦闘経験全くなしのド素人中学生に弾丸抜きのライフルだけ持たせて上陸させて、 片方が死んだらもう一人もアウトというルール下で、3日以内に目標を殺害しろとかお前それどんなマゾゲーだよ!!! と、FPSゲームだったらコントローラをぶん投げるレベルの話でありましてね……。 銅の剣と布の服しか支給されずに「ハーゴンのタマ取ってこいやぁ」って言われたドラクエ2のローレシアの王子とバトロワ2の登場人物とではどちらが酷い境遇かワリと真剣に考えたりしてしまいますね。 というか、そういうコトを考えて意識をちょっと画面外に飛ばしたり、お酒(ちょっと強めの)を飲んだりしてないと、 驚くべきことに2時間半を越える本作をぶっ通しで見続けるのは不可能かと思います。 『ダメなポイント』を真面目に語っていくならば、前作では『クラスメイト同士の殺し合い』だったので、 尺が短くても何となくキャラクター同士のつながりとか生々しい感情が見えたりして、 やってることは基本的にアホなんだけどそれなりに見られる娯楽作品になってたのに対して、 今作では何故か『無理やり戦場に放り込まれた中学生達がワケも分からず死にまくるだけの映画』になっているので、 前作同様に、生徒たちが死ぬシーンで出席番号と名前が出ても「誰だよお前」というツッコミしか入らないという。 ただまぁそんなモンは瑣末なポイントといいますか、いやもう本当、映画のストーリー自体が完全に狂ってるので、 ちょっとやそっとの直しやダメ出しでは終わらない、それこそお酒を飲みながら5時間ぐらい延々と語れる(途中で店員さんからもうちょっと声小さくとか言われながら)レベルです。 しかも変なメッセージ性がテンコ盛りになっていまして、しかもこれが本当にアタマ痛い……。 要約すると 『アメリカが何もかも悪くてAK47は最高でテロリストとかゲリラは超絶カッコ良くて左翼の闘士とか超憧れねえ!?』 ……おい誰かちょっと健ちゃんのアタマぶん殴るか今すぐ息の根止めたほうがいいぞ本当に。 唯一この映画で褒められるポイントがもし仮にあるとするならば、どうしても褒めろと言われるならば、 やはり教師役の竹内力のラストシーンになりますね、どうしてもというならば(しつこい)。 終盤、テロリスト側に寝返った学生達もろとも七原をブッ殺すために自衛隊っぽい軍隊が投入される中、 何故か唐突にアジトのド真ん中へラガーメン姿で現れてラグビーボール抱えてトライ決めた瞬間に大爆発、 それと同時にアジトも大爆発とか、ちょっと並のセンスじゃ思いつかないレベルというか、 ここだけならばあの三池崇史監督の『DEAD OR ALIVE-犯罪者-』のラストシーンに匹敵するポカーンっぷりを発揮してくれます。 いや、なんかもう、このシーンだけはすごい、意味がわからなさ過ぎて。 もっとも、このシーンのあとも20分ぐらいだらだらした展開が続くので、竹内力大爆発というカタルシスも急激にしぼみ、 本作を見終わる頃には「そういや竹内力の爆発とかもあったよねー……」と語るだけのエッセンスに成り下がってるのがもったいない。 あそこで区切っておけば間違いなく語り草にはなったのに!!!!! 個人的にはバトロワ1も「御世辞にも傑作とは言えない凡庸なエンタメ作品」だったという評価なわけですが、 こちらはなんかもう、何をどう言い繕ったところで最大最高クラスのクソ映画でありまして、 バカ映画大好きクラスタ以外には到底オススメできないというのが最終的な評価かな……。 まぁ、竹内力の「トラーーーイ!!!!!!」→大爆発、だけは何回観ても笑えるので、もし興味があるという酔狂な方がおられれば……。 風の噂だと、本作の小説版にはこの理解不能なバカルールへのちゃんとした説明が付与されているらしいんですが、 さすがに読む勇気はありませんので、誰か読んだことある人は詳細教えてください(投げた) ・DVDはこちら→バトル・ロワイアル II 特別篇 REVENGE [DVD] ・前作DVDはこちら→バトル・ロワイアル 特別篇 [DVD] |
