スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION
SRX VARIABLE BOX SET-1:
REAL PERSONAL TROOPER TYPE-1 R-1/R-WING
さてさてさて。
人は時として、プッツンしたりヤケになったり自暴自棄になったり(同じだろ)、前後不覚に陥ったりして色んなモノを衝動買いしてしまうものであります。
服。CD。DVD。本。家電製品。

ただ。

58000円の玩具を衝動買いする、というのはそうなかなかある物ではない、と思います。あっちゃいけないというか。


で。
さとっちさんが愛してやまない『スーパーロボット大戦』シリーズ。
その中でもバンプレストオリジナルキャラクターのみによって構成された『スーパーロボット大戦OG』シリーズがあります。

現在は電撃ホビーマガジン誌上で記事と漫画が連載され、設定や裏話がスタッフによって公開される、設定マニアには貴重なページなのですが。

その一方でボークスによって立体化されたOGのメカたちが電撃屋ドットコムで通販され、いたいけな青少年はその価格ゆえに全コレクトを諦め、資金力に余裕があって前後を省みない頼もしきダメ大人たちが嬉々としてシリーズを買い集め、ボークス店頭イベントで限定アクションフィギュアとヒロインたちの完成品スタチューが発売されれば開店前から列ができ、整理券を求めて人々が右往左往し、公式サイト通販は開始時刻前からアクセス困難になり、一体どこの誰が予約できたのかと思うタイミングで即完売する、文字通り魔窟と化してしまっているのも否めない事実です。否めないというか、積極的に肯定したい。

ちなみにさとっちさんはその『いたいけな青少年』と『前後を省みないダメ大人』の中間期に一部購入しておりました。
ヒュッケバインMk-VとサーベラスとヒュッケバインMk-Uを。
……まぁ目が肥えてきてからは「そんな必死こいて集めるほど出来がいいわけじゃねえな」ということで、
OG2発売のタイミングでまとめて叩き売ったワケですけれども。

そんな人外魔境と化した電撃ホビーマガジンのスパロボOG記事から、出やがりましたSRXが。
R-1,R-2パワード、R-3パワードの3体セットで完全合体変形。
サイズもSRX形態で40cmクラス、値段も58000円と言う色んな意味で規格外、どっちかというとキチ○イじみた化け物セットです。

2ヶ月間の受注機関が設けられましたがその値段に躊躇しまくった人たちも多くいたようで。
ただ、さとっちさんは何かこう……うん、自分の意思で予約したっぽいデスヨ? 今振り返ると「止めるべきだったか」とも思いますが。
デジカメのかなりいいヤツが買える値段だもんなぁ……。まぁそれはそれとして。


そんなワケで、SRXレビューでございます。
ただ、全部一気にレビューするのは明らかに無茶なのでひとまずR-1からで。
コトブキヤのR-1を作っている身としましては、造形アプローチの方向性の違いに興味が出るところで。
何かこう、こっちのR-1は「もっさり」した感が強いです。塗装がかなりゴテっと塗られてるのもありますが。

しかしコレ単体で見ると「あぁ、こんなモンかな?」と思えてしまうのが恐ろしいところです……早くブキヤのR-1、完成させましょう。
ただ、ブキヤの方はかなり細身(設定に忠実ですゆえに)なのに対し、こちらは若干マッシヴなプロポーションなので、
こっちの方が好みと言う人も多いんじゃないかな?

……それでも腰サイドアーマーの取り付け位置は高すぎです。うん。ブサイク。
肩部ブースターの形状はブサイク極まりない、というのが率直な感想です。
コレはブキヤのが素晴らしかったという以前の問題で。

あと股関節部が体の中心軸より前に来ているため、重心が全体的に後ろに来ています。
肩のブースターが元々あるところにこの股関節位置では、ちょっと立たせるのに苦労。
顔は……(悩み中)


まぁ<電撃にしては>頑張った方</電撃にしては>じゃないでしょうか。
ただ、スミ入れもクソも無いのでメリハリがないことこの上なし。
ついでにツラが若干歪んでいる気もします。まぁこの辺は人が手作りする原型の宿命か?
今回の問題箇所その1。

背中のプレート部分がほぼ垂直に切り立った状態で接続されているため、
何をどう頑張っても頭を左右に振ると干渉します。
顔が右向きゃプレート左、プレート右向きゃ顔左、という形で無様なことこの上なし。
設計担当は大バカ野郎じゃなかろうか。若干の角度をつけてプレートを後方に倒すだけでも全然違うのに。
装備可能な品目一覧です。
G・リボルヴァーは腰アーマーマウント用が2挺と、持ち手と一体化したもの2挺の合計4挺が付属しています。
……まぁOGシリーズでは確かにそういう無駄なこともできますけども。何だろうこの釈然としない気持ちは。

