いつまで紙の本に付き合わなくちゃいけないんですか?
-電子書籍に完全に切り替えたユーザーの怒りと愚痴をひとまずぶちまけます-
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本文とは全く関係ありませんがLCACの大型プロペラです。
さてさてさて。

皆様今日も元気に読書ライフに励んでおられますでしょうか。
年明けからこちら、出版・編集・作家界隈による電子書籍disの関連ツイートが引きも切らさぬ今日このごろ。
「出版界隈クソツイートオブザイヤー」を決めるべくTogetterにまとめようかな、などと思ってしまったぐらいには楽しい日々を過ごさせてもらっております、さとっちです。今年の目標は「紙の本の敵になります」です。

振り返ってみれば去年買った紙の書籍は15冊ぐらい(同人誌除く)、一方で電子書籍は400冊を超えました。
ほぼ完全に完全に電子版へシフトした身としましては、一連のツイートに対して思うところがある、というよりも、
「何言ってやがんだオメー」という例の画像をそのことごとくに送りつけたくなる衝動と戦う日々なのですが、流石にそれも精神衛生上よろしくない。
いえ、精神衛生上はともかくとしてTwitterの画像をガチャ爆死報告と鴻上会長の「おめでとう」と『魔法科高校の劣等生』のアイコンに加えてポプテピピックで埋め尽くすのは流石によろしくない……ということで、今回この記事を書くことにいたしました。

あちら側が「出版側の都合」「自分たちの業界の怠慢を棚に上げて読者へ不便を強要」で来るならば、こっちは数字とかそんなもん関係なしに「もうこれ以上の本の置き場所がない読書家」としての立場から、『なぜ電子書籍を買う以外の選択肢がないのか』というのをぶん投げていきたいと思います。

なお予め申し上げておきますが、紙の本を一切「良く言う」つもりはありませんし、裏事情も理解するつもりは毛頭無い、という前提でのお話となりますので、紙の本最高ーとか俺は書店文化を守りたいんだーという方は不快な気持ちになられるかもしれませんが、知ったことではございません。
あと自分が言っていることが正しいとも思っておりません。「ただ俺はこう思う」ということを連ねていきます。その点、ご了承ください。
・便利じゃないですか。-なんで不便なものをわざわざ買い続けなきゃならないんですか-
電子書籍、便利じゃないですか。そもそもまず圧倒的に「利便性が高い」じゃないですか。
「書店にない本を読者は買うか」という一連のツイートからのまとめなんかを読んでおりましても「そうなんだ、じゃあ電子書籍買うね」としか思えないんですよ。

Togetter:書店で見つけられない本を読者は予約・注文するか

何軒も本屋を回ってそれでも置いていない本、それほどまでにして読みたい作品があるなら、さっさとその場で電子書籍ストアを開いてポチッとワンクリックすれば(回線速度にもよりますが)1分ちょっとで読めるじゃないですか。
作品によっては電子書籍の配信が紙の本よりも2ヶ月遅れる(集英社系コミックスのことですね)とか、
紙の本より1ヶ月遅れて電子特別版を出す(カドカワ系のことですね)などもあるので一概に「早い」とは断言しきれませんが、それでも「あるかないかわからない本を探して何軒も書店を回りそれでもなかった」という、率直に言って時間の無駄を得なくても済むわけじゃないですか。
僕が読みたいのは「作品」であって、「紙に印刷された作品」ではなくても構わないのです。

その本を1冊探すためだけに足を棒にして何軒も書店を回ってそのたびに平台を探し、縦刺しの棚を探し、
店員に聞いてバックヤードで調べて戻ってくるのを待って、という時間を費やし、脚と目の疲労を貯めるぐらいなら、
コーヒー飲みつつ電子書籍ストアの関連商品などから「あ、これ面白そう」と思う本をついで買いするほうがよほど充実した読書ライフを過ごせると思っています。

