視聴映画感想 -09年度
■09年12月4日 『クライモリ デッドエンド』

あらすじ:
『サバイバー』みたいな番組の撮影にとある森林地帯を訪れたスタッフとキャスト。
ところがその一体は近親交配と人肉食を常とする、産業廃水によって異形化した『家族』のテリトリーだった……!


という感じでしょうか。


前作『クライモリ』の続編……というか第2作目ですが、
前作が比較的ストーキング系の怖さだったのに対し、本作は何かもうハイテンションすぎる


冒頭5分で早くも脳天唐竹割りに真っ二つだったりウインナーどっちゃりだったり、
前作でも唸りを上げたトマホォゥゥゥク・ブウゥゥゥメランッ!!!が今回も炸裂していたり、
前作にはなかったダイナマイトやらミンチマシンやらが惜しげもなく披露されまして、
いやぁ何かもう、満足(うっとり)。!


殺し方のパターンも多彩で、頭皮切り剥がしだったり背中滅多切り背骨露出だったり、
至近距離から水平二連ショットガンでダブルオーバック弾ぶち込んで吹っ飛ばしたり、
ナックルパートでタマを叩き潰したり(ちなみにコレが見てて一番リアルに痛かった)
背中にマイト放り込んで文字通り木っ端微塵に吹っ飛ばしたり
ゴーゴー夕張じみた鉄球チェーンで首絞め殺したり、
木に逆さ吊りの貫通弓だったり、絶対コレ制作会議で大盛り上がりしたんだろうなぁ……

あと明確な主人公が設定されていないので『誰が生き残るのか』が最後まで読めなかったのが悔しい、けど感じちゃう!!(ビクンビクン)
一人だけ途中からコマンドーだった大佐とか異様にカッコよかったぜ!


今回の的である『家族』は前作と違って『何故そうなったのか』が途中で語られちゃうのが、 ちょっとだけ悲しいかなー、
でもまぁ話されなくても大体分かった気がするけど。
前作でも人肉食は散々匂わされていますが直接的な表現はなかったものの、
どうも本作ではブレーキがなくなった、ではなくアクセルだけになったというか、
アクセルとニトロというか、アクセルフォームがクロックアップしたというべきか……
そんなような勢いで前進しておりまして、えぇと、何ていうか、色々とモロです。


人肉バーベキューはともかく、いやそれもどうかと思うけど、
人肉解体丸見えだわミンチ作り作業真っ最中だわ人肉シチューだわベジタリアンにそれ食わせるわ、
ちょっとはスタッフ自重しろ。

どうも劇場公開はされなかったっぽいですが、うん、こりゃ無理だよなぁ……。

劇場公開をハナっから諦めてたのであそこまで突っ走っちゃったのか、
突っ走っちゃった結果として劇場公開できなかったのか、
劇場公開できなくなったからヤケ起こして描写がエスカレートしたのか、

個人的には一番最後のがクサイと思うんですがどうかしら。

とにかくもう間違いなく好みが分かれるとは思いますし、
『バカホラー映画』ではなく『グロホラーサバイバル』なのでさらに敷居は上がりますが、
いやはや、かなり楽しめる作品ですので
「あぁぁいろんなSATSUGAIパターンがあってハイテンションでグロゴア描写満載なおかつおっぱいも見れるホラー映画無いかなぁ」
と思ってしまった人にはオススメしたく!!
■09年8月13日 『侍戦隊シンケンジャー銀幕版 天下分け目の戦い』

夏休みに入りましたー、ということで見てきました毎年恒例の劇場版!!!
と言いつつ去年は見て無いんですけども。キバがホリケンだったからなぁ……。

今年はシンケンジャーもディケイドもガッツリ面白くてハマリ中なので2年ぶりに行きましたー。

で、今回のインケンジャーは最初からクライマックスだぜ!!!というか説明はナレーションのみ!!
どうして脂目マンプクが復活したのかとかさっぱり分かりません!!
クサレ外道集の厄介さも特に良く分かりませんでした!!
……単にこう、シンケンジャーが数の暴力に負けてるようにしか見えないとか言わない言わない。

良かったポイント。
龍之助&ことはに案を求める殿。理由が「ちょっとズレてる方が」って!!!!
しかもそれをちょっと悦ぶことは可愛いよことは。殿とうまくいくと良い。

敵陣を騎乗で突破する中で、さり気なく名無し外道衆を引きずり回しの刑に処す姐さんド外道。
あと千明のスピア&騎乗スタイルは実に騎馬武者として正しい姿過ぎる。

源さんかっけえ!!!
十蔵を止めるときの「しんっぺえすんなってぇ!!」から「俺が相手してやっからよ」の切り替えが!!!ゾクゾクきました!!!!!
源太はやっぱり普段のおちゃらけ気味なところと『頼れる兄貴』的な顔とのギャップが良い。

マンプクの最終形態が卑猥でした。 いや、あれは、ちょっとこうエロ過ぎないか……フルフル先生的な意味で
しかもそれを噛み切られるとか思わず股間が痛くなりましたキリキリキリキリキリー(何)。

わずか20分の枠で実に良く色々な要素をブチ込んだなぁ!!!と感心しましたが、
あと10分ぐらいあればなぁ。やっぱりそこだけが惜しかった!!!!!
やっぱ3D映画にする関係で予算がソッチに取られたのかなー、と。 従来だと40分弱はあったように思いますが。
尺としちゃTVの1話と同じなんですよねー。
ディレクターズカット版が出てくれればいいんだけどなぁ、無理かなぁ、うむぅ。

……ところでちびっ子が誰も最後のEDテーマ歌ってなかったのは泣いていいところかしら。
■09年8月13日 『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』

色々と突っ込みどころがあったり話のポジションに悩むけどお祭としちゃ最高でした!!

・アマゾンVSDCD響鬼
オニビやらオンゲキボゥレッカァ!!をものともせず大切断ブチ込んでくるアマゾンさんつええ!!
あと声が!!!関智一さんだヒャッホウ!!!!!エンリケじゃなくてヨカッター。
でも敗因は大切断でディケイドを倒しきれなかった点かなー。キックの打ち合いならディケイドが有利だし。

・RXVSDCD・DCDカブト・DCD555
何か暗号みたくなりましたが。
リボルケインが光って唸る!!で思わず涙が出そうになったとか。
てゆかやっぱりRXさん強いよね……ブラストで撃ったらロボになってボルティックシューター叩き込んでくるしアレ一応必殺技だぜ……?
クロックアップでぶっ飛ばしたらバイオになって液状化、その対抗策で555になってロックオン→クリムゾンスマッシュとか何この何!!!(大興奮)。
あの555のエンブレムがキックのエフェクトではいるのは素晴らしいな……木場式クリムゾンスマッシュでしたけど。

・龍騎VSゼクロスとかブレイドVSストロンガーとかに混ざって何故か753VSスカイライダー。
……何故に193?
Xとクウガのロッド対決も見応えありましたが、ドラゴンロッドが召喚みたくなってたのが悲しい。ライドルスティック奪って使って欲しかったかな!!!

・最後は3体3のタッグマッチでござる。
たった1体だけ最強のライダーを決めるのに最後は3体3って……いやソレは実質全員敵のバトルロイヤルじゃねえのか!?
というツッコミはブラックの関節から蒸気が出るだけで吹っ飛ぶこのリアルタイム直撃世代。
何かスーパー1の動きがキレまくってました。
しかしディケイド、3人に分裂(イリュージョン)出来るんなら1対3でも良かったんじゃ……。

・士くんダメ兄貴でした。
妹ほったらかして放浪の旅に出かけていたでござる。 記憶をなくす前からダメな人だったとは。
その間に妹は立派なヤンデレ属性持ちにスキルアップしてましたぱすてるチャイム!!

・大浦月影さんカッコよかったです。
実に偉そうなあたりさすが創世王!! 全然執事っぽくねえ!!!
まぁ主人を諌めるのも執事の役目ですし、単にかしづくだけじゃないんだぜー、と考えれば似合ってます。

・実は大首領でした士君。
考えれば考えるほど、士を担ぎ上げたのは月影で、自分が大首領になるための布石だったかなー。
元々士は小夜の『別の世界を見る』スキルに合わせて発現した『別の世界へ渡る』スキルを使ってうろついてたみたいですが、
それに目をつけて引っ張り込んだのかな。元々が俺様体質なのを利用して調子付かせたかなー。
……そうだとしたらかなり救いようがありませんが。
目的はやっぱりライダー討伐と平成の各世界を繋ぐ橋を作ること。
シャーク将軍が傘下にいたってことは、RXの世界の後の話ってことで、そうなるとRXは一応平成世界だったのか……。
しっかしまぁ何というか、士をネガの世界に飼い殺そうとした音也の行動は世界にとって正しい方向だったことに。
あの世界の話はそもそも思い出したくない脚本ですが。

・ディケイドライバー速攻で紛失してました。
世界を移動する中で速攻やらかし、ディケイドライバー紛失&記憶喪失の大首領様マジハンパねえ。
一話で夏美があれ見つけてなかったらそのまま終了で……それもいいかなぁ(ぇー)。
おじいちゃんはあまりにもアレな大首領のお目付け役として送り込まれた?

・実は死神博士だったお爺ちゃん
ちゃんと夏美のことを誉めてる当たり実の孫なのかねぇ。
しかし床が開くと下水道落下とかなかなか『屈辱』というものを分かってます大ショッカー。

・月影さんシャドームーン変身
思わず声にならない歓声を上げそうになりました何あれもっかい見たい!!!

・実は世界の危機は救われてませんでしたぁー!!!
世界が一つになろうとしているのはライダーの影響じゃないみたいですが、じゃあ何だ、という……。
どっちかちゅーと小夜とか士の能力自体が鍵のような気がします。
変に世界を行ったり来たりしすぎて繋がりが妙なことになった?
まぁ単に地の石のせいとか、シャドームーンがキングストーンの力でやってたかもしれません。

・追放される大首領様。
しかも下水道落下からライジングアルティメットにボコられたでござる。
全ライダー史上最強最悪のライダーがライジング化だぜ、生身で締め上げられてよく生きてたな士……。
物体発火能力もあったハズだし小夜さん手ぇ抜きすぎ。ヌルいぜ!!!

・ヒモ男リターンズ
「私の世界に逃げ込まないで下さい!!」な夏美、そろそろどうしようもないヒモ男の扱いが分かってきたみたいです。
居候のヒモだもんなぁ(酷)。

・階段で呑み会in大ショッカービル
ガラガラガラ、ガラガランダ!!とか「イカで、ビール」とかもうギャグじゃねえか!!
ていうか階段で何やってんだ大幹部!!!!!

・戦闘員ロケット&戦闘員ミサイル!!!
この辺から一気にギャグテイストが増えてきたのは何故ー。
単なる移動手段化と思ったらビルに着弾してるわ倒壊させてるわですげえ威力だ。
やってることは特攻兵器である意味ギリギリですけれど。

・鳴滝さんアンタ本当まぎらわしいんですけど。
結局アンタの正体・目的は何なのさ!!
アンタがもうちょっとマシに立ち回ってればここまでヤバくはならなかったと思うんよ?

・ディエンドライバーは盗品でした。
士の『世界を渡る』力を何らかの方法で解明してシステム化したのがディエンドライバーか。
アレ以外のディエンドライバーが無いってことは実験自体が止まってるのかしら。
しかしこうなると大首領と怪盗の接点が気になるぜ……。

・説得先一歩目でチェックメイト。
王蛇とキックホッパーに協力依頼するってソレはアレだ、1936年時点でいきなりアメリカとソ連と中国に宣戦布告するようなモンです。
ガイ&ライアVS王蛇、キックVSパンチホッパーの因縁対決はジックリ見たかった。

・ガクトマン参上
かっけえ!!!というか、士の世界ではライダーマンではなくあくまでも結城丈二なのね。
あの昭和コスチュームでGacktが戦ってるのも想像できないですから、『Hybrid Insector』仕様のスーツ希望です。
「命ある限り戦い続ける……それが仮面ライダーだろう!」の台詞は良かったけど、結城が士のことをどう捉えてるのかブレちゃってるのが悲しい。
最初は『恨みある大ショッカーの大首領』として殺しに来てるのに、士が命を捨ててるのを知ると↑の台詞ですからね。
もう2シーンぐらいあったらグッと締まったと思うんだけど。
まぁ多分ですけどライダーバトルで他のライダー全員死亡してるくさいので、士が凹んでもおかしく無いんだけどね・

・もはや出オチディエンド
ジャーク将軍が剣もちの時点で既にアレですが懐に入られると弱いというレベルを超えるディエンドさんお疲れ様です。

・帰ってきたヒモ男
「大ショッカーは俺が潰す!!!」は、最後のライダーとしての意地もあるのか熱いねぇ!!
余裕ぶっこいてたらアッサリ倒されたジャーク将軍に幸あれ。

・図らずもシンケンジャーと同じような構図。
圧倒的多数VS小数は萌え燃えるそして劣勢になったところへ駆けつけてくるライダーたちがな!!!
あれだけの人数説得した鳴滝さんホンマ乙です。

・大乱戦スマッシュライダーズ
オリジナルキャスト(声)が殆どいないのはちょっと泣けた。
しかしRXとカブトの連携に1号2号のダブルライダーキックでガラガランダ撃破の流れは痺れたねぇ!!!
イカデビルは……最後「イカー!!」って叫ぶ必要あったのかしら……。
というか大杉連さんと石橋さんに声やってほしかったなぁ、むぅう。
あと真さんはどう見ても大ショッカー側にしか思えません。よく攻撃されなかったな。

・ライジングアルティメット来ました。
一撃でライダー4,5人吹っ飛ばすあたりさすが最凶の戦士。
ユウスケが目を覚ませば、というよりは地の石を壊せば元に戻るというちょっとアレな感もありますが。
……まぁユウスケ補正のせいか、赤目になると何も活躍して無いんですが……。
それでもまぁDCDでは歯が立たないアルライクウガを軽々と倒すシャドームーン様マジ強ぇ!!

