バンダイ 魂SPEC
機甲戦記ドラグナー ドラグナー1型 from ”Opening Silhouette”
さてさてさて。

『大量に放送されてきたロボットアニメの中で、最も印象に残っているOP映像は何ですか?』


そんな質問をされたらさとっちさんは『機甲戦記ドラグナーの第1期OP』と答えます。
あの疾走感、あのスピード感、盛り込まれた情報量の多さや演出のキレは今見ても抜群で、
なおかつ大張アレンジ全開で描かれるメカ群はそりゃもう魅力的すぎました。
鮎川麻弥さんの歌う『夢色チェイサー』も良かったしな……。

実はそのOPの絵コンテを切ってたのが、
『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』での仕事っぷりからめでたく
『負債』とか『両澤の旦那』とか『福田の嫁の旦那』と言った数々の称号を受け、
何をどう頑張っても汚名返上は難しいであろうと断言できてしまう
福田己津夫氏だったりするのです。
作品にもストーリーボードや演出担当で携わっていましたが、一番の功績はやっぱりこのOPだよなぁ……と。

まぁその福田の仕事が良かったのもありますが、大張アレンジに航空機的描写、ケレン味たっぷりのアクションを見せて
『本編よりもカッコいい』と言われたのが、このOP版ドラグナー1型、通称『バリグナー』です。

放送当初から商品化の希望が多く、B-CLUBからプラモ用の改造(換装)パーツが発売されたりしていましたし、
ホビージャパン誌上では波佐本英生氏による『ヨレたスジ彫り』なバリグナーが掲載されたりもしていました。
とはいえ、まだまだ一般モデラーやアニメファンには敷居の高いものだったのが事実であり、
立体化の希望だけは果てることなく脈々と、いい感じに熟成されてきたわけですが。

で、80〜90年代アニメのキャラクター立体化やアクションフィギュア化が進行している今日この頃ですが、
ものの見事にバンダイがやってくれました。
たかだかOPの90秒にだけ登場した、大張アレンジのドラグナー1型をリリース。しかも魂SPECで。

何この狂気ともいえる商品展開は!?
と叫んだのも良い記憶です。
まぁ当然のように、劇中版ドラグナー1型も間をおかずにリリースされたわけですから、賞賛は充分だったのかもしれませんが……。

ということで。 予約開始直後に予約して、発売当日に家に届いたにも拘らず、
今の今まで撮影してこなかったバリグナーですが、今回やっとこさレビューでございますよっ!!!!!
まずは付属する全部品を並べて漢の浪漫な展開図。
しかし途中から何かワケわかんなくなってきたのが現実だったりしますな!!!!!

メインフレームはダイキャストパーツがふんだんに使われており、重量感が嬉しいです。
このフレームは劇中Ver.のものと共通で、外装(と付属品)が違う仕様になります。
手首パーツも左右で平手・ソード握り手が付属するなど、地味な仕様の部分でも手抜きはありません。
まずは全身をグルリと。
さすがに商品名が『
from ”Opening Silhouette”』なだけあり、バリグナーのスパルタンなシルエットをよく捉えています。
特に肩アーマーの面構成誇張っぷりやフトモモ〜スネアーマーのラインの力強さは特筆モノ。

そして頭部はこれぞ大張アレンジの真骨頂とも言うべき、極端に前方へ伸びたバイザーが美しい。
猛禽類を思わせるシルエットと、正面からではカメラアイが見えないのがポイントです。
ややあおり気味、または左右に振ってやるとカメラアイはハッキリと。
フェイス部は小さく、顎は大きく、カメラアイは小さく……というアレンジで、精悍なイメージが強調されています。

また、劇中ドラグナーでは垂直方向に伸びているイメージのあるアンテナも、左右に角度を付けられています。
やっぱりコレがバリグナーですよねぇ……。
オプション装備はこんな感じで。
レーザーソードは両腰に接続可能ですが、連結状態のツインレーザーソードは別パーツとして付属します。
右:ハンドレールガン  左:シールド