また、電子書籍否定派の方々が言われる
・「ストアのサービスが終わったら読めなくなるものにお金払いたくない」
・「所有してるわけじゃなくて読む権利にお金を払うのはイヤ」
・「手元に持っておける紙の本の方がいい」
という話につきましては、
「そもそも紙の本をいつまでも永久に保有し続けられるんですか?」という言葉をお返しします、ということで、次の項目です。
・そもそも紙の本を置く場所がないのです。-空間コストとの戦い-
僕の家は幸いにと言うか父母ともに読書家で、もともとかなりの本がありまして。
中には結構貴重な本があったり、貴重でなくとも「重版されてる様子もなく電子書籍もリリースされていない」という海外作家の本が残っているんですね。
それに加えて自分の買ったお気に入りの作品である小説とコミック、資料本などがガッツリと本棚を固め、クロゼットの中には23年分の『月刊ホビージャパン』と10年ちょっと分の『モデルグラフィックス』やその関連ムック、ハウツー本が鎮座しているわけでして。
特にその中でも「お気に入りの作品である小説とコミック」については基本的に全巻揃っているんですけれども、それらの作品は例外なく、数々の戦いを経てきているわけです。
その戦いとはつまり「本棚のスペース争奪戦」であり、「手元にどれを残しておくべきか」という厳しい取捨選択の果て、空間コスト奪い合いの生き残りなんです。

わかりやすく言うなら
「100冊しか入らない本棚に、101冊目は入れられない」「本棚に何かを入れるには、すでにある本を捨てなくてはいけない」「その取捨選択の戦いに勝ち残ってきた本だけが今の本棚に存在している」

読者の本棚も、保管スペースも、床面積も、無限ではありません。有限です。
その中でお気に入りの本は残したい。面白かった本も残しておきたい。もう読むことはないだろうけれどこれは青春時代を支えてくれた作品だから残しておきたい。
そんな思い入れのある作品「だけが残った」今の本棚。そんな作品たちがガチッと場所を押さえている本棚。
新しい本を紙で買う、というのは、「自分の本棚にある作品との戦い」になるんです。
1冊を入れようとすれば1冊がはじき出される。厚みによっては1冊買うと3冊がはじき出される。
そんな中で新しい本を買うのか、というと「よっぽどのすごい作品か、絶対に電子書籍が出ない作品」「印刷品質が命の書籍」だけになりますね。
実際、去年買った紙の本は「これは電子書籍だと絶対に解像度・色再現性で勝てない」図録や画集、資料本ですしね。

今の書籍(紙)が戦ってるのは消費者の購入意欲ではあると思いますが、その購入意欲は「過去にあなた方が出してきた作品」によって培われた読書習慣・本を買うという習慣によって支えられている一方、
「過去にあなた方が出してきた作品・時代を超えて残る名作があるからこそ、新しい紙の本を買えない」という状況を招いているんですよ。

その一方で、電子書籍であれば、購入時の競合要素を「同時期にリリースされている作品・話題になっている作品からどれを買うか」という部分にのみ絞ることが可能。
「空間」「置き場所」に制約されず、好きな本、気になる本をポンポンと(お財布が許す限り)買えるわけですよ。
読み終わった本を古本屋に持ち込んで二束三文でたたき売る必要もない。
古本屋に売られた本を買った人が「作者に一銭も入らない」形で読むこともない。
ストアがサービス終了しようと、今の流れなら絶対にどこかのサービスが引き継いで(顧客をまるごと受け入れる形で)読書可能な状況は継続されるはず。

いいじゃないですか、これで。何がいけないんでしょうか。

「無限に広がる本棚」「絶対に抜けない強度の床」「自動で分類整理収納してくれる収納ロボット」などがあるならば紙の本を買うのもやぶさかではありませんが、現状なら電子書籍を買う以外の選択肢はありません。

あ、あと「紙の本だけで出しますよ!!電子書籍は出しませんよ!!!」というスタンスを貫いていれば流石に電書ユーザーも紙の本を買うだろと思われるかもしれませんが、買いませんよ?他の本を買いますよ?
いずれどこかのタイミングで作者なり出版社が折れて電子書籍をリリースするであろうことがわかってるのに、わざわざ紙の本、買いませんよ?それなら他の、「話題になってて電子書籍も出てる作品」を買いますよ?
電子書籍を出さないうちにアニメが終わりブームも去っていつの間にやら人気シリーズが終わっても「へー」で終わりですよ?その本、購入候補に入らないというか、「実質的に僕の視界には存在していない」ので。
買うとすればそれは「電子書籍が普及する前から紙で買い続けてた作品」か、先述のように「絶対に電子書籍では追いつけない解像度と色再現性を実現できる画集、図録、資料集」です。お生憎様ですが。