・空気を読まない販促乱入
「緑のライダー……?」「黒のライダー……?」「いや、緑だろ」「「どっちもだ」」
……ごめんなさいこういうときどんな顔すればいいのかわからないの。
ってかアルライクウガ全然活躍できてねえ!!!!!

・シャドームーン様、フルボッコ。
主役のピンチを助けるどころか黒幕を倒す寸前まで持っていくのはどうだろうか!!!
まぁ動いてると意外とダサくはありませんでした。変な装飾少ないしね。配色はアレだけど。
でも今回は本気でいらん子だったなぁダブル。

・最高に贅沢なやられ方
壁面に叩き付けられて埋まってるところに26発のライダーキックを立て続けに喰らうという、
ライダー映画上最も贅沢かつ非業の倒され方ですシャドームーン様。
あまりにかわいそう過ぎて笑わずにはいられない。

・キングダーク登場→僕のお宝仮面ライダーJ
前後から挟み撃ちに合う形で右往左往するライダーズにキュンとした。 Jが倒れてくるときも逃げ惑ってたしな!!!
しかしあのJはディエンドのカメンライドかな?
自我なしで召喚したところにDCDのFFRディケイドライバー装着させることで、意識は士のものが適用できるとかそういうことかも。
しかしまぁ画面的には完全にギャグだよな!!!

・ジャンボライダーキック
まさかの全ライダーカードを通じたディメンションキックきたぁー!!!!!
さすがにこれは燃えまくったぜ!!!!!

・別れの言葉
翔一君と光太郎さんからメッセージ。てつをが出るのは知ってましたがまさか翔一君までとは……って短っ!?

・お咎め無しの光写真館
おじいちゃん生きてたぁー!?そして士の悪事全部スルーしたァ!?
……いやさすがにこれはどうだろうか……。
やっぱこれはDC版が出るのを待つしかないわなぁ、くそぅ!!
例年通りで考えると30分ぐらいカットされてると思うので、うむむむむ。
ていうかいい加減にDC版を前提にした作り方はやめにしませんか、本気で。

総評としては
『シナリオはかなりダメだけど、お祭企画としてはオッケー』という感じで。
オールライダーが出てからのバトルシークエンスは本気で燃えるからね!!!
ただし、これがディケイドの最終話扱いだったら泣けるなぁ……かなり色々大量に放置だもん。
冬のディケイド&W映画で決着付いてくれるといいんですけどねぇ。
■09年6 月12日 『新宿コマ劇場座長公演 水樹奈々大いに唄う』

水樹奈々さん7thアルバム『ULTIMATE DIAMOND』
オリコンウィークリーランキング1位獲得おめでとうございます!!!!!



っということでここ数日ちょっとトップページの方でニュースとして採り上げ続けてきましたが、
水樹奈々さんのニューアルバムが声優史上初のオリコン週間ランキング1位獲得ということで緊急更新でございます。
今回のはその『ULTIMATE DIAMOND』の初回限定版に付属したDVDなので、ちょっと入手が難しいかもしれませんが。

水樹奈々さんの憧れの舞台だった新宿コマ劇場は2008年の12月31日を以って閉館しましたが、
その閉館前に開催されたのが18枚目のシングル『Trick Star』発売記念のこの公演。
10月11日の1日だけながら3回も演じるというガチっぷりは実にお見事でして、今回収録されているのはその『夜の部』となっています。
ちなみに午前の部だと桑谷夏子さん、昼の部だと福園美里さんが『雀蜂のお陸』を演じられていたようです。

舞台のお話は江戸時代、水樹奈々演じる奈々姫様が密かに『疾風の奈々』として市井に繰り出し悪党をバッタバッタと薙ぎ倒す活劇。
……なのですが。


より正確には小西克幸が『俺を誰だと思ってやがる!!』と叫び鈴村健一が『また戦争がしたいのか、あんた達は!!』と叫ぶ、
奈々姫様から「ご主人様(はぁと)」、沢城みゆきちから「おにいちゃん(はぁと)」と呼ばれ、奈々姫様をイメージトレーニングネタでいじくり倒した上に鈴村さんから浣腸くらってアッーー!!!ながらも最後は誕生日を祝ってもらえてる杉田智和の一人勝ち舞台でした。アレ?

……おかしいなどう考えてもこういう結論に至ってしまうんですがどうしたことか。

『水樹奈々大いに唄う』というイベント名ですが、歌は2曲のみ。
『夜桜お七』(原曲:坂本冬美)と『河内おとこ節』(原曲:中村美津子)ということで、予想してた『天城越え』はありませんでしたが、
やっぱりこれが上手い!!! 通して見終わった後に3回ぐらいその部分だけ見直してしまいました。
特に『河内おとこ節』の衣装は姫様衣装ということもあり、実に綺麗で華やかで。 いやー、ブルーレイ出ないかなぁこれ(笑)。

ワリと中の人ネタが多くアドリブ(特に鈴村&杉田コンビ)は山盛りで、色々とフリーダムな舞台でしたが、実に楽しませていただきました。
ライブステージでのミニ舞台というのは結構ありますし、ほっちゃんのライブ(由衣がサンタに着替えたら)なんかでもやられていますが、
それとはまた別次元の面白さと言うか。みんな楽しみすぎです(笑)。
オタ的にはすごく違ったところにある『新宿コマ劇場』という舞台文化の楽しみを教えてくれた点、実に良いイベントでした……。


なおこのDVD収録時間は1時間を超えておりまして、何でこれが特典で500円で付属するんですかと問いたい(笑)。
■09年6 月7日 『チョコレート・ファイター』

このご時世に『ノーワイヤー!!ノーCG!!ノースタント!!リアルペイン!!』という、文字通り体一つで色々とんでもねえことを
やってのけたアクション映画『マッハ!!!!!!!』とか『トム・ヤム・クン!』を送り出したピンゲーオ監督の最新作にして、
2年もかけた意欲作が公開されてたのでサックリと見てきましたー!!!

ストーリーはワリとシンプルというか、『母親の病気の治療費を稼ぐためにタイのマフィア社会と戦う少女』とでも言いましょうか。

『マッハ!!!!!!!=仏像を大事にしないやつは死ねばいいんだ!!』
『トム・ヤム・クン!!!!!!!=象を大事にしないやつは死ねばいいんだ!』


という、冷静に考えなくてもある意味ものすごいテーマだった前2作と違い、今回は親子の愛とか男女の愛がテーマになっているので、
見ていていろいろと疑問を感じる事も少なかったとは思います。多分。

前2作で主演してたトニー・ジャーは鍛え上げられたファイターでしたが、今回の主演であるジージャーは本当にもう小柄な『女の子』。
そんな子が単に『格闘技最強』というだけだと鼻ほじりながら「あっそ」と言いたくなりますが、そのめっちゃ強い理由というのが
『サヴァン症候群』
のため、というのが面白かったです。
他人とのコミュニケーション能力に問題を抱えているものの、『格闘家の動きを見るだけでマスターできてしまう』という物凄い分野に
秀でており、家の裏側にちょうどムエタイ道場があったり、ブルース・リーとかジャッキーチェンとかトニー・ジャーの映画が大好きで、
子供の頃からめっちゃ見てたために、彼らの動きを記憶してトレース出来てしまう、というのが彼女の強さの理由。

その代わり融通がまったく利かないので、借金の取立てに行った先で邪険にされると相手を即座にボコボコにしてしまったりもするんですが。

……いやまぁ少女相手に肉切り包丁やら標柱やら鉤爪で襲い掛かってくる労働者諸君もどうかと思うんだけど(笑)。
この映画のせいで、さとっちさんの中でタイの食肉市場や氷製造工場や運送会社で働いてる人たちはみんなケンカっぱやくて、
借金取りが女の子だろうが男だろうが本気で殺す気で迎撃してくる、超絶肉体派の人たちの集まりだ
という印象が出来上がっても仕方が無いと思うのね。

アクションは本当に素晴らしいといいますか、トニーの肘や膝蹴りがフルスイングのバットのごとき速度&インパクトだとしたら、
今回のジージャーの肘や膝はレイピアの一撃のような速度とシャープさ。
4年間ミッチリと鍛え上げまくっただけあって、トニー・ジャーにも負けない恐るべきアクションを披露してくれますというか見てて痛い!!!
体格の小柄さを活かして、超絶狭い空間も活かしたアクションがありますし、最後のシークエンスなんか「いやちょっと待てピンゲーオ監督お前正気か」と問いたくなるぐらいの危険シチュエーション。でもノーワイヤー。ノースタント。ガチで当てる格闘シーン。
そういうのをハリウッドでもやれ!!!とは決して言いませんが、やっぱりガチのアクションに勝るものはないなぁと再確認(20回目ぐらい)いたしました。
いやもう本当に最近、ワイヤーアクションが嫌いで仕方なくてねぇ……。

あぁ、とはいえこの映画もさすがに4階から地面に叩きつけられるシーンだけは安全に気を使ってワイヤーを使っているらしいですが、

「衝撃は2階から落ちたときと同じぐらいにしといたよ!!」

ってそれは何か違うぞピンゲーオ監督。

まぁアクションシーン全体としては、『格闘』という意味では良いけれど、『アクション』としてはやっぱりチェイスシーンの全て(特にトクトクに乗ってのチェイスシーン)が素晴らしかった『マッハ!!!!!!!』に軍配が上がります(個人的には)が、どっちも90点台後半での戦いですね(笑)。大満足でございました。

ちなみにエンドロールでNG集があるんですが、どう見ても「チョコレートファイターの痛い怪我映像100連発!!」とかそういう方向です。
ジージャーは目に一撃喰らってるし、敵役はガチで額に蹴り喰らって気絶して首にコルセットはめてるし、アタマから血ぃだらだら流しながら笑ってカメラ目線だし、最後は怪我した役者の入院してる病室でみんなで笑顔で手ぇ振ってバイバイ
ごめんなさいそんなハートフルさいらない。
あ、ちなみにそのワイヤー使いつつも4階から地面に叩きつけられた人も当然のごとく大怪我してたみたいです。
そりゃそうだよなぁ。

あぁ、あと主人公の父親役で阿部寛も出演していますが、非常に良い感じの存在感を出してくれています。
何か撮影終了から1年半後に「やっぱあのアクションシーン撮り直したいからタイまで来てー」って監督から連絡があって、本当に撮り直しに行ったらしいですあの人。なんと言う役者バカ。何と言う映画バカ。連絡する方もする方なら行く方も行く方ですげえ!!!
ちなみにその甲斐あって、超絶アクションじゃないけれど日本ヤクザの怒れる戦いっぷりは素晴らしいものになってました。

どうも公開はもう終わっちゃいそうなぐらいの作品ですが、アクション好きには本気でオススメしたい一本でしたっ!!
『マッハ!!!!!!!』とかももう一回見たくなるなぁ(笑)。
■09年5月30日 『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』

ちうことで最近見てるゾンビ映画はバカかクソかの二極化してしまっている中で、しろがねさんのオススメを受けて観てみましたが、
実にすげえなこれは!!!