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■11年6月24日『XX(エクスクロス) 魔境伝説』 あらすじ: 失恋の傷を癒すため、親友の愛子に誘われて人里離れた『阿鹿里村』へ温泉旅行に来た女子大生のしより。 しかし、そこでしよりを待っていたのは、あまりにも奇怪な村人と、押入れの中に落ちていた一つの携帯電話。 携帯電話から「今すぐ逃げろ!脚を切り落とされるぞ!」という謎の忠告が聞こえる中、村の電気が一斉に途絶える。 豹変した村人たちが宿へ押しかけてくる中、辛くも逃げ出したしより。 その頃、しよりと離れた愛子もまた、大鋏を持った謎の女に狙われていた……。 しよりと愛子は無事に阿鹿里村を脱出することが出来るのか。 っということで、アニメ版『BLADE』のストーリー構成と脚本のところにおもいっきり深作健太の名前があって、 観た瞬間に思わず熱いお茶を吹いて「一体何が起きてるの……」と呟いてしまった今日この頃。 深作健太といえば映画『バトルロワイアル2-鎮魂歌-』を、 『とりあえずAKが出てきてとりあえずアメリカと資本主義と大人が悪くてとりあえず竹内力がラガーマン姿でラグビーボール持って戦場の真っ只中でトライ決めた瞬間に大爆発する映画』 という、書いてて思わず怒りが頂点に達する斜め上とかいうレベルじゃない作品にしてみせた、 バカ映画好きを以てしてもちょっとばかり擁護不可能レベルの人間だったワケですよ。 その深作健太が『BLADE』に携わるということで、不安が8割期待が2割(ただしバカ要素への期待のみ)になったわけですが、 「いや待て、今ならもうちょっとマトモな業界人に成長してるかもしれん」という気持ちもありまして、 ならばバトロワ2以降は何やってたんだーと思いフィルモグラフィを見てみたら、 何か松浦亜弥主演の『スケバン刑事 コードネーム麻宮サキ』とかもやってたっぽく、 それなりにキャリアは積んで来たのかなぁ(疑問形)ということで、ちょっくら一本見てみようかと思いまして。 作品自体は典型的な『田舎に行ったら襲われた』系作品ですが、しより視点・愛子視点を交互に切り替えての、4章立てで構成されています。 しよりはどちらかというと『逃げ惑う系』のキャラ、愛子はガッツあふれる『戦う女』系のキャラになっていて、 その辺りのコントラストは結構見ていて良い感じに面白く。 まぁ二人が同じ村にいるにもかかわらず分断されているのはともかく、迫ってくる脅威が全く別物な上に、 しよりの行動が愛子の行動に影響を与える……等のギミックが何も無いので、 「これ、別作品で良かったんじゃね」と思ってしまいますが、これは原作自体がアレなのかもしれないので、うん、まぁ(暗い目で)。 設定的にはかなりめちゃくちゃで、『ネット上に全く情報が存在しない村』というあたりで鼻水が吹き出たり、 そもそも落ちてた携帯電話の持ち主がどうなったかはともかく、電話してきた男は悠長すぎじゃね?とか、 村人たちの動きとか振る舞いがもはやコントでしか無いよねこれ、などなど全体的にツッコミどころ満載ですが、 ある意味では非常に正しいB級ホラーバカ映画、として成立しているのがまぁ興味深い(笑)。 あと、愛子を付け狙う謎の女を演じる小沢真珠は、いつのまにやらこういうのがハマリ役になりましたねぇ(笑)。 お前、ネットにも情報がない村にどうやって先回りしたんだよ!!!とか、何で生きてるんだよ!!!とかのツッコミはありますが、 そのへんは『正しいB級ホラーバカ映画』として見ていきましょう(達観した目)。 チェーンソーVS大鋏とかの、頭悪すぎる(褒め言葉)展開はそれなりに面白いというか、日本のホラーでここまでメチャクチャはしませんからね……。 とりあえず論理性とかそういうものを取っ払い、なおかつ説教臭さとかも必要ないところだと、 深作健太自体は『パフワフルな作品を撮れる監督』に成長したんだなー、というところでしょうか。 いやまぁ、パワフルではあるんだけど論理性とか整合性とかそういう辺り全部投げ飛ばしてますが。 論理的なツッコミは全部「まぁ深作健太だからな!!!」で片付けると幸せに見れると思います。 あ、あとホラー映画といえばの『オチ』の部分もちゃんと実装されてます。いやもう、本当ひどいけどね!!!!!! ちなみに竹内力でもラグビーボールでも大爆発でもない、とだけは言っておきましょう(笑)。 ・DVDはこちら→エクスクロス 魔境伝説 [DVD] ・原作小説はこちら→そのケータイはXX(エクスクロス)で (宝島社文庫) |