まぁこの姿勢のおかげで東野圭吾・宮部みゆき作品を読まなくなりましたが、他に面白い作家さんを見つけることにもなりましたので、全く何不自由しておりません。はい。
・試し読みは便利ですよ?-書店シュリンク問題との決別-
電子書籍でめちゃくちゃ重宝しているのがもう一つ、「試し読みができる」点。
一般文芸書籍はともかくとして、コミックやラノベに関しては現状、ほぼ100%と言ってもいい度合いで、書店(書籍売り場)の店頭ではビニールシュリンクがかかってて、中身、読めませんよね。
一方で電子書籍、試し読みができるんですよね。8Pとか16Pとかその程度ですけど、ほぼ全巻。

「ずっと読んでるわけではない、ちょっと気になった本」「友人知人からオススメされた本」を買おうかな、と思った場合の判断材料、ちょっと書いてみますね。

・書店での判断材料:表紙・裏表紙・背表紙・(あれば)帯・(あれば)試し読み用冊子・(あれば)販促POP・(あれば)手書きPOP

・電子書籍での判断材料:表紙・試し読み部分(8P〜1話・1巻まるごとまで様々)・ユーザーレビュー


要素としてはリアル書店店頭の方が多いようにも思えますが、試し読み冊子もPOPもない書籍の場合、
確実に得られる判断材料は『表紙・背表紙・裏表紙』の3点のみ。
しかも
一部レーベルのライトノベルではあらすじを『表紙の折り返し部』に掲載しているので、どんな内容なのかさっぱりわからない、ということが多々あります。
エンブレムとISBNしか無い裏表紙を見て何を判断しろと言うんでしょうか。電撃文庫、お前のことだ。
帯だってタイミング次第ではフェアのことしか書いてなかったりしますしね。何の役にも立たないよね。
書店の店頭で延々と立ち読みをする客ですら無い客をどうにかするための苦肉の策ではありましょうけれども、
あまりにも判断材料がなさすぎる。一般文芸と比べてなんですか、この差は。

一方の電子書籍、1巻だけじゃなくて2巻3巻、10巻だろうと20巻だろうと試し読みができるんですよね。
「面白いとは聴いたけど1巻の絵柄だと微妙だなぁ……」と思っても、3巻ぐらいの絵柄見たら「あ、いけるわ」ってこともあるわけですよ(実体験として)。
ラノベの場合でも文体が分かりますし(文体が合う合わないは大事です)、初めて知った・触れた作品を買う材料としてはもう、本当にありがたい限り。
片方でこれだけの「便利さ」を提供しておきつつ、紙の本ではそれらの判断材料がほとんどスポイルされたまま、というのはやはり……買うなら判断材料を提供してくれてる電子書籍で、ってなりますよ、そりゃ。 
・売るだけ売っといて「作品の継続にはマイナス」はひどくない?-読者はそんなもん知ったことじゃない-


そもそも「電子書籍を売ることを決めた」のは出版社ですよね。作者も了承したから電子書籍が出てるんですよね。
電子書籍の売上はちゃんと企業の売上として計上されているわけですよね。
なのになんでその電子書籍の売上を「作品継続の評価軸に組み込まない」のか。
と言うか売るだけ売っといて、買った客を「マイナス」ってどうかしてるでしょう、頭。

ちゃんとお金を出して買っている、という立場では等価(少なくとも購入側の気持ちとしては)である「紙のユーザー」と「電子書籍ユーザー」を、片方だけ優遇し、片方は冷遇どころか「マイナスだから」と切って捨てる姿勢。
いやぁ清々しいですし、そういう姿勢を取る出版社、あるいは編集者や作家が関わっている書籍はもう買わなくてもいいんじゃないの?という気持ちにしかなりませんよ。

電子書籍のサービス(特にKindle)がスタートしてから早5年。
5年経過してなお「電子書籍の売上を作品の継続判断基準にしない」「新しい仕組みを作るにはコストがかかるから」と言い放つのは、単なる出版社の編集・営業・経営陣の無能と怠慢です。
そんな裏事情をいちいち読者に押し付けてくるな。

むしろ「電子書籍がどれだけ売れても作品継続の目安にはしません!!」というなら、各ストアでの電子書籍の説明部分にその旨を記載していただきたい・もっと言うならそもそも出さないでいただきたいですよね。
そうなればこっちは何の気兼ねもなく、「この作家さんの作品を早めに買おう」とか思うこともなくて済みますし、
ちゃんと発売後○日・○週間の間の電子版の売上も判断材料にしてくれる作品を優先して買おうと思えますし。