ロメロが本気でゾンビ映画を撮るとこうなるぜ、というのを強く強く見せてくれた感があります素敵。
こう、何だ、ゾンビ映画の定番である「一番怖い敵は人間」という要素を、こういう形で作りこんでくれるとはなぁ……。

いやまぁ軍隊とか政府に対してのロメロ監督の不信感はよくある話ですが(笑)、それはそれとして。

ストーリーとしては
アメリカの各地で死者が甦って人間を襲うという異常事態が発生、
たまたま自主制作映画を撮影していた大学生たちはそのニュースに接し、現在起きている事態を映像に収めつつ、
自分たちの故郷へと帰ろうとするが……。

という、最近よくあるステディカムムービー。
とはいえ単なるゾンビ映画ではなくロメロのゾンビ映画。
しかも大作指向ではなく低予算で出来る事を突き詰めて作った映画ともなれば、ダメになるはずがございません。

一口に『ゾンビ映画』と言ってもグロゴアスプラッタ全開のものから、 単にゾンビで笑いを取りに走ってるだけの馬鹿映画、
ネタが無いから何となくゾンビ使ってるだけのクソ映画まで一杯ありますが、コレはまさしく『ロメロ監督のゾンビ映画』でした。
社会風刺的なところがあり、ゾンビではなく人間を描く作品というべきかな。

何せジェイソン(主な撮影者)がアクセス信者で「8分間に72000ヒットだぞ!!!」とか叫んでたり、
みんなでパニックルームに入ろうとしてるのに一人だけ「武器あるから大丈夫だろ撮影しに行こうぜ」って言い出したり、
『撮影』にのめりこんで、ゾ ンビに襲われてる友人を助けようともしなかったり、お前もうちょっと現実感とか危機感持てよ!!と言いたくなりますが、その辺もやっぱり『素人が情報の発信者になる/なってしまう』ことの危うさだよなー、と深く肯いてしまったり。

なーのーで、ぶっちゃけロメロの『ゾンビ』とか『死霊のえじき』を見たことがあるかないかで評価分かれるかも、という感じですねー。
むしろ最近多いアクション主体のマッチョ系ゾンビアクション映画が好き、というだけの人にはオススメできない、かなぁ。
そういう人たちが見ても、多分「つまらない映画」と思われそうな気がするので……。
むしろそういうマッチョ系ゾンビ映画とかバカゾンビ映画に辟易してる人にこそ、全力プッシュしていきたい作品です!

あとカメラ=出演者視点の映像ということもあって、低予算でもゾンビの数が少なくても、 それを感じさせないところは良い感じ。
ハンディカムの揺れとかブレがぜんぜん気にならないさとっちさん(クローバーフィールドは劇場で見てまったく余裕でした)からすると気楽に見れますしね!!!!
まぁ確かに、画面いっぱいを埋め尽くすデッドラ的ゾンビの大群とか、もっともっと終末的な映像が欲しい!!!という方々にはやや物足りなさを与えるやもしれませんが、「終わっていく世界」を表現するには充分じゃないかなーと思うの。


個人的にはダイナマイト爺さんが散り様も含めて素敵極まりましたが、
アーチェリーでゾンビを始末する教授とか電気パドルでゾンビのドタマ挟んで電流炸裂させるヒロインとか、
硫酸ぶっかけで死ぬゾンビとか色々素敵でした。
やっぱり銃でドンパチも良いけど、どうやってゾンビを殺すかという辺りのコダワリも良いよねー。
そういう意味では『ショーン・オブ・ザ・デッド』も凄かったなぁと思い出してみる。
レコード投げたり庭から突き出てるパイプにブッ刺したりクリケットのラケットでブン殴ったりゾンビを壁に突き刺して歩き方とか動き方を研究したり。素敵。
……もしかして、だからロメロ監督はあの映画を絶賛したんだろうか(違うと思います)。


あぁ、そういや最近には珍しくゾンビがゾンビになった理由(というか死者が復活する理由)が明示されないのも非常に良いです。
最近は人工的に作られたウイルス感染で……とか、邪悪な儀式の影響で……とか、変な小箱のせいで……とか、
原因がハッキリしちゃってるのが多くて困る。
恐怖が恐怖たりえる理由に「それが何故起きているのか分からない」ってのも大事なんだぜ!!
■09年5月25日 『ホテルゾンビ』


どうもゾンビ映画づいてるここ最近、まぁ元々好きだし面白そうな新作が棚に並んでるから必然的にね!!!
ということで『ゾンビストリッパーズ』を返してきたその脚で借りてきました『ホテルゾンビ』。
近年のゾンビ映画の傑作としては『ショーン・オブ・ザ・デッド』が上げられますが、ホテルゾンビのパッケージに
「これが『ショーン・オブ・ザ・デッド』に対するアメリカからの答えだ!!」とか書いてあったのでとりあえず。


粗筋:『人を操ったりゾンビに出来る変な箱の力を得たバカな若者と、その友人だった人間達とのドタバタした殺し合い』

以上!!!!!!


……というだけで終わらせたくなるぐらいにはクソ映画でB級以下のバカ映画でした。
この感想を書くに当たって「良かったポイント」を探したけど、ごめんどこにも見当たらない

とりあえず最初に申し上げておきますと、映像センスの古さは80年代中盤レベルです。
『ゼイリブ』とかと続けて見ても違和感ありません。こっちは2004年の映画みたいですが、5年前の作品とかそういうレベルを超えてました。
むしろ『死霊のはらわた3 キャプテン・スーパーマーケット』の方が映像センスは高かったぜ!!ってサム=ライミ監督だし当たり前か。

キャラクターの書き分けも出来てませんし、そもそもキャラに魅力無し!!!主人公って誰ですか!!!!!
序盤のダラダラ度合いは異常だし、いざ惨劇が始まっても燃えない燃えない。
何せゾンビじゃなくてネクロマンシーというか、「箱の中に相手の血や体の一部を入れると操る事が出来る」というレベルのゾンビ(頭以外を撃たれても死ななかったりするので単なる操り人形じゃありませんが)、で自我もあるのでまぁ「コミュニケーション不全の恐怖」とか無いしね!!!!!
人数も少なくて20人ぐらいだしなゾンビ……。
グロゴア描写は『ゾンビ・ストリッパーズ』よりも低いかな、見せ方も下手なんで全然ゾクゾクしませんでした。
正直、これなら『エイリアン2』とかの方がよっぽど恐怖もあるしゾクゾクするね!!!という感じです。

あとパッケージにもあった、ホテルの前でゾンビがスリラーダンスを踊るシーンも「面白い」というよりは薄ら寒い笑いをコチラに提供してくれますので、どちらかというと真夏のクソ暑い日に見るといいかもしれません。むかっ腹が立って熱くなるかもしれませんが。

あと特筆するべきは、ストーリーを理解するのをハナっから蜂起して見るのがオススメだという点。
というのも、どっちにしてもエンドロールに流れる歌で全部ストーリーを位置から10まで説明してくれますって

お前は浜村淳か。


こ、こんな映画、初めてだよぉぉぉぉぉぉっx!!!!!!!!!(


……とりあえずもう、こう、久しぶりに心の底から『ダメ』と断言できるゾンビ映画でした……。
どうも最近ゾンビ映画が『本気で怖い』路線に行くか、『ゾンビで笑いをとる』方に行くかの二極化している気がしないでもありません。
それはそれでいいんだけど、センスの無い監督とプロデューサーが笑いを取りに行くとここまで酷くなるんだなぁ、と分かりますので、
そういう意味では見る価値があるのかもしれません。無いと断言したいけど。

あと『ショーン・オブ・ザ・デッドに対する以下略』とかパッケージに書いたコピーライターは、バタリアン全作とサンゲリア全作と死霊のはらわた1、2を30回ずつ見ればいいと思う。
というか、『ショーン・オブ・ザ・デッド』に対する答えもクソも無いというか、
同じ年(2004年)に製作されてんだろテメェぇぇぇっっっ!!!!!
■09年5月20日 『ゾンビ・ストリッパーズ』
数あるゾンビ映画の中には色々なバカ映画がしこたまありまして、
どちらかというと既にネタ切れの感もありますが
今回の『ゾンビ・ストリッパーズ』もご多分に漏れずバカ映画。

舞台はブッシュ大統領が4回目の当選を果たしシュワルツェネッガーが副大統領になったアメリカ。
イラク、イラン、シリア、レバノン、フランス、カナダなど世界中で戦闘態勢に突入したせいで慢性的な兵員不足に陥ったアメリカ軍は、
その打開策として『W企業』による、死んだ細胞を甦らせる伝染型ウイルスの開発を選択する。
目的は『一度死を体験したことで、死への恐怖を克服し、心のブレーキを外して戦い続けられるスーパー兵士』の大量生産。
しかし男性へ感染するたびに劣化する性質を持ったウイルスは使い物にならず、研究施設の被験者達を始末する事に。
ところがその任務中にゾンビに噛まれた兵士が始末を恐れて逃亡、潜伏したのは違法ストリップ小屋。
そこで一番人気のストリッパーをかみ殺してしまう。
ところが死んだストリッパーが蘇り、ゾンビでありながらストリッパーとしての意識を保ち、ブレーキが外れたダンスで観客達を魅了する。
そう、彼女こそ本来『スーパー兵士』を生み出すはずだったウイルスが生み出した『ゾンビ・ストリッパー』なのである。
そしてショーの後にお客さんをバックヤードに連れ込み食い殺してはゾンビを増やすダメスパイラルに突入、
強欲なストリップ館のオーナーはその事実を隠して荒稼ぎをしていたが、とうとうゾンビが溢れ出して……



という話なのですが。

バカ映画です。



問答無用のバカ映画です。



何か虚無主義とか楽観主義とか語ったりもしていますが、基本的に物語の本筋には何の関係もありません
そりゃまぁゾンビストリッパーが人気だからと自分もゾンビにかまれる事を選ぶストリッパーたちとか、
そのダンスを見てチップをばら撒き興奮するアホな男たちといった、
ちょっと考えさせられないでもないシーンこそありますが、何と言うかこう……うん。
ゾンビかどうかわからない人間相手に銃を突きつけて「人間である事を言葉で証明してみろ。哲学的にな」とか一体どうしろと。

グロゴア描写は結構張り切ってノリノリでやっていますが、
それもこう、生理的に「キツッ!!!」というものではなくワリとこう、適当な感じなのですよねぇ。
いやまぁ悪くは無いんだ、うむ。男の頭蓋骨を噛み割って中身を美味しく頂く女ゾンビとかな!!でも怖くないのゾクゾクしないの。

注目のゾンビストリッパー同士の戦いなんか股間からピンポン玉を発射する、いわゆる花電車芸を始めたり、
何故かピンポン玉では飽き足らずビリヤード球を発射!!ゾンビの頭直撃で粉砕!!それをポールダンスのポールで打ち返し!!
とか、見てると頭がどうにかなりそうなシーンの連発でちょっとアレは本当にどうしよう。

後半は当然のようにストリップ館に溢れるゾンビ相手にドンパチやらかしていますが、
NRA会員のオーナーが銃をそろえてるワリに使い方知らなかったり、
出てくる銃がMP5中心だったりなので、イマイチ燃え上がりません残念!!!
あぁ、でもストリップ小屋の掃除係のメキシカンが何故かテンガロンハットに両肩からガンベルトかけてリボルバー二挺拳銃で弾丸一発一発に名前付けてキスしながら弾込めして葉巻に火ぃ付けて一服してからノリノリでゾンビの群に突撃するシーンは素敵すぎて困った!!!(笑顔で)
あ、ちなみに序盤の研究所ゾンビ制圧戦でエロいおねーさん兵士とその仲間達(ぇー)がM249やらMP5やらでゾンビを虐殺するシーン、
よく見ると左端の兵士は一発もMP5から発砲して無いので要注意だ!!!


あと何よりもキツかったのは主演のジェナ・ジェイムソンの豊胸おっぱい。
これがまぁ萌えない!!色っぽくない!!燃えないんです!!!!!
おっぱい好きのさとっちさん(のジョニー含む)がピクリともしなかったのはちょっとビビった。
結局一番エロかったなぁと思うのは、おっぱいを一度も見せないジェニーさん。
それでいいのかストリッパーズ、それでいいのかアメリカンボーイズ。
まぁ日本のAV女優が向こうで大人気なのも分かるな、うむ!!!


……とここまで書いて読み直すとどう考えてもダメ映画だとしか思えません(書いた本人ですら)が、
実際のところ『優れたB級バカゾンビ映画』というジャンルではかなり上位にランクインするので、そゆのがお好きな方は是非ー。
■09年5月16日 『パコと魔法の絵本』

これまた劇場で予告編を見て「お、日本でもこんなの作れるんだー」と思いつつ、『下妻物語』『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督作品だというコトで注目しつつ、それでもやっぱりちょっと劇場に観に行くのは叶わなかったのが本作。
これまたサックリとレンタルで見て参りましたー。

『下妻物語』はどの層を狙って作ってるのかサッパリ分からないながら、どう考えても面白すぎて困った作品でしたが、本作もまた物凄い出来でありました……っ!!!!!

舞台はちょっと先の未来、変人ばかりの集まる病院。
病院内で嫌われ者の偏屈ジジイ(けど金は唸るほど持ってる)、大貫が『事故の後遺症で一日しか記憶がもたない』少女パコと出会い、
ある日の出来事をきっかけに「パコに何かを残してあげたい」と願うようになる。
そして大貫は自分が散々バカにし、また自分のことを嫌っている病院の皆に対し、ある願いを打ち明ける……。


どうも『大人が作る童話』というとディズニーの専売特許みたいな感がありますが、それとは正反対の方向で、サイケでパンクで極彩色で濃厚極まる、言ってみればスッポン鍋のラストの煮詰まりまくった雑炊みたいな濃厚極まる映像が大部分を占めるのがこの映画。!
そりゃもうね、ここ数年で見た邦画の中でもトップクラスに奇抜な映像美、『CHASHARN』なんかメじゃないぜ!!!

