『ファーストクラス 1/8 シャイニング・フォース イクサ シリル オリーブネコミミVer.』
が自立しなくなったので、メーカーへ問い合わせてみました。
さてさてさて。

先日レビューしました『シャイニング・フォース イクサ シリル オリーブネコミミVer.』ですが、
開封3日で早くも自立しなくなる
というやや予想外の展開に襲われることとなりました。
いえまぁいずれ傾くだろうとは思ってましたが、まさか3日とは。
というか開封初日からやや怪しかったことを考えれば3日でもよく保った方というべきでしょうかゲフン。

とはいえ、さすがにちょっとこれはどうか……ということで、ファーストクラスへ問い合わせてみました。
傾き対策を怠っている点と、ついでにネコミミパーツの固定方法に関する疑問など、
シリルについて感じた問題点に対する質問と、次回以降の商品に関する取組み・対応策などについてです。

なお、今回のメールにはさとっちの本名やら住所やら電話番号(問合せの際の必要事項でした)を記載していますが、
さすがにそこまで載せるのはちょっとマズいので、一部省略したり名前を【さとっち】で統一しております。
あらかじめご了承下さい。
また、読まれる片に注目いただきたい部分に関しては、こちらの判断でフォントをいじっております。
【件名:購入製品に関する問合せ】 2008年9月11日 23:52

ファーストクラス 製品サポートご担当者様
 
 
初めてご連絡させていただきます。
フィギュアレビューサイト『.30CAL CLUB』を運営しております、さとっちと申します。
 
このたび貴ブランドより発売された『シャイニング・フォース イクサ シリル オリーブネコミミVer.』
を購入し、レビューさせていただきましたが、本商品に関してご回答いただきたい点があり、
ご連絡させていただきました。
 
(.30CAL CLUB内 当該商品レビューページ)
 
私の購入した商品ですが、開封から3日で脚部の変形により、フィギュア自体が自立しなくなりました。
パッケージ裏面には確かに
『材質上の変形により、自立に支障をきたす場合があります』
『商品が変形した場合は、ドライヤーや熱湯で加熱すると元の形に戻ります』
と記載されておりますが、そもそも『変形して自立しなくなること』を前提とした、
こういった記載に関しては、正直なところ貴ブランドの立体物へ対する取り組みに
疑問を感じざるを得ません。
 
開封して自立させた状態で2〜3日放置すればすぐに判明する問題の解決を
ブランド側で行わず、ユーザーに丸投げするという姿勢はいかがなものでしょうか。
他ブランド・他社で行われているような、下半身・脚部をABS成型部品に置き換えるなどの処置を
とるという考えは無かったのでしょうか。
変形による自立への支障を排除する取り組みという考えは無かったのでしょうか。
 
正直、本商品への期待度が高かった分、貴ブランドへの失望感は非常なものです。
同様に、ネコミミパーツに関しても固定に関して何も考えやポリシーが感じられず、
『あってもなくてもまったく同じ』だとしか思えませんでした。
 
完成品フィギュアに関しては新興ブランドであるということもありますし、
できることならレビューなどを使って応援し、完成品フィギュア業界の活性化にささやかながらも
尽力できればと思っておりますが、このままではダメブランドの烙印を押さざるを得ません。
今後の商品ラインナップを見ますと楽しみなキャラクターが控えておりますし、
より良い商品展開と製品作りを行っていただきたいと思います。
 
現実に開封3日で自立しなくなったという事実を踏まえ、上記のレビューの補足として、弊サイト閲覧者の皆様に対し、
『商品自立の不能化』を報告させていただきます。
何しろ次回リリースされる『片桐優姫』につきましても、
下半身までPVC成型であれば、確実に自立不能となることは一目瞭然ですから。
弱小とはいえレビューを行っております立場上、閲覧者の皆様へ不都合となる情報を隠すわけにはいきませんので。
 