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■11年6月11日『監獄島』 エルサルバドルの刑務所で服役していた退役アメリカ軍人のコンラッドは、ある日突然無人島へと移送される。 それは富豪のTVプロデューサーが発案した、死刑囚によるバトルロワイアルへの参加を強いられてのものだった。 参加者は10人の、国籍も人種もほとんどバラバラの死刑囚たち。 足首には600グラムのC4爆薬、タイムリミットは30時間。 他の死刑囚を殺し、30時間以内に最後の生存者となれば、大金を得て自由の身となれる。 殺し合いの様子は島中に設置されたカメラで全世界へネット配信され、爆弾は運営者でなければ解除不可能。 逃げ場のない状況で、コンラッドは無事に生還することが出来るのか……? 最近非常によく見る『バトルロワイアル物』というか、閉鎖された空間に何人かを閉じ込めて殺し合いをさせ、 それをネットやテレビを通じて楽しむと言う悪趣味な展開を描く物語……最近観たのだと『インシテミル』がそうですが。 どうにもこうにも『バトルロイヤル参加者』だけの話に終始する作品が多くて食傷気味でしたが、 今回はWWEが絡んでるし主演はスティーブオースティンだし、ということで、アクションには不足しないだろうと思い観てみたら、 これが予想以上の拾い物でした。 重火器はほとんど無しの肉弾アクションメインですが、ちょっとカメラがブレまくるのを除けばかなり良いです。 要所要所でC4が景気よく爆発するのでいい感じのアクセントもありますしね。 アクション以外でも見所が多い、というか、今までほとんど観たことのない、 『運営側』にスポットがしっかりと当たっていて、なおかつ番組を見ている人間たちにもスポットがあたってるんですよね。 ヘタをすると主人公のコンラッドよりも、この番組の糞野郎プロデューサーの人物描写の方が濃い(笑)。 「全世界にこの番組をネット配信して課金してぼろ儲けするよ!!ユーザー数目標4000万人!!!」 ってもう完全に中二病だけどな!!!! ていうか4000万人にリアルタイムで動画配信とかサーバー大丈夫なのか。 でも『インシテミル』とか間違いなくそういう連中が運営してたよねアレ、多分……。 このプロデューサーへ、冒頭で報道番組のアンカーウーマンがインタビューするんですが、 その映像が流れる終盤の展開はなかなかグッと来ます。 本当に悪いのは死刑囚なのか?番組を作ったプロデューサーなのか?それとも、番組を金払ってまで観てる視聴者なのか? という、非常にシンプルだけど大切な問いかけで、色々と肝に命じないといけませんね我々も。 そう、例えばほら、 『デビみたいな糞映画で一番悪いのは、作った上に金ピンハネしてるPなのか、演技能力ゼロの俳優陣なのか、そんな糞映画を危機として見てる我々なのか』と言い換えられますし……(目を伏せながら)。 単なるバトルロイヤル作品としても、最近のバトルロイヤル物への一つの答えとして見ても面白い作品で、 いやぁちょっと予想外の掘り出し物でした。こういうのがあるからB級映画は面白い……!!! あ、あとこの映画、死刑囚の中に日本人も出てくるんですが、そのアクションのキレが尋常じゃなくて「誰だこの人」と調べたら、 なんかもう、ものすごい人で鼻水出ました。 >マサ・ヤマグチ >生来運動神経に恵まれ、フリーウエイトトレーニングと武道(柔道2段、テコンドー2段、小太刀護身道初段、小太刀刀法初段、 >心拳、キックボクシング等)スポーツ(サッカー、ラグビー、水泳、器械体操、馬術、ローラーブレード、スカイダイビング等々)、 >アクロバット等 で身体錬磨を行い、パーソナルトレイナーとしても活動している。 >通算16年の在豪により、母国語日本語に加えて英語はネイティヴと同じで更に韓国語、中国語も操れる。 いやもうこれ少年漫画の主人公にしても怒られるレベルだーーーーーー!!!!!!!!何者だよアンタ!!!!!(笑) ・DVDはこちら→監獄島 [DVD] |