でも、そんな奇抜でパンクでサイケで、『コレはフィクションです!!!!』と大声で叫んでいるかのような作品だからこそ、
物語の、役者さんの持つ本当の力が思い切りコチラに伝わってくるというか。
各キャラクターが画面の中を大いにイキイキと動き回るハイテンション演技があるからこそ、マジメなシーンになるとそのキャラの心が本当に伝わってくるというか。
ちょっと余談ですけど日本の映画ってどうも『TVドラマの延長線上にある』というか、テレビも映画も出てる役者が同じなので、
見ていても俳優の好き嫌いや先入観が出てきてしまうなー、というのは常々思ってるんですが。
ところが先述のとおりこの映画、各キャラのぶっ飛んだ言動や弾けすぎた演技のおかげで、
『どのキャラを誰が演じてるのか良く分からない』というのがありまして(笑)。
そうであるがゆえに、キャラを素直に(ぶっとんだ演技に付いていければ)受け止められるのもポイントですね。

それに「お前の記憶の中に私がいることが不愉快だ!!」「お前のゴミ溜めみたいな頭の中にいたくないんだ!」と他人を罵倒し続けてきた男が、「この子の心にいたいんだ!!」と訴えるところなんか、おファンタジックな作風だからこそ、,ストレートに心を打つ名言になったと思うんですね。
大貫が『涙の止め方』を尋ねるシーンや、それを他者に教えるシーンなんかもうボロ泣きでした、やべえあれはヤベぇ……っ!!

コレをもしもごく普通の現代劇として作ったら「ちょっといい話系のお涙頂戴映画でしょ?」と思われて、
捻くれた映画好き(自覚はあります)のさとっちさんには合わない作品になってただろうなぁ……と。
いや、むしろ奇抜なエンタテイメント作品だからこそ、『老若男女オタ非オタ問わず賞賛できる作品』になってるのかなと思います。
それに、奇抜でサイケな映像だからこそ、終盤のフルアニメパートが光るというか。

普通の現代劇からあの劇に入ると間違いなくテンションの差が激しすぎて、確実に付いて行けない人続出だったでしょうし。
最初から最後までぶっ飛んだテンションで突っ走るからこそ、大いに笑って泣いて楽しめる、極上のエンタテイメント作品になってるなぁと、つくづく感動いたしました。

まぁオタ的にはツッコミたい要素が一杯ですけどね!!
部屋の中に貼ってある『さよなら銀河鉄道999』『トップをねらえ2!』『新世紀エヴァンゲリオン』『コードギアス 叛逆のルルーシュ』のポスターとか150cmのガンダムとか机に転がってるリボルテックのエヴァ零号機とか本棚に突っ込まれてるMGの箱とか連邦軍の制服着て寝ながら「ナグラレタコトナイノニ…」って寝言呟く黒人とか東京ミュウミュウやら宇宙のステルヴィアやらのコスプレしたおねーちゃんとか本当どんな部屋だアレ(笑)。

いやはやしかし、タイトルからすると子供向けっぽく捉えられ、予告映像を見ると「うわキツッ」と思われるだろう本作ですが、
老若男女オタ非オタ問わず笑えて泣ける大傑作でございました……っ!!!!!
■09年5月15日 『サラマンダー』

今や『リベリオン』の、というよりも『バットマン・ビギンズ』『ダークナイト』『ターミネーター4』の、と言った方が良くなってしまったクリスチャン・ベールの主演作で、公開当時の予告編を劇場で見て微妙に心惹かれたりはしたんですね。
でもまぁ見るほどのこっちゃないかなーと思いつつ7年経過したワケですが、地上波で放送されましてサクッと視聴したよー♪


ロンドンの地下鉄延長工事中にブチ抜いちゃった空洞から、『かつて恐竜を滅ぼした原因』であるサラマンダーが復活し、
人類の抵抗も空しく恐るべき繁殖力で地上を席巻。
各国は核兵器まで用いてサラマンダーに対抗しようとするも、繁殖しまくったサラマンダーの前には無力で大都市は壊滅。
数少ない生き残りは要塞を築き、そこに立て篭もって細々と生活していた……。


で、そうなると立篭もり部隊のリーダーやってるクリスチャン・ベールに期待するのは、何をどう考えても、
ガン=カタでサラマンダーをあっという間になぎ倒す図だと思うんですが、まったくそんなことはありませんというか、どっちかと言うとだな……何もしない慎重派のリーダーというか引きこもリーダーというか……。
代わりにマッチョでハゲ(ウナギヒゲがあったら田丸キャラそのもの)なマシュー・マコノヒーが戦車に乗って武闘派だったりしますが、ラスト20分ぐらいまで基本やられっぱなしです。
そしてどう考えてもマシューさんの最期はギャグです間違いない。大笑いしました。劇場であのインパクトを体験したかったなー。

まぁ出来としてはやっぱりB級というか、『怪獣映画』の何たるかを理解してない『GODZILLA』と変わらんなぁ、というのが正直なところです。
やっぱりサラマンダーに怪獣としての魅力が無いのも致命的かなー。
ヘリにも追いつけない程度の速度で飛ぶとか、いやそれって対空ミサイルと自走高射機関砲があったら容易に制圧可能じゃないか!?
わざわざ核兵器使って大都市ごと吹っ飛ばすような必要が感じられない、中途半端な怪獣なんですよねぇ。
『ガメラ 大怪獣空中決戦』の、倒壊した東京タワーに巣を作るギャオスのような『心を揺さぶるシーン』も無いし、うーむ。
ハリウッドって等身大のモンスターとか怪物には並々ならぬ才能を発揮するのに、巨大モンスターになると一気にダメになりますね。
やっぱり『戦争映画の代替物としての怪獣映画』だった日本と違って、戦争映画が日常的な向こうさんはそうなっちゃうのかなぁ。
そういう意味では『クローバーフィールド』が作られたのは本、やっとアメリカにも『怪獣映画』を理解している作り手が現れたのかな、とホッとします。


話はちょっと脱線しますがサラマンダーがぶっちゃけた話、リオレウスそのもの(多分金冠サイズ)なので、モンハンやってる人からすると恐るべきフラストレーションの溜まる映画でした。とりあえず君たちは閃光玉を使うことを覚えればいいと思う。

低空飛行で迫られたら閃光玉投げて直後に真横へ緊急回避、んで落っこちてきたところを大タルGと小タルGでふっ飛ばせばいいじゃない!!
または尻尾をぶった切るというロマンを求めるのもなかなか良い、うむ。
地面這ってくるなら落とし穴で足止めして爆弾祭か、シビレ罠仕掛けて大タルG+小タルGで起爆だぜ!!
(注:さとっちさんはボマーのスキル発動させたりしてません)
さとっちさんは太刀使いなので基本的に尻尾を斬った後はドタマを集中攻撃ですが、脚をしこたま斬りつけまくって倒れさせるのも良いね。

……そういや明確に覚えて無いんですが、サラマンダーという名のリオレウス1匹ブチ殺しただけで何だかハッピーエンド臭くなってるのは何故さ。
オスが1匹しかいないとか聞いた記憶がありますが。どうなんだろう。
■09年5月10日 『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』

本放送時からちゃんとリアルタイム視聴しており大好きだったアニメ『蒼穹のファフナー』、その放送終了後の年末に、
本編の前日譚である『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』が放送されまして。
当然さとっちさんも録画して見ていましたが、ビデオ録画だったのでもう見れないんですよねー。
で、スパロボKもクリアしたことですし、ファフナー本編も見直したいなぁということで、サクッと借りて参りました。

舞台は『蒼穹のファフナー 』の1年前。
フェストゥムに感知される可能性が増加していた竜宮島は、戦闘準備を整えるための時間を稼ぐ緊急回避プログラムを発動させる。
それは竜宮島の左翼部を切り離し囮として活動させ、その間に本島の戦闘準備を整えるもの。
左翼部は『Lボート』と呼ばれ、事前に定められた航路を自動で航行し防衛火器とファフナー『ティターン・モデル』を用いてフェストゥムと戦闘、
2ヶ月後にはLボートから潜水艇で全員が脱出する事を目標とした計画だったが……。


わずか1時間の番組ではありましたが、平和な日常を過ごす中で『現実の裏側』を知り、戦いに挑むことを選び、そして散り行く者達の物語が濃密に描かれ、非常に密度の濃いものになっています。
わずか4機のティターン・モデルに乗ることで同化現象が進み、結晶化し消滅していく仲間達。
フェストゥムの攻撃で死んでいく大人達。
生存率の限りなく低い作戦に参加しつつも、それでも生き残ることを諦めなかった彼らの戦い。
そして、生存が絶望的になっても竜宮島へ残ったものたちへ『届く』と信じて僚がメッセージを残したからこそ、
『蒼穹のファフナー 』本編で一騎たちがあのエンディングを迎えられたんだと知れば知るほど、感慨深くなりますねぇ。
ファフナー本編を見ていないと分からないところも多いですが、コレは単品で見ても『凄い作品』なんじゃないかな。

映像の美しさも特筆物で、冒頭の戦闘機部隊がフェストゥムたちに向かい、圧倒的な戦力差で蹂躙されるさまは恐ろしくも美しいですし、
竜宮島の『日常』は泣けるほどに平和。そのコントラストがたまりません。
また、祐未の乗るティターンモデルがズタボロになりながらもLボート上でフェストゥムと戦うシーンは鳥肌物。
ファフナーの戦闘シーンはそんなに多くありませんが、非常に印象的なものになっています。
それに何よりも、最後にマリンスノーが降り注ぐ中で、僚と祐未がお互いの気持ちを確かめ合うシーンは、
ちょっと言葉にできないぐらい美しくて悲しかったです。
……でもやっぱりあの犬の可愛さというか、アレがね。泣けて泣けて仕方ございません。
岸壁で主人を思い啼くシーンや、最後の『眠り』のシーンなんかはもう、アレで泣かないなんて考えられません
いかん、思い出したらまた泣けてきた。

DVD-BOXには再アフレコを行い、追加シーンも入れた完全版が収録されているということなので、
ちょっと買おうかどうか本気で悩んでいます(苦笑)。
■09年5月10日 『ゼイリブ』

はい、SF映画史上最高のメガネ映画でございました!!!!!(爽やかに)

『メタルギア・ソリッド』のスネークの元ネタになった作品『ニューヨーク1997』を撮影した監督、ジョン・カーペンターが
ほぼ全分野に携わって(脚本・音楽まで自分でやってる)造り上げたSF作品『ゼイリヴ』ですが、いや、何かもう本当に壮絶なまでのメガネ映画です。

人々に気付かれないまま、密かにエイリアンによる侵略が進行している地球。
その事実に気付いた人たちが、人間社会に紛れ込んだエイリアンや、町中にサブリミナル効果的に設置されたエイリアンたちの洗脳メッセージを見破るためのサングラスを開発。
そのサングラスを使って、人間社会の支配をもくろむエイリアンたちへ対抗しようとする人々と、
エイリアンたちの指示で彼らを抹殺しようとする警察・軍隊との壮絶な戦いを描くSF作品なのですが……。

……どうにもこうにも、こう、主演のロディ・バイパーの体を張りすぎたハッスルマッチョっぷりしか記憶に残りません。

・サングラスをかけて店に入ったらエイリアンがいたのでとりあえず『溶けたチーズをぶっ掛けたようなひでえ面だな』と罵倒してみる

・警官(の姿をしたエイリアン)に捕まりそうになったので
とりあえず殴り倒したり銃で撃ち殺してみる

・警官から奪った銃を持ってビルに入ったらたまたま銀行で、そこにもエイリアンがいたので
とりあえずショットガンとか撃ちまくってみる

・銀行から逃げる際に一般人女性を脅迫、無理やり車を出させた上に家に上がりこむ。

・一般人女性に酒瓶で頭カチ割られ、
家の3階の窓を突き破って地面に転落

・建設現場の同僚(人間)にサングラスをかけることを強制、拒否する同僚と延々7分間にも及ぶ本気の喧嘩に突入。
 タマ蹴り、噛み付き、ブレーンバスター、ヘッドロックなど多種多様すぎる技を出しすぎてて
何の映画だかサッパリ分からなくなる

……この辺までしか記憶に残りません。 終盤の展開とかまったく以って印象に残りません!!!(ぇー)
いや、ちゃんと頑張ってエイリアンと戦ったり、エイリアンの拠点を襲撃したりはしているんですが、
それよりも『メガネをかけるか、残飯を食うかだ』とかの意味不明な台詞がですね……。
しかしあんなにもメガネをかけさせることに対して本気で情熱を注ぎすぎる映画は他に知りません。
というか、映画どころか漫画作品でも少ないかと思います。
メガネを外させることに情熱注ぐ人たちは結構いるんですけどね実に腹立たしい事に!!!!!
ラトゥーニからメガネを外させるとか本気で正気じゃねえよ……。

あ、映画自体の出来は良い感じのB級作品です。
社会風刺的な要素が結構多く見受けられますが、そんな深く考える事も無いかなと。
まぁ単純なSFアクション映画として考えるとちょっと物足りない感もありますが、
その辺は中盤の延々と続く『メガネをかけろ!→断る!!』のストリートファイトで補いましょう、うむ!!
■09年5月5日 『バイオハザード3』