今回のシリルにおける自立支障問題に対する御社のお考えと、
次回以降の商品に関する取り組みに関して、お返事をくださいますようおねがいいたします。
 
なお、本件につきましては弊サイト『.30CAL CLUB』内にて、閲覧者の方々へ経過を報告させていただきます。
貴ブランドよりご回答が無かった場合でも、その旨をサイト内にて報告させていただきますので、何卒ご了承下さい。
 
それでは、ご回答くださいますことをお待ちしております。
 
『.30CAL CLUB』管理人 さとっち改め ※※※※(本名なので伏せました。メールでは以下、住所など記載しております。)
【件名:弊社製品「シリル」に対するご指摘の回答】 2008年9月12日 16:06

『.30CAL CLUB』管理人
さとっち様
(一部掲載内容を削除しました)
 

前置きが長くなってしまいましたが、まずはこの度弊社製品をご購入頂きましたことへの御礼と、
弊社製品の品質に関しましてご期待を裏切る形になり、失望させてしまったことを心よりお詫び申し上げます。
 

ご指摘頂きました製品の不具合箇所についてですが、
まず自立しない件は、サンプル製作段階では自立に問題はなかったのですが、
コンテナ配送時のコンテナ内の高温などにより、店頭もしくは販売店に商品が到着する段階で、商品の傾きが多少起きております。
量産品で個体差があり、量産段階でも安定した商品設計にまで注意が行き届いていなかったことも問題です。
上から下に向けて細くなっていく形状な為、上半身の重さを支える細い脚に重心を安定させる為の台座の大きさなど、
原型の設計段階で調整が必要な点も多々あります。
また、「下半身・脚部をABS成型部品に置き換える処置」に関しては、勿論選択肢にあったのですが、
肌色や白色などPVCとABSの素材違いにより色の発色が異なることに対する懸念から、全てPVCで製作することに致しました。
その分、下半身のPVC硬度を上げ、安定させる調整を行いました。
しかし、量産時にPVC硬度の不安定があるようで、個体差がでてしまったようです。
 
ネコミミパーツについてですが、さとっち様が仰る通り、寿屋様のシャイニングウインド シーナ・カノンの
フィギュアは帽子と頭部がマグネットで着脱可能な形式です。
同仕様を検討しておりましたが、成型品と磁石の接着方法などで、技術力不足にて断念せざるを得ませんでした。
 
次作の片桐優姫の自立に関しましては、シリルの下半身より更に硬度を上げ、また台座のブラックポレポレへの
脚部の差込部を深くし、更に片足での自立の不安定さを解消する為、形状変更を最後まで懸念しておりましたが
台座のブラックポレポレの顔に透明の支えパーツを新たに増やし、自立できるよう調整致しました。
フィギュアの構造上、絶対的な安定感があるわけではないですが、フィギュア本体の形状を崩さずにできる限りの調整を行っております。



肌色成型色や塗り分けの精度、造形のシャープさなどもレビューでご指摘頂いている通り
まだまだ他社様に至らぬ点が多々ございますが、今回さとっち様から細部に渡る細かなご指摘を頂けることで、
改善に向けて具体的にどこをどう改善していくかなど、とても貴重なご意見として参考になります。
(以下略)
……ということで、ファーストクラスの担当者からの回答によると下半身の変形については個体差がある、とのこと。
これはPVC樹脂に混ぜる可塑剤の配合によるのかしら……。
個人的には肌の発色の違いなどは(特にフトモモの見える面積などを考えれば)今回は後回しに出来る部分であり、
やっぱり最優先で傾き対策をシッカリして欲しかったところです。
ABS成型じゃなくても金属棒を通すとかね。
ベースももう一段階、底面を広げる工夫があれば……と思いますし。

とはいえ、今からそれらの処置を取るというのも厳しすぎる話ということで、
次回以降の商品対策に活かして欲しい旨の連絡をしようと思います。
また、次作にあたる『片桐優姫』に関しては、傾き対策を採られるとのこと。
あとはどれぐらい塗り分け精度や造形精度をアップしてくるか、という部分と、
本当に傾き対策が効果を発揮するか……という点に注目したいところです。