『機動警察パトレイバー』REBOOT版の発表を喜びつつ、、 『シン・ゴジラ世界から連なるパトレイバー』の可能性を考えてみた。 |
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更新日:2016年8月4日 | |||||||
・全く予想外のタイミングでパトレイバーのREBOOT企画が発表されてしまいました。 ・機動警察パトレイバーREBOOT公式サイト: ・劇場上映・イベント情報 - 日本アニメ(ーター)見本市: スタジオカラーの『日本アニメ(ーター)見本市』企画の一環として制作され、10月15日から1週間限定で劇場上映となるようです。 1980年台に考えられた『1990年代末の日本』を舞台として、『ハイパーテクノロジーの急速な発展とともに、あらゆる分野に進出した汎用人間型作業機械「レイバー」』が生み出した事件や脅威を相手取る警察内の一組織に集まった主人公たちの活躍や苦難、内輪もめなどを描くのが『機動警察パトレイバー』という物語。 そして『劇場版2から10年後の、三代目特車二課第二小隊員たち』を主人公に据えたのが押井守監督による実写版『THE NEXT GENERATION パトレイバー(以下、TNG)』。 特にTNGでは「すでに時代遅れの遺物となりつつあるレイバー」がコレでもかと描かれていたのが大変楽しく、その着地点はともかくとして「アニメ・漫画版パトレイバーから連なる未来」を描いた作品としては大変『アリ』だったと思います。 |
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そして昨年5月にTNGパトレイバーの長編映画も終わり、『テレビ・漫画・劇場版のその後をTNGでやりきった』ことで、 今後は懐かし作品枠として残っていくのかなぁ……と思っていましたらあなた。完全新作ですよ!!! ![]() 短編予告も公開されていますが、非常に良い『パトレイバー』感でありまして、いやぁこれはワクワクするな……! 山手線の線路上を緊急列車で輸送されるイングラム(とレイバーキャリア)というのは今まで一度も描かれなかった『景色』ですし、今現在の映像技術と解像度で描かれる『市街地でのレイバー戦』も良い感じです。 ![]() 地面に立つ人間の目線の高さから見上げるイングラムとブルドッグの戦闘も迫力が良いですねぇ。 ![]() ざっとチェックした感じ、イングラムは右肩の第二小隊エンブレムが初出デザインかな? あとは基本的にTV版準拠のデザインで、指揮車も98式レイバー指揮車が使われているようです。 さて、ここで気になってくるのが「これいつの時代の特車二課の話なんだろう」という辺りでしょうか。 ・スタジオリッカ:短編『パトレイバーREBOOT』を制作しました 本作の監督(と共同脚本)を担当する吉浦康裕さんのサイトですと、「キャラクターを一新」とあるので、 今までの作品とは完全に切り離された「これが新しい初代特車二課の物語」なのかな、とは思うんですが、 ひとまず『TV版〜劇場版2の間にREBOOTのキャラが入り込む余地があるか』を考えてみましょうか。 |
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劇パト2以前の時系列に関しては押井守の手による小説『TOKYO WAR』が、今のところ一番『テレビシリーズ〜劇場版第2作目の間に何が起きていたのか』をしっかりと明確に描いていますので、これをチェックしてみましょう。 ・Amazon:押井守 TOKYO WAR MOBILE POLICE PATLABOR(単行本) 『去年の秋、何の前触れもなく特車二課第二小隊を襲った人事異動の嵐によって、野明と遊馬は本庁に新設された装備開発課に転出していた』(TOKYO WAR 31Pより) 『98式AVから2式へ。人事異動と同時に実行された特車二課の機種転換によって、第一線を離れた旧第二小隊の機体はこの八王子工場に送り返され、現在はデータ収集用の実験機として活用されていた』(TOKYO WAR 33Pより) とありまして、押井守の関わるパトレイバー世界では『イングラムが第一線を離れるのと初代の特車二課第二小隊隊員たちが小隊を離れるのは同時』となっています。 こうなると、REBOOTの予告編に登場している「新しいキャラクター」「イングラムの搭乗者」は、 仮に野明たちの後輩(いわゆる『二代目』)であったとしても、イングラムに乗る機会は事実上無かったはず。 ということは、やはり後藤隊長や泉野明・篠原遊馬といった『第二小隊の初代隊員たちがいた世界』ではなく、 完全なリブートで、コレが『新しいパトレイバー世界の、初代隊員たち』という作りになるのでしょうか。 そう考えると、公式サイトにも載っているしPVでも聞こえる「僕たちは、ロボットアニメの主人公じゃない。法令遵守。街と人々を守る警察官なんです」の台詞もまた趣深いものがあります。 初代の第二小隊の隊員たちは曲者揃い、警察の中でも『せいぎのみかた』としての役回りが強かったですし、 TNGでの『三代目』の隊員たちは僻地送りの役立たず、無能とまで呼ばれたメンツばかりで、やってる内容も法令遵守などとはかなり程遠いものであり……。 方向性は違えども、警察組織の中にあってもなお『独自の動きを取る組織』としての描かれ方をしてきた特車二課・第二小隊のテイストが、ついにこのREBOOT版で払拭されて「警視庁のおまわりさんの話」として描かれるようになる、というのは、本当に『今まで無かった描き方』ですしね。 