ゲーム作品の映画化としては成功した部類にある『バイオハザード』シリーズですが、
まぁ『ゾンビ映画』ではなく『ホラー映画』でもなく、アクション映画の部類にあるかなぁとは思います。
1はまだホラーとしての要素が多かったものの、2は非常にアクション映画としての側面が強くなっておりまして、
何だかんだで結構面白かったものの、『バイオハザード』としてはちょっとどうかなぁと思わないでもありません。

で、今のところ最新版である『バイオハザード3』を借りてきてみましたが、
……何と言うか『とても尺の足りない中途半端なアクション映画』でした。まさか90分しかないとは思わなかった。


前作から8年後が舞台になっており、T-ウィルスが世界中に蔓延して自然も破壊され、世界中がアンデッドに支配されている状態。
なので、『感染拡大の恐怖』はありません。
『どこに行っても敵だらけ』という恐怖こそありますが、こうなると単なるモンスターアクションなんですよねぇ。

主役たるアリスはもはやX-MENじみた能力筋力になっているため、およそ『アンデッドに殺される』状況が想像できません、
というか、アンデッドは基本的にこの映画だとトラックに跳ね飛ばされるのが主な役割です。
クレアとカルロスが生き残ったコンボイのリーダーになっていますが、アンデッドではなくクロウにしか苦戦してないというここ事実。
終盤こそクローンアリスの血液で強化されたアンデッドが出てきて大暴れしますが、それも言ってみれば『ドーン・オブ・ザ・デッド』のゾンビと変わりないんで、あんまり驚きはありませんしねぇ。しかもアリスがそれに苦戦するわけでもなく……。
また、主な舞台は荒廃した砂漠なので、1や2ほど色々なスリルもありません。
2は墓地の地面からゾンビが湧き出してくるシーンとか良かったのにね!!教会の中でリッカー3匹とかも燃えたのにね!!!
あとゾンビ映画に必要不可欠な要素のひとつである『噛まれたことを隠して味方を窮地に陥れるバカ』が、前作からの生き残りキャラだったのも大幅マイナスポイント。

尺の短さは『ぎゅっと詰まった』とは言えれば良いんですが『なんか寸詰まりで色々と足りない』映画だったなぁと。
ちなみに角川ホラー文庫から出ている小説版の『バイオハザードV』は、この映画の中で語られなかった『如何にして世界が滅んで行ったか』や、ジルやアンジーがどうなったのかを織り交ぜながら進んでいくので、映画見て不満を覚えた人はソッチを読むのも良いかと思います。
4も製作中らしいですが、コレよりはマシなものを作っていただきたいものであります。


余談ですが、このDVDを探してツタヤをウロウロしておりましたらホラー映画のコーナーに『バイオハザードX』(このページの5月4日参照)が置いてありまして、「何でまだ置いてるんだこれ……」と思いながらジャケットを手に取ったら貸し出し中でした。誰だアレ借りたの(苦笑)。
■09年4月25日 『ひぐらしのなく頃に』

『実写映画化』という話を聞いて「コレは(ネタ的・怖い物見たさ的な意味で)観に行くべきかどうか悩む!!」と思った作品は数あれど、
『ひぐらしのなく頃に』はさすがに予想せんかったなーorzというか「誰が得するんだコレ」とか「ハリウッドのコト言えないぐらい日本映画も弾丸不足だよな!!」と思っていたのですが、某しろがねさんの嫁の旦那から強烈なプッシュを受けまして、『少林少女』『最終兵器彼女』をやめてコッチを借りました!!!!!
まぁ第二弾も公開されるわけですからこのタイミングで見ておくのもいいかなーとは思いつつ。
ちなみに同時に借りてきたのは『レザボア・ドッグス』だったりしますもうちょっとお前、リカバリー用の作品をだな……。
ということで感想はひとまず箇条書きで。

・映像全部が物凄い昭和臭で軽くビビる。カメラワークから照明からレフ板ギラギラから何から何まで古くて……。

・梨花ちゃんは可愛い。沙都子も許容範囲。魅音はカットによって随分見え方が違うけど概ね可愛い。
だがレナ、君はダメだ

・ヒロイン4人のインパクトを全部吹っ飛ばす、
富竹さんの すごい TMA臭
 思わず借りてきたレシートを見て再確認してしまいました何だろうあの出オチっぷり。

・知恵先生が単なるキツそうなオバサンでした。 三輪ひとみ、カブトの頃と比べて老けすぎ。

・鷹野さんが単なるオバサンでした。エロくない鷹野さんなんて鷹野さんじゃない!!!!!

・大石さんが杉本哲太なのは許容範囲かなー。

・一番ビジュアル再現率が高いのは入江先生でしたそれでいいのか。

・『嘘だっ!!!!!!』のシーンは大爆笑ポイントになるか、それとも全身脱力ポイントになるのかどっちだろう。
 とりあえず
伊崎デビの変な叫びっぽいナニカに匹敵するのは確実、あれほどセンスの無い演出は久々でした。

・ひぐらしモードへの変化が『猫の目になる』ってのはどうなんだろう。

・梨花ちゃんの巫女服姿はとてもよかったです。この映画唯一の誉めポイント。

・山狗に追われる圭一はともかくとして、あの人数だとどう考えても目立ちまくりの単なる『山狩り』だった件について考えようじゃないか。

・「爽やかな昼下がり 目を醒ますと 血の池地獄が広がっていた。」見てるこっちもポカーンだよ!!!!!
 さらに言うなら映画のどこにも原作冒頭のモノローグ入ってないから悲劇色薄れまくりじゃないか!!!!!

・てゆか原作、またはアニメに触れたことが無い人が見たら確実に『大駄作』のレッテル貼られるよねーコレ。


まぁ原作を勝手に改変しまくってワケわかんなくなってる作品とか、そういうことじゃ無いんですけども、微妙にズレて作られてる感が強い。
特に『HOT FUZZ! 俺たちスーパーポリスメン』が同じような『のどかそうに見える町(村)の裏側が、実は……っ!!』というシチュエーションストーリーを2時間で非常に上手く片付けている点を見れば見るほど、コッチのダメさ加減が際立って仕方ありません……。
途中からもう眠くて眠くて仕方ありませんでした、本当に。ネタにすらできない映画ってのは本当に始末に困るなぁ。

しかもこの作品、あくまでも『シリーズ第一作目』でして。
今後の作品の中で真相が語られていくんだろうなぁとは思う(ちゃんと製作されれば)んですが、如何せん「第一作目のラストが気になるから第二作目も観よう!!!!!」とは思ってもらえないだろうなぁ、と確信を持っていえるぐらいにパワー不足、中途半端。
さらにひぐらしファンが見ればイライラしていくことは確実でしょうし、どこがどう『待望の実写化』だったのか、教えていただきたいものです……。
■09年4月20日 『トロピック・サンダー!史上最低の作戦』

ベトナム戦争映画『トロピック・サンダー』の撮影中、あまりにもアクの強い俳優と、
彼らをまったくまとめきれない新人監督により撮影現場はスタート5日目にして崩壊寸前。
そこへ大予算を突っ込んだジャングルの大爆破を、ウッカリ間違えて
カメラ回してないのにスイッチON
見事にジャングルは吹っ飛び、予算も吹っ飛び、プロデューサーの堪忍袋の尾は月面まで吹っ飛び危うく製作中止の大ピンチ。
追い詰められまくったスタッフの前に突きつけられたのは原作者からの
「俳優を全員マジのジャングルに放り込んでギリギリの精神ラインまで追い込んじまえ」という悪魔の囁き。

かくして主演俳優達は『ゲリラ撮影だから!』という大嘘の元にヘリでラオスのジャングルに放り込まれ、
「姿は見えないけど設置カメラとかで君らを追ってるから!とりあえず北上して合流地点まで来いよ!」と
ブチ切れながら叫んだ監督はその直後に
地雷を踏んで木っ端微塵
でもマジの撮影だと信じてしまった俳優達は「とりあえず行こうかー」とノンキなノリで、本物のゲリラ組織が住むジャングルの中へ……。
かくしてここに
『本物の戦闘を撮影だと思いこんでる米軍兵衣装の俳優たち』と『麻薬育成地帯に潜入してきた米軍兵をブチ殺そうとするゲリラたち』の、何が何だかよく分からない戦いが始まった……っ!!!


という、本当に「よく考えたよなこんなの!!」と言いたくなる話ですが、とにかくもうこの映画、小ネタが素晴らしい。
映画が始まった直後に流れるのは劇中映画『トロピック・サンダー』に出演している、架空のハリウッドスターたちが出演している架空の映画の予告編
一例を挙げるなら『ベン・スティラーが演じるダグという俳優が出演したシンプル・ジャックという映画の予告編』です。
しかもこの『トロピック・サンダー!』を作ってるのはドリームワークスなのに、ニューラインとかユニバーサルの映画として予告編が作られてます大丈夫なのかコレ(笑)。

また、数多く作られてきた戦争映画のオマージュやパロディが数多く盛り込まれており、
『プラトーン』『地獄の黙示録』『ランボー』『ワンス・アンド・フォーエバー』とか、見た人にはきっと分かるかと。
……それ以外にも『ナッティ・プロフェッサー』とか『チャイルド・プレイ』も使われてますが。や、本当に何故『チャイルド・プレイ』なんだ(笑)。
あぁ、マシュー・マコノヒーが演じるエージェントが直面する問題とかは、トム・クルーズの『ザ・エージェント』へのオマージュかな?

色んな問題を抱えまくった俳優たちを演じる俳優たち(何となく分かれ)も素晴らしくて、
ベン・スティラーの壊れっぷりとか、ロバート・ダウニー・jrの役者バカっぷりとか、
色々説明するよりもさっさと見ろハリーハリハリー!!という感じですよ!!
何せ「オスカーを5回受賞した俳優が、黒人軍曹を演じるために肌の色を変える手術を受けてクランクインし、ジャングルの中で撮影ではなく本物のゲリラに誘拐された仲間を助けるために中国語を喋れる現地農民のフリをしてゲリラの村へ潜入する」
というワケの分かんない状況に陥ったりするからな!!!!!
でも
「原作読んだ?」「表紙と裏表紙と背表紙は読んだ」
「じゃあ台本でいいや、原作どおりだから……」「台本にどんなクソが書いてあるんだ!?」
「台本読んでないの!?」「俺が台本だ」とか、あぁもう本当にこんなスターばっか集まったらそりゃやりにくかろうなぁ(笑)。

あとマジで撃たれてるのを「シーン16、『襲撃』だな!!」とか思ったり、マジで捕虜になってるのに「しっかり撮れよ!!」って叫んだり、
マジで尋問されてるのに「さっきのお茶のシーンからやり直そう」って言い出したり、水責めにされてるのに「カットだ!!」って叫んだり、
……もしかして役者バカじゃなくて単なるバカなんじゃないだろうか、と思えてきますがきっと気のせいです。

まぁベン・スティラーとジャック・ブラックという、カルピスの原液にそうめんのつゆ(濃縮3倍)をブチ込むような濃厚さが、
合わない人には本当に合わない可能性が高いですが、映画作りというテーマで真剣に笑いを取りに来た辺り、
実にオススメできる一本です。こうなってくるとジャック・ブラックが挑んだ『僕らのミライへ逆回転』も見たくなるなー。


あ、忘れてましたがトム・クルーズ演じる映画プロデューサーの凄まじさもなかなか素敵すぎます。
俳優を拉致して身代金を要求してきたゲリラ達に「国連に要請して爆撃してやる。虐殺してやるぞ、アジアは俺のシマだ!!」と言い放ち、
「俳優が死んだら基金を作ってテレビの前で泣いて、ほとぼり冷めたころに保険金を要求しよう」と言ってのけたり、
……もしかしてみんなPに対して結構うっぷんが溜まってるのかもしかして。
まぁトムの場合はラストで見せるダンスシーンの踊り狂いっぷりが面白すぎて、アヘッドスマルトロンを組みながらゲラゲラ笑わせてもらいました!!
■09年4月18日 『THE MIST』

自らそこの見えない深い穴を掘ってはその中へ飛び込み悶えのたうちまわりながら這い上がってくる試練を自分に課し続けるさとっちさんの不毛極まる映画レビューですが、今回も今回とてヘビー級のパンチ力を持つタイトルでございます。

……いや、うん、聞いてはいたんです「後味の悪さでは他の追随を許さない」とか、「エンドロール後立ち上がれないのは確実」とか。
でも『傑作!!』という声もあったりで、やっぱりこれはちょっと見るしか無いだろうと思いまして『ドラゴンヘッド』とあわせて借りてきました。自らの業が深すぎる。