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■11年6月11日『クレイジーズ』 アイオワの平和な田舎町が、ある日、突然異常な空気に包まれる。 保安官の静止命令に逆らって銃を向け、射殺された農夫。 自らの子供と妻を家ごと焼き殺し、その横で淡々と芝刈をしていた男。 生きている人間の眼や口を縫い合わせる検屍官。 突然回線が遮断された電話・インターネット。 そしてその夜、軍により町は完全に閉鎖され、保安官のデビッドは身重の妻と引き離されてしまう。 デビッドは離れた高速道路のサービスエリアまで連れてこられるが、町へ取り残された妻を助けるべく町へと戻る。 だが、戻った町はすでに平和のかけらも残らない、暴力と狂気が支配する世界に変わっていた……。 ゾンビ映画の巨匠であるジョージ・A・ロメロ監督が1973年に手がけた作品のリメイクである『クレイジーズ』。 オリジナル版観たことはなくても白い防疫服にガスマスク、というビジュアルには見覚えがある人もいるんじゃないでしょうか。 今回のとオリジナル版とを比べてどうこう言うのもいいんですが、まぁここは普通に作品評価で(笑)。 限りなくゾンビ映画的な作品ではあるものの、ゾンビ映画の肝である『本当に怖いのは人間』という要素で組み立てられた作品ですね。 『水源地に落ちた軍の輸送機から漏れ出した細菌兵器』によって人間が凶暴化する……という物語的な原因は途中で明かされるものの、 今自分を襲ってきている人たちが、細菌兵器の混入した水によって凶暴化しているのか、 それとも『凶暴化した人間たちに対抗するために自分が望んで暴徒化したのか』がわからない辺りがすごく怖い。 徒党を組んで銃を持ち、人狩りを楽しむ集団もいれば、罠を仕掛けてこちらを殺そうとしてくる者もいる。 凶暴性が増していても、知性はあるので待ち伏せなどもありますし、誰が感染者なのか外見上では判別出来ない。 まぁちょっと後半やり過ぎちゃってて、単なる非ゾンビモンスターになってる感じもありますが……。 ともあれ、町からの脱出という非常にシンプルな点に重点をおいて物語を作ったのは、 話をまとめる上では有効に働いてるかなと思います。 オリジナル版にあった軍人側からの視点や社会風刺的要素をかなり削って、 純粋なエクソダス(脱出)モノとして仕上げたあたりには賛否があるかもしれませんが、 個人的には全然問題ないかな、と。唯一あるとすれば、最後が続編を匂わせる演出だったことぐらいかなぁ(苦笑)。 ・BDはこちら→クレイジーズ [Blu-ray] ・オリジナル版はこちら→ザ・クレイジーズ [DVD] |
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■11年5月24日『RED/レッド』 【あらすじ】 かつてCIAの腕利き情報局員として様々な伝説を打ち立てたフランク・モーゼスも今は引退し、 年金センター勤務の女性担当者、サラと電話で話すことを楽しみとしつつ、田舎で平和な日々を過ごしていた。 ところがある日、暗殺チームに襲撃され、これを撃退するも自宅は半壊、サラまでも暗殺チームに狙われてしまう。 『誰が、何の目的で?』黒幕を探り火の粉を払うべく、かつての仲間たちにコンタクトを取るフランク。 Retired Extremely Dangerous-引退した超危険人物たちの戦いが始まった。 っということで、2010年突発的に発生したハリウッドでの『オールドスター大集合!!』な映画企画。 そのなかでも筋肉と火薬の量で圧倒したのが『エクスペンダブルズ』であるならば、 こちらはユーモアと郷愁、そしてポイントを絞ったアクションが特徴の作品ですね。 