「電子版を買う読者がいるから作品が売れねえ」と本気で思っておられる出版社の編集の皆様、営業ご担当者の皆様がおられましたら、そのへんの明記とご配慮を何卒よろしくお願いいたします。
多分それが双方一番ハッピーになれる方法だと思います。
・生態系の保護って何?-守られるべきは作者であって今の業界じゃないよね-


電子書籍がメインになると街の書店が潰れるだの出版社や作者の関係が崩壊するだの街の本屋を守れだのを「生態系の保護」と表現しているツイートも流れてきましたが、そちらがそう言うならこちらはこう言うしかありませんよね。

適者生存である、と。

スペンサーが提唱しダーウィンの進化論にも強く影響を与えた『適者生存』という考え方。
結局変化し続ける環境の中では「その環境に最適化した個体が生き残る」わけじゃないですか。
最強の捕食者が必ずしも生き残るわけではない。環境に適応した繁殖方法、遺伝形質を持つ個体を抱えた種が生き残る。
そして人間は(一応)知恵という物を持っており、生き残るための方法を考えることができるんですよ、本来。
自然界の中では適者生存というよりも「自然選択」ですけれども、人間社会では「自然選択」されるだけじゃなくて、生存・繁栄可能な個体になるために考えて行動する、自ら能動的に環境変化させる事ができるじゃないですか。

……まさかその変化の中での『生き残るための方法を考えた結果』が、
読者の情に訴えて旧態然とした売り方と買い方を押し付けてくるだけと言うものになろうとは想像すらしておりませんでしたけれど。
おかげでこちとら「業界一回滅べ更地になれ」とこの2017年になってから10回以上思わされております。
自ら業界の消費構造に変化を取り入れて環境構造を大きく変化させたはずなのに、「旧来の生態系を守れ」「その変化を読者は受け入れるな」と消費者サイドに向けて平然と言い放てるのは、まぁ本当、言いたくないけど
脳みそどうかしてるんじゃないでしょうか
まぁこの人は作家のようなので「変化に巻き込まれた」側なのかもしれませんが。頑張ってね。

そしてもう一つ付け加えるならば、作家を殺しているのは結局今の仕組みに固執して「発売初週の土日の売上だけで作品の継続と打ち切りを判断する」などを平然と言い放ち、多くの作品を殺している編集部、営業部、そして出版社だと僕は考えています。
だってもうそんなの、口コミの入る余地、無いじゃないですか。読者には「感想呟いてな!Amazonにレビュー書いてな!!」って言う割に、そのへんを見てから買う人の消費行動、作品継続に全然関係ないじゃないですか。
そんな中で初動を出すのが大事です!!!!!!って言われましても、
「あぁなるほど、僕らが今のこの出版社側の初動変調に乗っかり続ける限り、このクソみたいな初動変調の流れは終わらなくなるわけですね」
「自分の観測範囲外の作品についてはどんどん死ぬ速度が上がっていくわけですね」

としか思えないわけですよ。

で、その「ほら初動が悪かったせいでお前の好きな作品は死んだぞガハハハハ!!!これが嫌なら次にお気に入りの作品を買う時は死に物狂いで紙の本を買うんだな!!!!!」って言われましても、「あ、じゃあ良いです。昔買った積み本を消化しますね」としかなりませんよ、本当。脅されながら読む本なんて面白くないでしょ?
時代の変化についていけずに出版業界が滅んだとしても、現代のライフスタイルに合致する戦略を立てて実行できた出版社が生き残ったり、全く新しいスタイルの出版社が出てきたりするでしょうしね。悲観するほどの話でもありますまい。
・応援したいなら○○しろ、と言われましても。-エスカレートし続ける要求はもういいです-
最後になりますけれども、「作者を応援したいなら」「作品に続いてほしいなら」という建前で、
半ば脅しをかけるようにして提示される「ほらこれをすると良いよ」の数が増えすぎてそろそろゲップが出そうです。