で。


感想とかレビューとか書こうと思ったんですがあまりにもダメージがデカすぎてなんかもう何も書けない書きたくないにも程がある。

とりあえず『人間の絶望』を描いた映画としてはコレ、多分世界最強。
ホラー映画やパニック映画でよく「一番怖いのはモンスターではなく人間だ」というテーマが描かれてますが、こっちはその上を行くと言うか、
「絶望した人間」という存在の危うさや怖さをこれでもかと、静かに静かにこちらへ叩きつけてきます。
最悪の展開を予想しながら見てましたが最後は思いっきり軽やかに、コチラの思い描く『最悪』の斜め上を行ってくれました。
何ていうか、ラスト15分辺りから本当にもう胃が痛くなり、ラスト5分を見て激しく絶望し、見終わってから思い出しては絶望し、
どんどんとダメージを喰らい続けるというヘビートラップ。
現にこうして書いてる今でも思い出しダメージがドンドンと。あああああああああああああああ。

とりあえず教訓としては、(以下ネタバレの可能性があるので文字反転)
助かりたいなら燃費の良い日本車に乗りましょう。
ということで。(ぇー)

とにかくもう映画の出来は良くて良くて良くて本当にもう傑作すぎるんですが、それがゆえに受けるダメージ量もハンパない。
絶対に月曜日とか週の中ごろに見るのはオススメできませんそれは死亡フラグだ。
見るなら必ず週末の晩にするべきですよ……っ!!!!!
ついでに言うなら物凄いバカ映画とかエロDVDを用意してダメージをカバーできるようにしとかないと、うむ。

あ、あとコレはネタバレじゃなくて注意事項ですが、
『虫耐性:E−』な人は見ないほうが吉。あまりにも素敵すぎて失神どころじゃすまないと思います。


それから余談ですがユダヤ教徒のイっちゃってるオバハンが青木さやかにしか見えなくて困った。
■09年4月18日 『ドラゴンヘッド』

自ら底の見えない深い穴を掘ってはその中へ飛び込み悶えのた打ち回りながら這い上がってくる、そんな不毛極まる試練を自らに課しているさとっちさんですが今回もそんな邦画レビューの第2弾。
『ドラゴンヘッド』でございます。

原作コミックは「何か絵が合わない」という理由でサックリ読んで無いんですが、それでも見ます実写版。
何故なら「世の評判が悪いから。」 つくづくM体質が抜けませんさとっちさん。
そんなワケであくまでも『映画のドラゴンヘッドを単品で見た人間の感想』となりますので、
『俺はドラゴンヘッドの原作が好きなんだ!!!』という人はまた自分で見られるが吉。

で。

この映画、基本的に3つの場面しかありません。

1:高校生が罵倒しあってる
2:高校生がヨロヨロと残骸・廃墟の中を歩き回ってる
3:高校生が聞き取れない台詞をボソボソ喋ってる。


そんな122分間。 あとの場面は基本的にイレギュラーだと思ってください(ぇー)。

とにかくもう邦画でちゃんと台詞もあるのに、字幕が無いと何が何だか分からない
なおかつ「分からなくてもまぁいいや」としか思えない、陰々滅滅たる映画ですというか何というか。
主演の二人は演技が下手だし特にSAYAKAの演技が下手で仕方ないですし(それでもシレーヌ富永よりはマシかもしれん)。
そもそも二人ともワケわかってないので何を語っていようが話の本筋に関係なし!!!というバカさがたまりません。
というか序盤の台詞が「わかんねーよ!!わかんねーよ!!」「やめてー!!」オンリーだった気がするのはどうしたものか。
何か他にもしゃべってたような記憶はあるんですがそもそも台詞が聞き取れないのでどうでもいい(苦笑)。

ついでに言うなら話の起伏は空気抵抗の無いフルフラットボディッぷり。
20分ぐらい目ぇ離しても、ストーリーの理解に困る事は一切ございません。
……この映画を劇場で見てたらさとっちさんですら寝ない自信はありません。

なんか2ヶ月間にも及ぶウズベキスタンロケを敢行したらしいですが、それがまったく何の意味も無いというか、なーんか全体的にチャチく見えて仕方ないんですよねぇ。まぁ基本舞台が『廃墟』オンリーなんで無理もありませんが。
最後の最後でとってつけたような大破壊シーンこそありますがそれまでのグダグダッぷりに打ちのめされまくった観客は、心の底からどうでも良いなぁ早く終わってくんねえかなぁコレ、となること間違いなしです!!!(爽やかな笑顔で)
そういう意味では「実物のT-72を市街地走らせてMi-24ハインドを飛ばしたい」という理由だけで『Averon』でポーランドロケをやってのけた押井監督の動機は純粋すぎる(笑)。

というか、正直コレなら梅田新食道街の串焼き『松葉』本店とお好み焼きの『きじ』で酔っ払いが2時間延々と罵倒しあってるのを映像化して『ドラゴンヘッド』って言い張っても罪には問われないと思うー)。


あとエンディングの酷い投げっぱなしジャーマンっぷりはデビと同クラス。CGではさすがにコッチに軍配が上がりますが。

『DEVILMAN』は何だかんだ言っても下記のレビューを見るとお分かりかと思いますが、ツッコミ大会を開ける程度には笑える(注:コメカミに青筋を立てながらである、ということは失念しないで下さい)クソ映画なんですが、コッチはとてもじゃないが笑えない、というか笑いどころがそもそも無い、面白くもなんとも無いという本当の意味で『始末に困るダメ映画』。つまらない映画、という評価がピッタリだと思うのです。
仮にデビみたく深夜1時から酒を飲みつつドラゴンヘッド鑑賞大会!!とかやるとリアルでドラゴンヘッドの劇中みたく罵倒大会が始まってもおかしくない。多分酒を飲めば飲むほど眉間のしわがその高低差を増していき空気は重苦しくなる事でしょう、うむ。
そういう意味では恋人との別れ話を切り出したいときに見るには最適ですね、確実に鑑賞直後の二人の空気は冷え切ってるでしょうから!!(どんな勧め方だよ)。
■09年4月12日 『DEVILMAN』

21世紀に入ってから作られた最悪の邦画であるところの『DEVILMAN』、フィギュアと連動して、今必殺のレビューです!!!
……とはいえこの映画、もはや語り尽くされた感もございますがまぁ飽きずにお付き合いくだされば良いかと思います。


もとはと言えば公開当時のあまりの世間の激怒っぷりにむしろ「コレは行かなきゃ損をする」と思ったワケでして、
でも一人だとあまりにもヘビーなのでちょっと高校時代のツレを巻き添えにしたりもしたんですけどね。正直あのときは椅子から立ち上がるのに恐ろしい根性が入りました。
今回はちゃんとDVD借りてきたよ!!一人で見たよ!!分かってるのに心がヘシ折れそうになったよ!!!!!

さてこの映画、まずは製作スタッフのことから語らねばいけますまい。
プロデューサーの冨永理生子氏は97年の『北京原人 Who are you?』と00年の『ピンチランナー』、01年の『千年の恋 光源氏物語』のプロデューサーを務めており、企画の遠藤茂行氏は 01年の『RED SHADOW 赤影』、03年の『魔界転生』、同じく03年の『バトル・ロワイアル II〜鎮魂歌(レクイエム)』の企画を担当、さらに監督は『ビーバップハイスクール』『ピンチランナー』の監督である那須博之、脚本は監督の嫁と言う、ある意味これ以上望むべくも無い鉄壁の布陣で構成されております。ウーヴェ・ボルが4人集まったようなモンですよ!!!!!
あえて言うなら日本のダメ映画のオールターキャストであり、スタッフ以外のキャストも含めればそれはまさにクソ映画JV44とか第501重クソ映画大隊。むしろこれで傑作……いや、普通の映画が出来た日には逆にどうしたものかというところだな。

主演の伊崎兄弟は演技の経験ゼロであり、体を作らず声の出し方も勉強してこなかったようで非常にもう、こちらの忍耐力の限界と言うものを把握するのにピッタリな学芸会レベルのお遊戯です。いざきくんはおじょうずねー(棒読みで)。
というか明と涼は兄弟でもなんでもないのに、何故ど素人のイケメン(という程でもない)双子兄弟をキャスティングしたのか疑問です。
……まぁあれだな、嫁が双子二本挿しを御所望されたとでも考えるしかねえなこりゃ。
この伊崎兄弟に引っ張られたのかそもそも監督が無能だったのかは分かりませんが(多分両方)、他の役者も全体的に「演技力」のレベルがマイナス4ぐらい。
坂井彩名とか宇崎竜童とか阿木燿子とか使ってるのにその辺のレベルも全部底辺だしな!!!
カメオ出演してる小林幸子とか本気で邪魔で困ります。永井豪さんもカメオ出演してますが、カメオ出演の割りに顔がバッチリ写るのは監督からの『ゴメンナサイ』の表れか。あらゆる意味で手遅れですが。
というかカメオ出演してる役者をよく見てると的場浩二とか島田久作とかいまして、むしろそいつらを中心に据えて欲しかった。
ちなみに一番演技が上手いのはボブ・サップ。理由:英語喋ってるからヘタかどうか分からない

あと公開前段階では多少なりとも話題だった富永愛のシレーヌがこれまた酷い酷くて酷すぎて正直もうなんか正視に耐えない。正視に堪えないけど見ないわけにも行かず「はぁ」「ほぁ」「たぁ」「やぁ」というアクションシーンの掛け声を聞けば聴くほど「テメェ夜のベッドの中ではどんな叫び声出してんだぁ!!!」と叫びたくなります。
良かったポイントを一個だけ挙げるとすればそうですね、結局10分ぐらいしか出てこなかったので、あのバカ演技を延々と見せ付けられるという、罰ゲームが発生しなかったことでしょうか。
いずれにしても主演の伊崎兄弟が最悪どころじゃないので、全編罰ゲームと言っても良いのですが。
……いや違うな、全編罰ゲーム以外のナニモノでもないな、うむ。

大手マスコミ系の映画紹介で唯一の誉める突破口だったCGによる空中戦とかもPS2レベルなのが良く分かります。
この映画を家で見て唯一楽しめる副次要素がやっぱりアレ、プレステとかのコントローラを握って微妙に操作してる感を味わうことな。

さらに言うなら、『制作費10億円!』と謳っておきながら東映の決算を見ると実は制作費3億円だったりするので要注意。
恐ろしく世界観がショボくて困ります。
まぁ基本的にこの映画の舞台は「高校」「牧村家」「明の部屋」「ショッピングモール」「教会」だけという、選択肢の幅がまったくないエロゲ以下の話のふくらみしかありません。
一応世界は崩壊するんですが、その様子がほぼ『ボブ・サップがメインキャスターやってるニュース番組』で語られるだけであり、あとなんかミサイルらしきものがどっか遠くのほうで爆発したりしているだけ。戦闘機とか戦車とか1秒たりとも出てきません

世界崩壊の様子を一番大きく出しているのは最初から最後まで出ずっぱりのショッピングモール。
それも何というか、浪漫の無い崩壊っぷりでありまして、単に「色んなものをひっくり返しただけ」という……。テーブルとかノボリとか、原型留めすぎ。美術スタッフもうちょい頑張れと思いましたが、まぁ制作費3億ではな!!!!!

あとまぁ破綻しまくった脚本とかディレクション能力絶無な監督とか、スクリプター不在の場面転換とか、演技力ゼロの出演者陣とか、ド低レベルのCGとか、およそ考えうる限りのダメ要素が詰め込まれまくったこの映画、『デビルマン』が原作だとかと思って見ると本気でむかっ腹が立ちますから、『ビーバップハイスクール・オブ・ザ・デビルマン』だったんだネ!!!!!と思うことにしようと思うんだ!!!(笑顔で)
あ、強いて言うならクソ映画好きには極上のご褒美ですし、午前1時ぐらいから酒を飲みつつ友人とツッコミまくりの鑑賞大会を開くと最高なので、そういう意味では尾『ある意味オススメ』な一本ですねぇ。


とりあえず以下はアレ、見ながら書いてた感想というか。

冒頭からガキが暖炉の前でスーツ着て絵本を読んでる絵面に改めて頭を抱えるの巻。どこの国だよ。
その直後に流れる伊崎デビの超棒読み独白台詞に頭をまた抱えるの巻。ここでこの作品を見続けられるかどうか判断しましょう。まぁ100人いたら120人が「無理!」と判断しそうですが。
高校に車で通学するとか無いから!!!!!朝っぱらからケーキを思いっきりリビングで作っておきながらサプライズパーティもクソもないから!!!!!ていうか全体的にこの牧村家のホームドラマが狂いすぎてて困る。
不良の演技とかがどう考えてもビーバップハイスクールです。怒った表現は鉛筆を折るだけです伊崎サタン。
「ああー、ああああー、あぁぁあああー! なんだよ、これなんだよー」 俺が訊きたい。これは何なんだ。

とりあえず本田博太郎は特殊メイクとか喰われるとかなしで素の方が気持ち悪くて良いよね。

「ほろびろ、デーモン!涼おまえ綺麗だなぁあぁぁおれデーモンになっちゃったよハッピーバースデーデビルマン!」(机を殴りまくりながら)

明のアクションはワイヤーアクション、とりあえずコレを使ってまだ恥ずかしくない時代だったと思うしかない(机を殴りながら)。
「ちくしょう、たたかいたい、てきがほしい……どうしてだ」 こっちが聞きたいどうしてこんな映画を作ったんだ
あとシレーヌの髪がヅラと地毛のハイブリッドなのは本気でどうかと思う。まぁ全部染めたり特殊メイクにしたところで中身がアレだからもうどうしようもないんだが!!!
「ほろびるのはおまえだ、でーもん!」
おかーさーん!!!このゲーム、コントローラで操作できへんでー!!!!!(富永シレーヌと伊崎デビの空中戦を見ながら)
「あきらくん、なんか、かわった……」「みきちゃんはいまのおれ、きらいか」「すきよ」「おれは、もっとすきだ」
何だコレ!!!!!ナンダコレ!!!!NANDAKORE!!!!!!!!!!!!(頭を掻き毟りながら)

「うしくー!!!どこだー!!!!!」 少なくとも水中にはいないと思うぞ伊崎デビ。
「おれ……こいつにくわれちゃったよ……」「ボクもだよ」「わたしもだよ」「ずっとおまえとともだちになりたくて、やっとなれたとおもったらおれしんじゃったよ やっとなれたのになぁ」
基本こんな感じで説明台詞のオンパレなので何も考えなくても状況把握が簡単です。
「さよなら!不動!」 何でこの声だけシャッキリしてんだと思った矢先に顔面ブチ抜く伊崎デビ
というより出てきて1分で背中の顔ブチ抜かれた程度で死ぬジンメンに衝撃走る。デビと戦えよテメエ!!!!!!