伝説的な元CIA局員ながらも今では老いらくの恋に悩むブルースウィリスを筆頭に、 優秀な元エージェントながら、胃がんに冒され今では老人ホームで看護師にセクハラするのが生きがいのモーガン・フリーマン、 MI6の腕利き殺し屋ながらも今は引退し、英国調のペンションを経営するヘレン・ミレン、 戦闘のプロ……だったはずが現役時代の洗脳実験の影響で頭のネジが3本ぐらい飛んだジョンマルコヴィッチ、 ロシアの情報局員として彼らと対立してきたものの、今では敵を失っているブライアン・コックス。 老いて今なおオーラを失わないスターたちが、いやもう本当非常に輝いてます(笑)。 撃たれれば負傷もするし、現役のCIA局員には格闘戦でも苦戦する。 組織の援護も殆ど無く、頼れるものは現役時代に培った人脈と、溜め込んできた知識と経験、そして武器。 圧倒的に不利な状況でありながらも、「あの頃は良かった」と昔を懐かしんでいた爺さんたちが、 アメリカ中を駆けまわり、生き生きとした表情になっていくあたりは堪りません。 それに、 「死んだイーゴリに、乾杯」 「豚だったな」 「……俺の従兄弟だ」 「……すまない、実は生きてるんだ」 「は?」 「俺が寝返らせた。今はカリフォルニアでコンビニ店長やってる。体重225kg」 とかの、かつての敵同士の会話も素晴らしい(笑) また、そんな洒落にならないメンツを相手にすることになってしまったCIA局員を演じるカール・アーバンも良い演技。 嫁さんと子供の事で電話をし、「低脂肪ミルク買って帰るよー今日は定時だ」って言った5秒後に他人を吊るし首にするあたりは、 『冷酷なエージェント』の顔と『良き家庭人』の姿を合わせ持つ、ある意味ではフランクが現役時代に得られなかった姿なんだなぁと。 二人の対比をじっくり考えていくと、アメリカが抱えてる『敵』の変化とかに気付かされますし、いろいろ楽しい物がありますね(笑)。 また、ポイントを絞った…と書きましたがアクションも見所は十分。 何故かマルコヴィッチがRPG-7と拳銃で早撃ち勝負したり、ヘレン・ミレンがドレス姿でM2重機関銃をドカドカ撃ちまくったり、 ヘレン・ミレンがライフルでFBIを狙撃したり、ヘレン・ミレンがMP5Kを撃ちまくったり、ってヘレン・ミレンばっかりか!!!(笑) 日本で言うなら吉永小百合が銃を撃ちまくってるようなものでして、いやもう本当すごいわこの映画……。 深く突っ込んでいけば、 『どれだけ国家に忠誠を尽くして敵を排除しても、権力者の意向一つで全て無かったことにされるばかりか、命すら消される可能性がある』 という悲劇の話にもなるところを、逆にそれで輝きを取り戻した引退組の話にすることで、カラッとした話に仕上げたのはお見事。 ド派手で知能指数やや低めの映画というよりは、肩の力を抜いて笑いながら見れる軽妙洒脱な作品になっているので、 ちょっと軽めのアクションで明るい話が見たいなぁ、という方には是非オススメしていきたいところです。 ・DVD+BDはこちら→RED/レッド ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray] ・DVD単品はこちら→RED/レッド [DVD] |
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■11年5月22日『アンストッパブル』 【あらすじ】 ペンシルバニア州の操車場で、運転士の凡ミスにより貨物列車が無人のまま暴走を始めた。 39両もの大編成に加え、19万リットルもの燃料、大量の化学物質を満載したそれはまさしく走る巨大な化学兵器。 時速100kmを超える速度で走り続ける列車は、1時間半後には『スタントンの大曲がり』と呼ばれる急カーブ部で脱線、10万人都市のど真ん中で大事故を引き起こしてしまう。 数々の停止措置が講じられ、そして失敗していく中、旧式機関車のベテラン機関士と、新米車掌が立ち上がった……。 80年代から90年代のハリウッド映画を席巻した『バディ・ムービー』。 