ファーストクラス 1/8
シャイニング・フォース イクサ シリル オリーブネコミミVer.
さてさてさて。

もはやフィギュアを制作した原型師や、発売元のメーカー指定買いが当たり前になってきている今日この頃。
とはいえ、大手メーカーばかりが市場を席巻すると、業界自体がどうしようもない閉塞感に襲われてしまうのもまた事実。
そんなワケで新規参入するメーカー・ブランドについては応援したくもなりますが、やはり新規メーカーとなると、
フィギュア製作に対するノウハウの蓄積度合いがまったく違うのもまた事実。
故に、買う側からしますと『応援したい』という気持ちと『不安が大きすぎる』という相反する意識にさいなまれるのですが、
それでも吶喊しないことには新規メーカーの命脈が断たれてしまう……というイヤな強迫観念もありまして、とりあえず突撃しちゃうワケですね。

そんなこんなで今回はファーストクラス(余談ですが、検索で辿り付くのが物凄く大変でした)の第2弾となるシリルさん。
『シャイニング・フォース イクサ』をプレイしてないわ新規参入メーカーだわで、何で買ってるんですかさとっちさんと自問自答したくなりますが、強いて言うならノリです(ぇー)。
まずは全身を……と言いたい所なんですが、先に注意事項というかチェックポイント。
右半身へ体重をかけたポージングで、高さもある立体物である一方、ベースの接地面が小さいということもあり、結構倒れやすくなっています。
また、下半身まるごとPVCで成型されているため、夏の暑さが非常に怖い……というか、右の画像を見てもらうと分かりますが、
ガッツリ傾いてきております
おかげさまで撮影しようと思ったらこれがまぁ倒れる倒れる。
ってなワケで、ベースの下部には今回、撮影用に円形ベースをくっつけています。具体的には両面テープで。
っということで、今度こそ全身をグルリと。
パッと見た感じだと悪くは無いんですが、先述したように暑さで傾いてくるので夏場は注意が必要です。

造形はかなり良い……と言いたいところですが、コートの表面処理などはかなり粗い感じ。
この辺りの取り組み姿勢は、やっぱり大手メーカーと新規参入メーカーとの違いといったところでしょうか。
通常版だと自信ありげな笑みですが、このネコミミVer.は頬を染めて恥じらったような表情になっています。
前髪ともみ上げが顔を覆うようになっているので、ちょっと暗く見えますね。
また、顔の色は塗り肌ということもあり、生気に欠ける感じ
ここもまた大手メーカーほどのノウハウ蓄積が無いためか……。 肌色の成型色は難しいですからねぇ。
このオリーブネコミミVer.の商品タイトルにもなってるネコミミパーツは完全別パーツ。
脱着可能です……というか、載せるだけになっているので保持力はほぼゼロ。
ここはもうメーカーの手抜きも良いところで、磁石接続とか髪の毛パーツの互換にしておくべきだと思います。
ってことで、ネコミミを外した状態で。 通常Ver.とは表情が違いますが、髪の毛の造形はまったく同じ。
……通常Ver.に頭部をもう一個同梱してコンパチにすれば良かったんじゃないかと思うんですが。
ぶっちゃけコッチのバージョンは対流通のサービスみたいなモンですね……。

髪の毛の造形は結構ダルくて、前髪はもっとシャープに作って欲しいところ。
また、髪の毛はパーツごとに分割されていますが、その分割ラインが目立つのもまた悲しいところです。
左肩に載せている小動物は、接続ポイントが髪の毛側。
なので、取り外しても腕などにダボは残りません。 でもどうせなら磁石接続にして欲しかったなー。
小動物の尻尾部分割ラインが結構目立つんでこれもまた残念ポイント。
左手に携えている書物は別パーツ。 左手の平にあるダボで接続します。
巻いてあるチェーンは完全に別パーツとなっており、メーカーからの指示書には『パッケージなどを参考に巻きつけてください』と書かれています。そのワリに引っ掛けるポイントなどは一切無いのが不親切極まります。
こういうところで『ユーザーフレンドリーではないメーカー』という烙印を押されるのはアホくさいと思うんですが、
現にファーストクラスの姿勢がこうですからねぇ……むぅ。
上着の腰元にある金具から背中の方へ回りこむチェーンはこれまた別パーツ。
チェーンの両側にある丸環リングをニッパーやペンチで開いて、衣装側にある輪っかに引っ掛けます。
……これがまた面倒なんだよチクショウ……。

でもこの脚周り腰周りはなかなか良い造形ですねー。 ここは素晴らしい。
背中側の丸環リングを通すポイントは小さいため、結構苦労します。
シリルさんおっぱいはかなり良い感じで、衣装のピチパツっぷりもなかなかに。
でも塗り分けは少し荒くて残念ポイント。
でもここまでダメな点が結構出てくると、おっぱいおっぱい言って騒ぐほどのテンションにはならないので今回は自粛。
脱衣とかそんな素敵ギミックは搭載されていませんが、ちゃんとぱんつは作りこまれているようで。
でもどっちにしてもこのアングルでしか見えないんですよね……後ろからだとコートの裾が邪魔で邪魔でorz
しかしこのオーバーニーソと白ミニスカと白ぱんつのコントラストは良いですな良いですな!!!!!
最後は同じ『シャイニング』シリーズでありながら、『シャイニング・フォース』とはまったく違うベクトルで盛り上がりまくっている『シャイニング・ウィンド』からエルウィンさんと。
こうやって並べると新規参入して間もないメーカーと、業界内で確固たる地位を築いているメーカーとの技術力の差を強く感じますねぇ。
肌色成型色についてもそうですし、塗り分けの精度や造形のシャープさも。
とはいえこの段階で見切ってしまうと新しいメーカーが育って来ず、業界の活気も失われてしまうので注意が必要。
某タキほど絶望的にダメな印象は受けないので、少し温かい目で見守っていこうかなーと思います。

特に今回のは『造形は良いんだけど仕上げと塗装が惜しすぎる』というパターンですから、ここを克服すればまた大化けするかもしれませんし。さて、次の『片桐優姫』はどうなるかな?