以前もTwitterに上げましたが、
・作者を応援する方法その1:「新刊発売1ヶ月前に街の小さな書店で予約して発売初日か翌日に買い、買うに際して全く利用していないAmazonへ高評価レビューを書き、SNSでも評価を発信し、ブログでも採り上げ、手書きのファンレターを編集部に送り、年賀状も編集部宛で送る」

・作者を応援する方法その2:「書店へ行ってお目当ての本がなかったらその場でAmazonやhontoやヨドバシの通販を開くことなく、店員に問い合わせて取り寄せを頼み、1週間後にやっと来た本をわざわざその取り寄せ依頼した書店まで行って買ってまた帰ってくる」
 
……めんどくさくありません?率直に言って「んなもんやってられっか」じゃありません?
そのうち「金額部分に記入していない小切手を作者へ贈れ」とかにまで要求発展しそうじゃありません?
これらの方法を推奨される作家や編集の方々に於かれましては、決して通販を使うことなく書店を回りお目当ての本がなければ店員つかまえて取り寄せ依頼を出し、読みたいときにすぐ読める環境に背を向けて、取次の倉庫やチェーン店の他店在庫が回ってくるのを待っておられるのかと思うとあまりの徳の高さに昇天しそうなんですけれども、あいにくと僕はそこまで高い徳を積むことなんてこれっぽっちも考えておりません。

書籍を買う・読むことへのハードルを下げたのは、出版社側です。
Amazonが悪でも善でも知ったことではありませんが、そのサービス利用に乗っかったのは、出版社側ですよ。
そして僕はその下がったハードルを歓迎して、本を大量に読むようになりました。
電子書籍がなければ、昨年買った本は1割……40冊ぐらいになってたんじゃないでしょうか。通販がなければ更にその半分だったんじゃないでしょうか。

それだけ利便性を向上させておきながら、「作品を応援したいなら紙で買え書店で買え発売2日以内に買え」と言い放つ。
一度下げたハードルをわざわざガンガン上げて、旧態依然とした評価システムに挑ませ続ける。
それだけやっても初動が悪かった作品は打ち切られる。わざわざ高いハードル超えて出した手書きのファンレターも作品継続にはつながらない。

僕がその高いハードルを超える・そもそも挑むことは幸いにも一度たりともなかったんですけれども、
正直そんな仕打ちを立て続けに食らってなお「実店舗で買います」「発売2日以内に買います」「手書きのファンレターを出し続けます」と言い続けられる熱心なファンがそんな数多く居るとは到底思えません。絶対どっかで折れます。
高い犠牲を払って応援した人にこそ、打ち切りのダメージが強くのしかかる。そんなシステムでいいんですかね?

「よりめんどくさいことをやってくれた人の方を評価したくなる」のは人情としてはわかりますけれども、
その一方で電子書籍をリリース初日に買い、感想をツイートし、周りの人へおすすめしている「普通にその作品をちゃんと好きな電子書籍ユーザー」が、変な引け目を感じっぱなしの状況が続いて、それでいいんですか?
・最後に。
……とまぁ、色々と書いてきましたが、このあたりにしておきます。

「店の経営が危ないので新メニューを作ったよ!!みんな食べに来てね!!」と言っておきながら、いざ客が店に来てそれを注文すると
「それ頼まれても赤字やねん。店の経営にとってマイナスやねん。注文されるだけ迷惑やねん。だからお前いつものマンネリでうまくもないメニュー頼めや俺を殺す気なのかお前ついでにそれ食ったら客の呼び込みとチラシの制作も無料でやってくれや」と、食べてる横で延々と店主が愚痴る料理店。
そんなもん知らんがな、だったら採算取れるメニューを出せ、それが出来ないなら潰れてくれ、と思いませんか?
そんな店にこの先ずーっと行こうって思えますか?他にもっと美味しいメニューを出す、ちゃんと赤字じゃない新メニューを出す、あるいは赤字でもそれを表に出さない料理店が、他にたくさんあるのに。

そういうことをずーーーーーーっとここ数年間続けてる出版界隈、正直なところ頭がどうかしていると思いますし、
ここまで毎年毎年言ってることが変わらないとなると、もうそんな裏事情を斟酌してやる必要も感じません。
変化の中できっちりその変化を前提にして成長、あるいはキレイな撤退戦を決めていただきたい。
こっちにそっちの裏事情を押し付けて来るような真似は、しないでいただきたい。
電子書籍に完全に移行したユーザーとしては、ただもうその言葉しかありません。