特にベテランと新人とがお互いの価値観の違いに反発し合いながら、 共通の敵へと挑んでいく中で絆を深めていくタイプのアクション物は見ていても心地よいのですが、 どうにもこうにも最近の映画では少なくなったなぁと思わざるをえないのもまた事実。 もちろん『絶滅した』ジャンルではないので探していけば良いのもあるんでしょうが、 どちらかというと主人公が一人で活躍するタイプの映画が増えたかなぁ……。 そんな思いを抱きつつ「お、パニック映画としちゃシンプルで良さそう」と思って借りたのがこの映画。 蓋を開けてみると立派なパニック映画でありながら、同時に良いバディムービーにもなっていまして、 予想以上に満足でした。 機関車の運転席という狭い空間で、ベテラン機関士と新米車掌が 「託児所の若造が来るところじゃない」 「老人ホームかと思った」 などと当初は反発し合いながらも、 暴走列車を止めるという目的のために結束し、そのなかでお互いを認め合い理解していく描写は見事です。 もちろんベテラン機関士だけでなく、操車場長や鉄道運行局の人間が、自らの経験や知識をフルに動員していく姿は、 パニック映画なおかつバディムービーでありながらも『職人芸映画』でもあるなぁ、と感じますね。 2001年に実際に発生した貨物列車暴走事故(CSX8888号暴走事故)をモデルに作られており、 事故への対応のリアルさや企業上層部のクソ具合、また事故が発生する原因が心底くだらないものだったりするあたりのリアルさがすごいなぁと。 監督はトニー・スコットだけあって、小気味良く畳み掛けるような細かいカット割りも秀逸ですし、 およそ100分という短い時間で纏め上げ、冗長さをまったく感じさせない構成もお見事でした。 惟一不満があるとすれば、モデルになった事故が死者なし・負傷者1人で済んでいるのに対し、 こっちは1人死なせちゃってる点かなぁ(苦笑)。 あとエンドロールに入るところで、登場人物たちの『その後』が字幕で紹介されるのが楽しいのでお見逃しなく(笑)。 ・BDはこちら→『アンストッパブル ブルーレイ版スチールブック仕様 (4,000セット数量限定) [Blu-ray] 』 ・DVD・BDはこちら→『アンストッパブル ブルーレイ&DVDセット〔初回生産限定〕 [Blu-ray] 』 |
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■11年4月21日『インシテミル 〜7日間のデス・ゲーム』 【あらすじ】 時給11万2千円という超高額につられて、とある施設での実験に参加することを決めた10人の参加者たち。 外部との連絡手段を断たれた施設で7日間過ごすことがその内容だったが、 そこには『発生する事態に対して、探偵役が推理を行い、多数決で犯人を決定すること』 という、推理ゲームの要素も含まれていた。 不穏な空気を感じ、厄介な事態にならぬよう、あえて『行動しない』事を約束する参加者達だったが、 3日目の朝、ある人物が殺害されたことから自体は不穏な方向へと転がり始める……。 小説が原作の密室劇ではありますが、ジャンルとしてはサバイバルもの。 タイトルにもあるとおり、参加者達が様々な要員で殺されていく中で、どう生き延びるかを藤原竜也が模索していく作品です。 前半の雰囲気はものすごく良い感じなんですが、後半になるにつれてどんどん微妙感がアップしていくという、 何かいつもの『発想は良いのに作り方で損こいてる日本映画』だなぁと。 かなり駆け足というか、人物の掘り下げが薄いうえに転がり落ちるように物語が展開していくので、 「○○が死ぬとは…!!!」とかの驚きもありませんし、物語の結末も簡単に予想出来ちゃうという。 また、実験の背景にある真実も中盤以降で明かされますが、 なんというかまぁ、『トゥルーマン・ショー』と『バトルロワイアル』を足したような感じで。 この設定自体はそれほど悪いってことでもないんですが、その設定、というか実験の主催者側に対して何もしないのがねー。 洋画だとそういう裏側の相手に対して一泡吹かせるような展開があって、それがカタルシスになるんですけども。 