で、じゃあ「キャラクターを完全に一新」したと考えますと、年代はどうなるでしょうか。 予告の映像中からヒントを拾いますと、予告編での駅のホームで見られる一般市民の女性がスマホらしきものを持ち、 指揮車(あるいはパトカー)の内部にタブレット端末がある、というのも2010年台の景色という感じ。 なので『舞台を2010年〜2020年台に設定した物語』、と見るのが妥当なところでしょうか。 山手線のホームにある看板などで、年代が特定できる可能性もありますが、そのあたりは流石に専門外なので誰か詳しい方がおられましたらば……。 もし仮に年代が2010年台(以降)だとしますと、東京五輪を契機にレイバーが普及した世界……?それとも1980年台から派生した、レイバーが普及した2010年台になるのでしょうか。 「98式AV」という名称を維持しつつ、「最新鋭の警察用レイバー」という設定も残すならば、1998年という設定のままにするべきなんですけれども……さぁどうなるかなぁ。 ともあれ、果たしてこの『パトレイバーREBOOT』ではどんな形で「今の日本におけるレイバー」を描くのでしょうか。 いやまぁ予告編見る限り相変わらず「この税金ドロボー!」って叫ばれてるのは嬉しいんですが(笑)。 しかし問題はこれが10分アニメと言う辺り……(BDには30分の特典映像も収録されますが)。 あんまり深い物語は描かれないかなぁ、という予想も出来ますが、願わくばこれを見終わったあとに「パトレイバーもう一回やりましょうよ!!!!!」という動きが巻き起こるぐらいの良いものであらんことを。 ……しかしこの、参加メンツを見ておりますと、「押井さんがちゃんと話を通さずにTNGやったんだから俺らは俺らで押井さん抜きでパトレイバー作ろうぜ!!」感が実に味わい深いですなぁ(熱いお茶をすする)。 |
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……で、上記は『シン・ゴジラ』を見る前の感想だったわけですが、庵野秀明総監督・樋口真嗣監督により作られた映画『シン・ゴジラ』を見てきた今となりますと、ですね。 「シン・ゴジラ世界から連なるパトレイバーREBOOT」というものを夢想せざるをえないのです。 ・映画『シン・ゴジラ』公式サイト |
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先にも書いたとおり、パトレイバーという作品では『ハイパーテクノロジーの急速な発展とともに、あらゆる分野に進出した汎用人間型作業機「レイバー」』と説明こそされているものの、そのハイパーテクノロジーなるものは一体何なのか?という点について触れられていなかったんですよね。 しかし今回の『シン・ゴジラ』を見ますと、あの後の作品世界ではゴジラの研究によりエネルギー関連技術が大きく進歩することになる一方で、壊滅した東京の復興は急務。 更に言うならば「今後、海岸線からゴジラの上陸を阻止する」プランの策定も、否が応でも進めざるを得なくなると思うのです。 『ゴジラVSビオランテ』の世界で、84年版ゴジラの出現を前提とした対策立法が行われていたり、警戒レベルを第4段階まで設定されていたりするような、「今後あるかどうかわからないけれど、備えておく必要が出てきた世界」の行政方針として、当然の行いとして。 となればですね。 やっぱり『バビロンプロジェクト』だと思うわけですよ。 ゴジラの研究により発展したエネルギー技術を産業利用するとともに、ゴジラの湾内侵入や上陸を阻止するための大堤防建設を進める『バビロンプロジェクト』が発足。 そしてバビロンプロジェクトをすみやかに完成させるための機材として、汎用人型作業機械である『レイバー』が登場。 しかしそれはレイバー犯罪の発生を生むことともなり、警視庁警備部はレイバー犯罪を取り締まるために『特車二課』を創設、希望に燃える若き警察官たちが海のものとも山のものともしれない部隊へ配属された……どうでしょうか。行けるんじゃないでしょうか。 シン・ゴジラ後の復興を果たす東京、そこで躍動するレイバーたち。 埋立地の僻地送りではなく『最前線』として山手線の円内から出動し、東京都内で活躍する特車二課。 愚連隊同然のメンバーが「せいぎのみかた」として動くのではなく、普通のおまわりさんが「法令遵守。街と人々を守る警察官なんです」と言いながら、レイバーに乗ってレイバー犯罪・レイバー事故の対応に当たる物語。 でもどこかで「怪獣が上陸しようとしてきたら警察はどう対応する?」というプランを抱いて研鑽に励んでいる物語。 そんな『WXV 機動警察パトレイバー』の世界にあるような物語を見てみたいなぁ、と夢想せざるをえないのです。 今回のREBOOTのアニメーション制作は、シン・ゴジラにも深く関わったスタジオカラーですし、ね。 しかしこれまた上記の通り、「今回のは10分アニメですよ」というのがネックになるので、やっぱりそこまで深くは語られないんだろうなぁ、と思うところもありまして。 果たして今回のREBOOTから繋がる『何か』があるのか?それとも単なる単発企画になってしまうのか? どちらにせよ、ひとまず一週間限定の公開には足を運んでこの目で『新時代のパトレイバー』というものを確認するしかないのですが……!! |
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