学園ドラマに衝撃走る。 何でこう台詞をしゃべる生徒が入れ代わり立ち代り前に出てくるんですか何年前の演出だ。

ロサンゼルスからの衝撃的な映像、カメラマンお前デーモンに近寄りすぎ。そら撃たれるわ。
「じゃ勝手にしろー!ばかー!」 この辺になってくるとツッコミ入れる気力も失せてきます。
一番面白いのは田んぼの中を疾走し「おれはでーもんじゃねぇーーーーーーー!!!」と絶叫する鳥肌実
デーモン特捜隊のマークはダビデの星にと十字架をブレンド。どう考えてもユダヤ人とキリスト教徒に喧嘩を売りすぎです。

「みきちゃんにつけてもらおうとおもって」 いやその不気味な人形のストラップは嫌がらせ以外のナニモノでもないから。
「いくぞ やつらをみなごろしにしてやる にんげんをほろぼしてやる おまえはこんなにんげんをゆるせるのか」 ごめん俺はおまえというかこの映画全部を許せない。
伊崎サタンのMP5Kオシャレ撃ちは『リベリオン』の影響です、とか言われたら東映に火ぃついてもおかしくないレベルでした。と言うかもう本当に、伊崎サタン、アクションの勉強とかしてこいこのクソ野郎。
「デーモンばんざぁーい」by KONISHIKI、どうみてもお笑いシーンです本当にありがとうございます。あとデブ3人が一般人を襲ってるシーンとか本気でコッチの脳がどうにかなりそうです。

あと伊崎デビが牧村親父に腕を見られたあとの叫びらしきもの、「ホぁーーーーん」という表記が一般的ですが、あれはもっとこう……文字に出来るようなレベルではないと言うか、人間の言語体系的に表現できないレベルです。

サタンの主な仕事は警官のコスプレしながら一般人を狙撃する事ですってかそれで人間は滅ぼせないと思うぞ伊崎サタン。
「涼おまえいきてたのかあぁサタンだからな」サタンならしょうがねえな。
「東京に落とされたミサイルは……新しい情報が入りました 日本、反撃です。 皆さん、戦争が始まりました」野球のニュース速報じゃねえんだこんなニュースあってたまるかドチクショウが。

ミーコとススムくんの倒れ方がもう論外で困る。
「ちがうこのこじゃない私ですぅいいや俺だいや俺がデーモンだちがうにんげんじゃないのはおれなんだ」
そら試写会に行った株主が東映の株を売りまくるわけだよな。
両親が1階で惨殺されてる間に部屋で「あきらくん……」と呟きゴロゴロしてる娘。♪ごろごろしーたーいー♪
「私は魔女、なめるな!」と言った20秒後には「ちがう、わたしはまじょじゃない」と言ったり本当にもう。

「わたしよ、みーこ」何で服装まで変わってるんだ貴様。あと銃持ってるのに日本刀相手に格闘戦挑むな特捜隊。
まぁこの映画(というかデビ)の登場人物は基本的に全員頭おかしいか1分前のことを覚えてられないかなので無理もありませんが。
あ、最後の最後までサップのニュースは途切れません。何と丈夫な放送網。そして何故英語。

明が牧村家に戻ってきて牧村夫妻の死体を見て何故フードをかぶるのかとか何で携帯が天井から釣り下がってるのかとか、そういう疑問が美希の生首を見たシーンの叫びらしきモノで全部吹っ飛ぶ恐ろしさ。コレもまた日本語というか文字で表現できないレベルです。
コレを万人に説明できる表記が出来たら多分ノーベル文学賞を取れると思う

「カミハイタカー!」「にんげんはまもるかちがあったかー、あきらー」 少なくともこの映画を真面目に見る価値は無いと思いました
教会での伊崎デビと伊崎サタンの会話を聞けば聴くほど殺意がムラムラと旨の奥底から湧き上がって来すぎてなんかもうどうでも良くなってきます。
説明台詞のオンパレードに棒読みに、どうしようこれ。

苗か教会の地下にある大空間でのデビ対サタンのシーンは噂の『あまりに映画の出来が酷すぎると東映のエライさんが怒ったので急遽付け足しました』のフルCGシーン。
明らかにシレーヌ戦とかよりCGレベルがダダ下がっててすごいです。PS2の初期レベルです。もしかしたら代アニの卒業制作かもしれません。
とりあえず正しい楽しみ方は『コントローラのボタンをガチャガチャしながら見る』で、ひとつ。
地表に出てからの伊崎デビVS伊崎サタンの戦いはまぁ多少マシにはなってますけどね。PS2の2年目以降発売ソフトぐらい。
あと砂の塔を守ろうとするクソガキ2人のシーンに全力で脱力。何を考えてこんなシーン入れたのか判らない。
「同じものを守ろうとしたときがあった」とでも言いたいんでしょうかとか思いましたが、監督とか脚本の意図を汲み取れたら負けだと思ってる。

「おまえをころす!!」といった5分後に「オマエがいきてればそれでいい」とか、本当に君たちは鳥並みの脳しか……いや、ごめん、鳥に失礼だった

エンディング曲は脱力モノのhiroのk曲。えぇと、もう、ゴールしていいよね……?
■09年4月10日 『宇宙戦争』

途轍もなく面白くなかったなぁというのが正直な感想で、むしろどこに138億円も突っ込んだのか教えていただきたく!!!!!

いやまぁ原作自体が「宇宙から来たすげえ強い侵略者は地球の微生物に敗北しました」というモノなので、
決着についてどうこう言うのはあれなんですけども。
……それでもね、爽快感が全編通してまったくどこにもカケラたりともなくて、
「トライポッドの破壊力すげえなー」と思ってた『M的悦び』すら中盤からまったく無くなって、
なおかつアメリカの誇る最終兵器『大統領』すら1カットの出番もなく
ひたすら子供がわめき、主人公は口喧嘩するか逃げるかしかしてないあたりはどうなのかと……っ!!!!!
あと宇宙人が全体的に間抜けすぎて困る。何だあの地下室探検キャッキャっぷりは。

強いて誉めるべきポイントを挙げるとするならば、娘が本気でウザくてどうしようかとイライラさせられた、その辺りでしょうか。
や、本当にあそこまでウザいのは最近そうそういない。
まぁ家族が絆を取り戻す物語をやりたかったんだと思えなくもありませんが、エンディグとか本気で酷かったしなぁ……。
というかあれはどこの夢オチですか。 見てて原作どおりではあるんだが絶句した。


あと中の宇宙人がヘバっててもトライポッドのバリアが消える消えないには関係しないよねと思うんだ。
てゆか対戦車ミサイルとカールグスタフ無反動砲に敗北するのはともかくとして、
手榴弾が内部で炸裂した程度で完全に吹っ飛ぶトライポッドって……orz


見終わったあとで思うと「そら『皇帝ペンギン』に客の入りで惨敗するわなぁ」と納得したり。
これ、誰にオススメするのも無理があるというか、パニック映画好きにもオススメできず、
SF映画好きにもオススメできるとは言えず、戦争映画好きには多分殴られます。
ちなみに見ながら『戦争』って口喧嘩のことかしらとか思ってたんだぜ!!!

公開当時も話題になってましたが企画立案から撮影〜公開までを1年でやっちゃった辺りを考えると、あらゆる意味で準備不足だったんだろうなぁと思ったり、あと物語の内容的にトム・クルーズが似合わないというか。
どうしてもスターを使うってんならブルース・ウィリスぐらいが似合ったんじゃないかなぁ。

……というかアレだな、突き詰めて言うなら『スピルバーグにSFは向かない』だな。
『AI』とかも本気で酷かった……本気で酷かった……。本気で(略。大事な事なので3回言いたかった)。



でも唯一浪漫だったのは「大阪ではトライポッドを3機も倒したらしい」という言葉かな!!!
頭おかしくなったオッサンのタワゴトっぽい気もしますが、きっとあれだ、サンダーコントロールシステムとスーパーX2のファイヤーミラー、カドミウム弾搭載のロケットランチャーだぜ!!!!さすが大阪!!!!!
■09年3月13日『DRAGONBALL EVOLUTION』

もはや見なくても感想を書けそうな勢いで超ネタバレのレビューも上がってる公開初日ですが、仕事帰りに見てまいりました!!!!!
世間的には辛い評価ばっかりのこの映画ですが、悪くない点もいっぱいあったよ!?ということで前向き感想でございます!!!!!(強気)


1:映画館の椅子が素晴らしい。
一昔前は2時間座ってると腰と脚にクるのが確定だった映画館の椅子も、最近のシネコン仕様は良いですねぇ。
ゆったり座れるし高さもいい塩梅なので前に座ってるおっさんの頭を気にして首を右へ左へ傾ける必要がありません。
それに前の座席の背もたれに傘立ても常備されてるので、傘の置き場所を気にしたり隣の子供が傘を落とすわ拾おうとするわで、
バタバタしてるのに気を取られないのも良いですねぇ。まぁその分、帰りに傘を忘れそうになったけどねHAHAHAHAHA!!!!!

2:音響が素晴らしい。
やっぱり日本映画とハリウッド映画の違いで一番大きいのって音響かなぁと思うんですよ。
日本映画はどうも音声が軽いというか薄っぺらくてなおかつノイジー、正直聴いてて「安っぽい音」という印象があるので、
映像がどんなに頑張っても安っぽく見えるんですよねー。『あぶない刑事』とかも銃声エフェクト変えれば随分変わると思うんだけど。
その点このドラゴン(略)、音声がクリアかつヘビーで聴き応えがありました。やっぱりこういうのは向こうのスタジオの技術が違うんだな!!

3:映像がクリアで良かった。
どんなに物語が良くても映像がノイジーだったりするとイマイチ感が漂うのに対し、
やっぱりHD画質でシッカリとクリアに作られてるのは良いなぁと、しかもそれをあの大画面で見るわけですからね!!!


ということで『DRAGONBALL EVOLUTION』は良い映画でした、次回のさとっちさんの映画レビューにご期待下さい!!!!!















……ここで終わりたいなぁと思わないでもありませんが。そうは問屋が卸さない。
良かった(と言える)要素は上記の三つ『だけ』ですいやマジで。
以下は率直な感想となりますよーまとめきれてませんがその辺は勘弁!


さて、そもそも『誰も待ち望んじゃいないのに勝手に向こうからやってきた』この実写版ですが、
・製作総指揮に鳥山さんの名前があるけど本人はまったく一度も見ていない
・チャウ・シンチーの名前があるけど殆どまったく製作にタッチできてないというか意見が反映されてない
・メインテーマが浜崎あゆみ。しかも全世界で流れる。

という時点でそれはもう原作アリ映画として崩壊してる(最後のはどうか)だろ、と思うんです。
それでもバカ映画とか好きですし大好きですし大好物ですし、あの『DEVILMAN』だって劇場に(友人を道連れに)観に行ったワケですし、
完全に地雷とわかってはいるんですが今見なかったら後悔するよなぁ……と思い、公開初日を狙って行って見ましたよー。
……あぁそうか、『全世界(のクソ映画マニア)待望の実写化!!!』なら分かるな、うむ。


っということで以下は『普通のアクション映画』として見た場合(そもそも『普通のアクション映画』と意識して見なきゃいけない時点で何か間違ってる)、出来の方はどうなのよ?という視点から。


・タイトルが間違ってる。
『DRAGONBALL EVOLUTION』じゃなくて『ドラゴンボール青春白書』にするべきです。いくらなんでも悟空の童貞力が強すぎる。
『気』の使い方をマスターできた原動力が「チチとキャッキャウフフムーチョムーチョしたい」ってのはいくらなんでもアレすぎないか!?
……いやまぁ妙にリアルで納得できたりはするんだけどさぁ!!!