原作小説だともうちょっと掘り下げがあるのかもしれませんが、これは正直ちょっとフォローできないなぁ。 まぁ個人的には藤原竜也の悶絶する演技を味わうにはそこそこ良い作品だったのかな、と思いつつ、 どうせなら『バトルロワイアル』『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌』『デスノート』と連続で見てから本作を観て、 その後に『カイジ 人生逆転ゲーム』を見たりすると藤原竜也キャラが恐ろしく壮絶な流浪流転の人生を歩んでて楽しいです(ぇー)。 ・BDはこちら→インシテミル 7日間のデス・ゲーム Blu-ray & DVDセット (3枚組) ・原作小説はこちら→米澤穂信 インシテミル [単行本] ・バトル・ロワイアル 特別篇 [DVD] ・バトル・ロワイアルII 特別篇 REVENGE [DVD] ・カイジ 人生逆転ゲーム [Blu-ray] |
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■11年4月21日『フローズン』 【あらすじ】 ある週末のスキー場へ遊びに来た主人公たち3人の若者。 係員を騙してリフトの搭乗パスをタダ同然で騙しとり、一日遊び呆けていたものの、 終了間際に最後の一滑りを……と強引にリフトへ乗り込んだところ、登っている途中でリフトが停止してしまう。 係員のチェックミスによるものだったが、彼らの声はもう届かない。 地面までは10数メートルもの高さ。気温は氷点下20度。麓までの距離はまったく分からない。 そして、次にスキー場が営業するのは5日後……。 食料も水もない中で孤立した3人は、果たして生き延びることができるのか……? 孤立した状況から脱出を図るエクソダス物の作品ではありますが、 『スキー場のリフトの上』という1シチュエーションだけで見事に84分引っ張ってみせたなぁと。 飛び降りるか?リフトのケーブルを伝って麓へ向かうか?それとも通りかかる車に望みをつなぐか? そのどれもが選択肢でありながら、そのどれもがあまりにもハイリスクであるというあたりに、 シチュエーション作りの上手さを感じます。というか、その一点だけで物語を作ってるだけだともいいますが(笑)。 バカな若者といえばホラー映画、パニック映画、スリラー映画に欠かせない要素でありますが、 今回の主人公達のバカっぷりとかリア充っぷりが実にこう、こちらの同情心を掻き立てなさ過ぎてすごい(笑)。 でも犬の話はねー……かなり心に刺さるものがあったよねー……。 とは言え、途中に出てくる○○○○が、安易な「リフトから降りれれば脱出できる」という希望を断ってたり、 氷点下と言う状況でうっかり金属に素肌を触れさせたりするとどうなるか、そして徐々に迫り来る凍傷……。 その辺りの淡々とした、静かに存在する恐怖の描き方には非常に光るものがあり、小粒ながらも良い作品でしたー。 ・DVDはこちら→フローズン [DVD] |
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■11年4月20日『デッドコースター』 デス子ちゃんは18歳の死神女子校生♪ 今日も元気に色んな人をあの世送りにしてたけれど、ある日突然上司から呼び出しが!! 「去年ねー、君がやらかした飛行機事故あったでしょ。6人ほど捕り逃して、バタバタと無理やり始末したアレ。」 「あー、あれ大変でしたねぇ本当にもう……なんであんなに運良く逃げた人間がいたのかなぁ……まだ一人生き残ってるから減俸とボーナスも減ったんですよぅ」 「うん。で、あれ、まだ終わってないから。 アレが生き延びたせいで、まだ生き延びてる人間もいるんだわ。」 「は?……はぁぁ!?」 「アレ、ほら、例えば……君が後から始末した一人目の窒息死あったでしょ、アレのニュースを見てたせいで生き延びた人がいたりするわけでね、あのへんもちゃんと始末しろと」 「……で、でもそれ私には直接関係無いじゃないですかぁ!!!」 「うん、それに本来管轄違うんだけどねー。