ハンドレールガンはフォアグリップとマガジンキャッチ部が可動。 OPで印象深かったマガジン交換シーンも再現可能です。
シールドは今見直すとガンダムSEEDのフリーダム(ジャスティスも共通)のシールドの原型なのかな。
覗き穴(またはライフルの射撃用穴)が右上部に設けられていますね。
スネの裏側にはコンバットナイフを装備。 抜くのにやや手間取りそうではありますが、ゴテつかずに自然な感じで装備されてるのが良いですねー。
しかしどう考えてもこれが回りまわってアーマーシュナイダーになってるんですよねぇ……。
円盤状の武装はシールドではなくスローイングボム。フリスビーっぽく投擲するタイプの爆弾ですね。エルガイムで言うならSマイン?
レーザーソードとツインレーザーソード。
コレもまたフリーダムっぽいというか、ドラグナーの記号を組んで作られたのがフリーダムなのか……と納得してしまいました。
しかし
いつになってもツインレーザーソードの意義だけは分からない
でもスパロボMXではファルゲンとの合体攻撃が悪夢的破壊力を撒き散らしてくれたのでオッケーです(ぇー)。

あ、あと肩アーマーの内側から生えているグレーで四角いブロックはショルダーボム。 グレネードと同じと考えても良いのかなー。

可動は基本的にかなりシッカリしており、下半身に関しては殆ど文句がありません。
ただ、肩関節がややポロポロと外れやすいのが難点ではありますね。
背部スラスターブロックはこんな感じで。
デフォルト状態だとメインスラスターノズルは隠れていますが、ハッチを跳ね上げて下方にノズルを展開できます。

また、リアスカートアーマーの上部にはサブスラスターからの噴射炎を逃がすための切り欠きが設けられています。
こういうデザインは好印象。
バリグナーで一番特徴的なのが、ガルウイング型のリフターユニット。 下段ウイングも大型ですし、ハッタリの効き方は抜群だと言えましょう。
OPでの発艦シーンは今見てもシビれますが、それに一役買っているのが、このデザインのリフターですねー。
リフターの上部エンジンブロックは角度を変更可能。
あとはガルウイングの主翼が90度スイングすれば、母艦運用に際してのスペース占有問題も解決なんですが。
そこらへんはまぁ別にいい……かな?
主翼は肩より上に配されるガル翼と、腰部に配される直線翼の計4枚。
いい感じの航空機っぽいモールドが盛り込まれていますが、スミ入れ無し、かつグレー以外の塗装なしというコトでメリハリには欠けます。
ガンダムマーカーなどでスミ入れし、翼端灯を赤とブルーに塗り分けてやるといい感じになります。
ただ、翼縁部の厚みだけは如何ともし難い部分がありますねー。
リフターは胸部前面に追加されるブロックとリフター本体とで、ドラグナー1型のボディを挟み込むようにして接続されます。
コレがバリグナーと劇中ドラグナーとの一番大きな違いかな?

劇中ドラグナー(D1カスタム含む)はリフターを付けても、胸部中央のY型シンボルが残ったままなんですよね。
キャラ的な記号をあえて隠したこのカバーユニット、結構好きです。
付属するベースはカタパルトをモチーフにしたもの。 カタパルト部はスライド可能で、位置を変更させられます。
フライングベースに出来る支柱も付属していますが、悲しいことに股間部との接続パーツが大きすぎて、
単なる『浮かせ』ポーズを取らせようと思っても、大股開きになってしまうのがちょっと難点ですね。

また、ベースが無くてもまったく問題なく自立しますので、そんなに重要度が高くない……という現実もあります。

しかしこういう『飛翔シーン』の再現にはいい感じです。
ブラックサレナに付属したものよりも角度変更に融通が利きますし、あとは通常の浮かせポーズが決まってくれれば……。
最後はフリーダムとでも並べてやりたかったんですが家に無いのでSCMのゼータガンダムと。
サイズ的には1/144のプラモと同じぐらいですが、手に持ったときの満足感は両方とも甲乙つけがたいものがあります。
っというコトで、魂SPECのバリグナーでありました!!!!!
今の時代だからこそ商品化されたというか、あの時代に燃えた人たちが現場に行くようになったからこそ通った企画というか。
いずれにせよ、今まででは考えられなかった商品ですよねぇ……。
商品内容も概ね素晴らしいですし、実に満足極まる一品でございました。
こうなってくると大張アレンジのファルゲンは最低限発売して欲しい物でありますが……難しいかなぁ……。

とは言え、カトキ画稿や佐野画稿をベースデザインとして立体化が進む、というのもよくある話。
まだまだ希望を捨てる必要は、無さそうですねー。