・上映時間が短すぎる。
87分しか上映時間が無い(EDロール含む)ので話の展開が急転直下すぎました。
何せその時間の中で
・ハイスクールでハブにされてる悟空
・気になるチチを授業中に見つめると彼女の周りは黄金の麦が生え風が吹くマサラ世界に。違う映画見てるのかと思った。
・いじめっ子をパーティー会場で叩きのめしてチチと良い雰囲気になる悟空
・ピッコロに襲われて家を潰されて死ぬ悟飯爺ちゃん。多分直接の死因は『圧死』
・勝手に家に上がりこんできて悟空を撃ち殺す気満々だったブルマとその場で対立→和解→協力関係樹立。
亀仙人の家に不法侵入して勝負→協力関係樹立〜秘密の修行場まで悟空、お前は徒歩な。
・ヤムチャという名のケチな泥棒の落とし穴に落下→協力関係樹立
・マグマ地帯でピッコロの手下との戦闘〜ドラゴンボール発見
・格闘大会の会場でチチと再会、チチとKKUMMしたい一心で『気』の使い方を習得、何故かくっ付くブルマとヤムチャ
・かめはめ波は蘇生術としてもご利用いただけます。
・7個ともドラゴンボール奪われたんでピッコロの邪魔しにドラゴンの神殿に行くぜ!!
・「実はお前が大猿なのだ」「ウゾダドンドコドーーーン!!!!!」
・悟空、大猿化→亀仙人死亡確認!!!
・悟空、自分を取り戻す→かめはめ波という名のサイコクラッシャーアタックでピッコロ撃破
・亀仙人復活
・チチと悟空のイチャイチャファイトでEDロール
・浜崎の主題歌で全身脱力。チープ感が5倍界王拳。
・実は生きてたピッコロさん、布団の中で目を醒ます。


……という要素を全部突っ込んでるんだぜ……。
しかしその一方で「長いなぁ……」と感じてしまったさとっちさんがいたりもします。
どうも冷静に考えてみると、『短い時間の中で』『説明を一杯入れつつ見せ場も作り』『キャラが成長してるっぽくしなきゃいけない』
という条件に縛られて、根本的にテンポが最悪で見ててダレる展開ばっかりだった気がします。
まぁ話の展開のブツ切り加減を見てるとどうも単に『投げた』っぽいんだけど。
むしろあと30分ぐらいあって、ちゃんと場面場面をシッカリと描いていれば評価は変わったかもしれません。
……変わらなかった可能性、むしろ大惨事の度合いが増した可能性もありますが。

・話の奥行き・スケール感がゼロ
世界の崩壊がテレビの中、アナウンサー役のボブ・サップの説明でだけ展開された『DEVILMAN』にもヒケをとらないダメ加減。
何せ移動手段が全部車か徒歩なんで、どれだけの距離を異動してドラゴンボールを探してるのかとか無いんだもん……。
そこに前述した『時間が短すぎる』も絡んでくると通常のジャンプの倍の高さで100万超人パワーが倍になります(何)。
いやまぁ展開が支離滅裂で脚本が適当にも程があって理解することがまず不可能な『DEVILMAN』はもう別格ですが。
あれは奥行きとかスケール感とかそういうレベルの話じゃなかったからなぁ……。

・展開がそもそもツッコミどころ満載すぎる。
『ピッコロと戦っても勝ち目がないのでドラゴンボールを7個集めなければいけない』

『願うべきは、ピッコロを消滅させてもらうこと』


『既にピッコロがドラゴンボールを幾つか集めている』

はい、ピッコロに1個でもドラゴンボール奪われてたら成立しない計画を一生懸命遂行しないで下さい!!!!
結局亀仙人が魔封波を使うことを決意して話は何となく進むんですが、その間にもドラゴンボールを4つまとめて盗まれたり。お前ら……。

・展開がまったく燃えない。
ピッコロを倒せる可能性としては
1:魔封波で術者の命と引き換えにピッコロを封印
2:神龍を呼び出してピッコロを消滅させる
というのがあるんですが、『亀仙人が魔封波を使いピッコロを封じようと決意する→ボクがピッコロを倒してみせますから!!命を捨てるなんていわないで下さい!!』とかのドラマがあったら燃えたんですけどねぇ……。その辺一切ありませんでした。


・人間関係の適当っぷり。
悟空のことをチチが以前から意識してた、とかの描写も特に無しに
「あなた『気』』を使えるのね→不良をブチのめした悟空ステキ!→灯篭に『気』だけで 火をつけられたらKKUMMさせてあ・げ・る(はぁと)→付き合うならどちらが強いかハッキリさせとかないと」って何だこのビッチ。
ブルマもブルマで自分を落とし穴に叩き落した張本人のヤムチャと何故か5日間程度の間にくっ付くしな!!!
さすがアメリカン、肉食の国、男も女もがっついてやがる……(ゴクリ)。

・どいつもこいつも強さが見えない
ワイヤーアクションも中途半端で、気弾も中途半端で、大猿はせいぜい『ハルク』ぐらいの大きさなゴリラで、多分あれなら軍隊が出てきたら用意に鎮圧されます。というかアイアンマンのパワードスーツがあったら楽勝。
さらに言うなら大ボスのはずのピッコロが直接手を下したのって悟空の家をぐしゃっと潰すぐらいで某サタン級にショボい力の見せつけっぷりだったりで、全然『絶望感』とか『恐怖』を感じられません。
まぁピッコロに関してはビジュアル面のアレっぷりも大きく寄与しておりますが。

・修行モノとしても不足
マトモに修行してるのが最初の悟飯との修行シーンだけで、あとは逆立ちしながら気でオレンジを潰したりしてるぐらい。あとチチとKKUMMするために灯篭に火をつけたり。
その程度で『修行』を語られても片腹痛い、ミスター・ブシドーでも見習うと良いぜ!!!
……いや本当に、『マトリックス』の方が修行モノとしてしっかりしてるぐらいのレベルです(苦笑)。

・徹底的にピッコロが魅力不足
殆ど何もしてない(血ぃ抜かれてビクンビクンしてたぐらい)なので、ピッコロがまったく悪役として魅力がありません。
一生懸命思い出してみたんですが、ピッコロがやった事って
・村を1個吹っ飛ばす(手からエネルギー玉を落とすだけ)→湖を一個吹っ飛ばす(左に同じ)→家を一軒崩壊させる→血ぃ抜かれてビクンビクンしつつ手下モンスター大量生産。
あとは魔封波で封印されそうになってる中で慌ててツボを割っただけじゃないのかもしかして。
そして世間に存在を知られること無いままどっかの岩山の奥でフェードアウト。
……あれ、本当に恐怖の存在?
何せ一番インパクトあったのがEDロール後の『お布団に包まって寝てるピッコロが目を醒ますシーン』だもの。
何という和みシーンなのか。萌えキャラじゃないけど。


……ということで、色々と言いたいことはまだまだありますが、『青春モノとしてもアクション映画としても中途半端』な映画でした。
ならばジャンルは何なのかと言われたら迷わずノータイムで『クソ映画』と言い切りたいところ。

その一方で『ドラゴンボールの実写版』として見ると心の底から
「これはつまり日本のコンテンツ産業に対する宣戦布告だな?フランスと組んで受けてやろうか?」

と言いたくなるぐらいにアレでソレでナニな出来でした。
いやぁもう本当にフランスのアニオタがどんな激烈化学反応を起こすか、楽しみで仕方ありません。

あ、あと浜崎の主題歌の破壊力は異常。あまりのダメさにライフが最後の最後で50ぐらい減った。
■09年2月12日 『レッド・ウォーター サメ地獄』



「どうせこの世は色と欲。 お前も、お前も、お前らも。 落ちる地獄は、サメ地獄!!!」
「労働者の命はエサじゃない! 湖底に潜む恐怖と戦慄!」
「赤色ジョーズ革命≪鮫・工・船≫ プロレタリア・シャーキング・パニック!


っということで久々にやってくれました木曜洋画劇場!!!
放送するのはB級映画、このノリのバカ予告編、当然のようにボイスは大塚芳忠さん、コレで面白くないハズが!!!!
……まぁあるんだけどなぁ(笑)。

物語はあって無いようなもので、湖に入ってきた鮫(淡水に上がってくるサメは一応いるらしいですオオジロザメとか)と、
チンピラと、石油採掘会社の3つ巴シャーキングパニックアクション映画でした!!終わり!!!!!(ぇー)

……という、いやもう何と言うか、これこそまさに木曜洋画劇場で放送されるために作られたかのような映画でございました。
どうも調べてみると元々はテレビ映画だったみたいですねーそのワリにお金かかってるというか頑張ってます頑張ってます。
しかしだからといって開始1時間(残り1時間ともいう)で石油採掘サイロ爆破とは誰が想像したでしょうか何だあの斜め上の展開は!!!!!

あとタイトルに『サメ地獄』とあるワリにサメの出番が非常に少なかったのも印象的で、
途中まで「コレは本当にサメ映画なのか……?」と思ったり。
犠牲者7人ぐらいだしね!! サメが一番活躍したのってラスト15分だしね!!!!!
というかチンピラ3人の方が現実として厄介極まる敵だったしね!!!!! サメはもうスパイスというか何と言うか……。

でも最後の決め技は良かったですねー。 個人的には最強の鋼材、H型鋼の逆落としとかも期待してたんですが!!

でも『レッド・ウォーター』という至極普通のタイトルに『サメ地獄』とつけるだけで問答無用のC級映画っぷりを醸し出す
木曜洋画劇場スタッフのネーミングセンスは異常、むしろ嫉妬するぐらいの勢いだぜ!!

後はもうちょっとおっぱい分が豊富に欲しかったなぁと思ったり。
序盤で喰われる娘さんとボートの上にいた女の子ぐらいしか水着なかったしなぁ……せっかくの水辺映画なのに勿体無い。・

でもまぁ全体的には満足かな、良いB級テイスト満点の映画でした!!!
■09年2月8日 『トップガン』

さて、今回の映画は『トップガン』。

何故今この映画なのかというと理由は簡単、レビュー用に見なくても書けるぐらいに見まくってるからです(ぇー)。

ストーリーは本当にありきたりの航空アクションで、要素を抜き出すなら
『成功! 恋愛! 敗北! 挫折! 復活!! 友情!! 戦闘!! 恋愛!!』という、
舞台をサッカー界に変えたらそのまま『GOAL!』になる映画、とか言わない言わない。

歌と踊りが入ったら完全にマサラムービー
とか言わない言わない。

……まぁぶっちゃけて言ってしまいますと、上記のように『ストーリーがあって無いような映画』でして、
トップガンを見終わってから20分後に「どんな映画だった?」と聞かれてマトモに回答できる人に未だ会ったコトがありません
いえ、もう20回とかみてる変態的などこぞのサイト管理人は別にして。

ならばこの映画の見所は、というと、そりゃもう『F-14のカッコよさ』
トム・クルーズも確かにカッコいいんですが、言い切ってしまうなら『F-14をカッコよく見せるための脇役』です。
ほら、福田夫妻の作品で言うところのスーパーコーディネーターがトム・クルーズ演じるマーヴェリックで、スーパーコーディネーターが乗る機体がF-14ですよ!!(ぇー)。

冒頭のF-14着発艦シーンは短いカットの積み重ねで、カタパルトデッキ上の緊張感を上手く演出してますし、
そこに重なるケニー・ロギンスの『デンジャーゾーン』がもうねもうね!!アレがなかったら『機甲戦記ドラグナー』のOPもなかったね!
監督のトニー・スコットが元々CMディレクターだったり音楽のPV監督だったりしたんで、やっぱりそういう演出の冴えは素晴らしいものがありますとも。今更言うまでもございませんが!!!

監督がパイロットたちに『超時空要塞マクロス』『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』のビデオを見せて
『こんな感じの空戦撮りたいんだけど』とのたまったと噂される空戦シーンは圧巻の一言で、教官たちが登場するA-4との格闘戦も燃えますし(このA-4も本当にカッコいいんだ)、あらゆるF-14の表情が拝めるのも嬉しいところ。

可変翼を畳んで鏃のような精悍さですっ飛ぶF-14もカッコいいですし、可変翼を一杯に広げてヒィヒィ言ってるF-14もまたステキ。
やはりあの不細工で精悍、なおかつ獰猛感溢れるドラ猫戦闘機だからこそ、『主役機』を張れるんですよねぇ……。
コレがF-15とかF/A-18だったら絶対無理です。 F-16?そいつは何の冗談だいジョニー?
あ、カット繋ぎの編集のおかげで、カットによってはマーヴェリック機の機番が違ってるのはご愛敬ですよ?

まぁアメリカ海軍がフルに撮影協力したらしく、実機がバンバン飛びまくるという部分での貴重さもありますねぇ。
『ステルス』とかと見比べると『空戦アクション映画』と一括りにするのが勿体無いぐらいの傑作ですわー。
『ステルス』を見て満足したそこの人、『空飛ぶマサラ映画』こと『トップガン』を見てからもう一回考え直してみませんか?
とにかくもう、『F-14を最高にカッコよく撮った映画』としてさとっちのオールタイムベストは確定です。