色々と抵抗はしたんだけど、あっちの部署の連中がうるさいんで、ちょっとこのリストにある人達、早めにまとめてあの世送りにしといて。やらないとまた給料減るから」 「……あの、ノルマに反映とk」「無いよ」「臨時出勤手当t」「無いよ。頑張って」 「少々ど派手にやらかしてもいいですよね。いいんですよね。やっちまいますよ!?」 かくしてここに、完全にブチ切れたデス子ちゃん一世一代の全力全開デスゲームが始まったのである…っ!! っということで『ファイナル・デスティネーション』の続編『デッドコースター』でございます。 前作と同様に「死の運命からは逃れられない」というテーマをフルに活かして、全力全開ではっちゃけております。 とにかくもう今回の作品は、冒頭のクラッシュシーンが世界の映画史上に残る素晴らしさ。 高速道路上での玉突き事故、という身近なものではありますが、ここのピタゴラスイッチっぷりたるや、 4作まで作られている本シリーズの中でも屈指と言ってもいいでしょう!!!!3と4がアレすぎるのを差し引いても!!! スローモーションとカット割りを見事に活かし、ダイナミックかつ凄惨な8コンボにも及ぶクラッシュシーンが展開されますが、 正直ここを見るだけでお腹いっぱいになってしまい「いやぁ良い映画だったね!!!(爽やかに)」となってしまうというか。 丸太さん無双半端ねえっす!!あこがれるっす!!!!! ただ、その部分は当然『予知』なので、それを逃れた主人公たちがどのように死の運命と戦っていくかが見所なんですが、 前作で生き延びたクレアが登場して戦い方、死の運命のルールを把握していることで、 登場人物たちがしっかりと協力しあって生き延びようとするのが大きな変更点ですね。 限りなくデス子ちゃんに対して互角の(受動的な)戦いを行うことが可能になっているというか。 より正確に言うなら、「それでもどうにかして生存者をぶっ殺すデス子ちゃん可愛いです」なんだけどな!!!!! 特に今回はデス子ちゃんが完全にブチ切れているので(注:脳内キャラです)ピタゴラの仕掛けも派手というか、 一作目よりもさらに趣向を凝らしたデス子ちゃん渾身のギミックの数々が炸裂するので 実に嫌らしい「ここでこう来ると見せかけてスルーして……こうだ!!!!!」という素敵さが炸裂しまくっています。 2人目の犠牲者のギミックは実に「こうきたかー!!!」と叫ぶしか無くて、いやもう実に笑顔が止まりません。 「これがこうなるのか……いや、それともこれを使って爆発か?いや、アレが突っ込んでくる可能性も……」 と視聴者をさんざん悩ませた挙句、まさかあんな物をこう使うなんて……!!! いや、完全に彼の場合は自業自得っぽさもあるんだけど。 それ以外にも、車のガソリン爆発から○○につながれた○○○○が飛んできて○○を5分割しちゃうだなんて!!!!!とか、 ○○○○○がスイッチになる時間差ピタゴラとか、一旦安心させておいての安定感は本当に素晴らしかった……。 というか今回のデス子ちゃんのキリングマシーンっぷりは半端ありません。ほぼ完全に成功してるし。癒されるわぁ……。 また最後の最後でもう一発楽しいことが起きるのでラストのラストまでワクワクが持続するのも素晴らしい。 というかあのシーンは完全にギャグですよ!!!爆笑した!!!(ぇー)。 ピタゴラ殺人スイッチの手法・バリエーション、凝り具合の全部が素晴らしく、 またストーリー的にもちょっとひねっているので、全然見ていて飽きません。というか2回3回見ても全然飽きない。 大変に大笑いしながら見れるコメディスリラーピタゴラスイッチ映画(どういうジャンルだよ)なので、未見の方は是非ともご覧頂きたく!! ・BD/DVDはこちら→デッドコースター/ファイナル・デスティネーション2 [DVD] ・前作はこちら→ファイナル・デスティネーション Blu-ray Disc ・BOXはこちら→【DVD】ファイナル・デスティネーション コンプリートBOX |
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