その他、持ち手と一体になったコールドメタルナイフと、持ち手とグリップが一体になったブーステッドライフルが付属しています。
シールドは本来ああいう形状じゃないけど面倒だったので(帰れ)この写真ではあんな感じのままに。
ひとまずフル装備形態を。
それなりに決まっているように見えますが、シールドの位置とかブーステッドライフルの持ち手とか足首の接地性とか、
色んな問題を抱いたままの撮影でした。
G・リボルヴァーとコールドメタルナイフ。
武装変更システムが実装された『スーパーロボット大戦OG/OG2』でも、R-1にはこの装備!!と決めていた人も多いんじゃないでしょうか。
持ち手と一体化されているため、少なくとも保持力に問題が無いことは確かです。
また、コールドメタルナイフに関してはコトブキヤのR-1に付属のものより良い造形ですね。
親指が刀身の峰部分に添えられているのもポイント高し。

……少なくとも以上の二点においては、このR-1はコトブキヤのR-1を超えていると言えます。
なんせブキヤのほうはリボルヴァーを持てない(グリップが短すぎて)という致命的欠陥がありましたゆえに。
コールドメタルナイフを持たせるときは、右肩ブースター外側のバルジ部を取り外して、ナイフのグリップが取り付けられていないバルジパーツに交換する必要があります。面倒なことこの上なし。

肘関節部はこれぐらい曲がります。関節も固めで保持力は問題なし。
……代わりに肩関節が重さに負けますけど。
ブーステッドライフル。デカ過ぎ。

ちなみにグリップ(&持ち手)部分は本体と丸軸で接続されており、左右に角度を変更することが可能です。
判りやすく言うならコトブキヤの『R-1/R-1パワード』のツインマグナライフルの持ち手部分の設計をパクってます。


ただし。


私の分では、かなりガッチリと塗料が癒着していてほとんど左右に振れません。頑張ったら多分ネジ切れる。

ついでに、左平手をブーステッドライフルに添えることが可能です。
もっとも、さとっちさんはこういうポーズとかフォアグリップ構えるポーズが大嫌いなので、とりあえずサービスカット。
横持ちだとアレですが、縦に持たせてみるとちょっと異常な長さ。
銃身部分であと1cm短くても良かったかなぁ。

脚部の可動はこれが全て。
足の付け根は95度ぐらい。膝関節は立て膝が可能な程度まで曲がります。


が。

太腿のロール軸は無し。開脚性能も酷いモンです。
ついでに足首がまったく左右に振れないため接地性は皆無。
素立ちポーズならまぁ何とかなりますが、アクションポーズで保持するのは至難の業ですよ。
ついでに前後にも振れないため、足首の接続に使われているボールジョイントは実質意味を成していません。

上半身と下半身でこれほど可動の明暗が分かれるのも珍しいと言うか、何を考えているのか担当者。
この画像二枚とも、撮った3秒後に倒れました。
「T-LINKナッコォォオ!!!」で遊びたい人は、コトブキヤのR-1をオススメします。
亀甲模様のクリアーベースが付属しています。
支柱は長短2種類と、R-1専用/R-WING専用の接続部が付属。ロゴなんかは良い感じですね。
R-WINGにするためのパーツ一覧。ほぼ100%差し替えです。
『バラバラというよりコナゴナ』とは、ハセガワの『1/72 F-14 トムキャット』の新金型版への言葉ですが、
このR-1にも同じことが言えるでしょう。何考えてやがんだ担当者。

背部ブースターなんかは明らかに可動でいけるのに、イチイチパーツをばらして組み替えて組み立てて……となるのでストレスが溜まる溜まる。
お使いRPGに勝るとも劣らない作業感にゲンナリしつつも組み上げたR-WING。
機体の薄さは評価できますし、パーツの接続もガッチリ気味で良い感じですが。

やっぱり差し替えのオンパレードっていうのがマイナス要素です。あぁ勿体無い。

あとこれはもう成型の都合で仕方ないんですが、G・リボルヴァーが歪んでいるのでちょっと見ていて苦しい部分も。
何となく撮ってみました。

リ・ガズィはハイコンプロの方ですが、大きさはほとんど違わない辺りに驚いた。
こんな感じになります。
リ・ガズィは機首部で長さを稼いでるんですなー。
ブキヤのR-1が完成してないので、唯一飾ってあった1/144のヘイズルと比較。
大きさは殆ど同じぐらいですねー。


そんなワケでSRXの中からトップバッターのR-1でした。
正直、コレを最初に開封して触った時には「……俺はもしかして56000円のゴミを買ったのか」と愕然としたりもしましたが。
まぁゴミというにはまだ甘いので、ひとまず評価としては40点(100点満点)ぐらいでしょうか。
プロポーション云々もあるけど、やっぱり可動とポージング保持力の面で。