バンダイ 1/144 HGUC
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア MSN-03 ヤクト・ドーガ(ギュネイ専用機)
さてさてさて。


福井晴敏氏の小説『機動戦士ガンダムユニコーン』の1巻2巻が同時発売され、
今月末にはPS2で『SDガンダム G-GENERATION 魂(スピリッツ)』が発売になり、
にわかに宇宙世紀熱が高まってきている今日この頃。
何か最近戻れない道に踏み込みつつあるさとっちさんではありますが、元々はガンダムからこの世界に入った人でありまして。
ガンプラだって普通に作るんですよ?多分。

まぁ仕事があったりでなかなかプラモ作って仕上げて撮影して、というのが難しいワケではありますが、
バンダイのHGUCシリーズから新展開で、『逆襲のシャア』シリーズが出るとなれば無視できません。
バンダイが今までに溜め込んできた技術を注ぎ込んでの展開になるでしょうし、
これはやはり20年以上ガンダム好きでいる人間としましては、一つは組んでみなくては……ということで。

HGUC『逆襲のシャア』シリーズ第一弾、ヤクト・ドーガ(ギュネイ専用機)のレビューでございます。
ちなみに今回はレビューというか、組立てのミニガイド的な物になりました。
文中にある( )内の文字はパーツの番号になります。
さすがに恐竜的進化を遂げ続けて来たモビルスーツの第三世代ということで、非常に大きな機体です。
頭頂高は15cmですが、頭部アンテナまで合わせるともう1cmぐらい上乗せされます。

今回はほぼ完全に無塗装・素組み・接着有りで製作。
最後は半光沢のMr.スーパークリア(GSIクレオス)で仕上げています。
曲面と平面が見事に入り混じったデザインを良く再現していまして、
『ヤクト・ドーガ』という機体に対する万人のイメージを立体化しているといえるかも知れません。
キュベレイほど優美でも、ギラ・ドーガほど無骨でもない、実に中途半端なデザインなんですよね。
モノアイは左右可動が可能です。黄色いフェイスカバー(A14)を外して、指で調整する形になります。
ついウッカリ接着しないように注意してください。
素組みのため、モノアイはキット付属のシールですが、WaveのH-アイズあたりを使うと非常に良い質感になるでしょう。
肩口には関節が仕込まれており、肩の前後可動が可能になっています。
範囲が広いとは言えませんが、これが有るか無いかでは全然違ってきますからね。
腕の可動はこんな感じ。
あとは上腕部、肩口との付け根にロール軸が仕込まれています。
肘の可動は90度ぐらいですが、ポージングの上で不満にはなりません。
手首の出来は1/100かと思うぐらい。
HGUCヘイズル以来、1/144でも充分に見栄えのする手首パーツが付属するようになって嬉しい限りです。
前腕部はABS製のフレームにプラ製のカウル状装甲パーツを被せる構成に。
今回唯一手を入れたのがこの装甲板で、シールドラッチを囲むように配置されている凹部(ブチ穴)を開口しています。
完全な素組みより、ちょっとだけでも手を入れたい……という人には手軽でオススメな改造ですよ。
今回スミ入れしたのは両脇下の3本スリットと、肩アーマー全面のバーニア用バルジの窪みだけ。
他は面自体が持っている情報量でカバーできてしまいます。お見事。
ファンネルラックでもある肩部バインダーは黄色い外装パーツ(A4)がプラ製、
内部フレーム(F10)がABS製でボールジョイント接続。
プラの厚みがモロに出ているので、ここを薄く削り込んだり、積層状のモールドを入れてやると一気に見栄えが増すと思います。
フレーム先端部にはミサイルも造形されていますので、ここも塗り分けたいところですね。
ビームアサルトライフルは6パーツ構成。
本体がモナカ構造(C19・C20)のため、上面に合わせ目がシッカリ出てしまいます。
後方のレシーバー部はともかくとして、前方のバレル部は円柱になっているので、
接着してよく乾燥させた後、400〜1000番の紙ヤスリで丁寧に仕上げてやりましょう。
バレル先端のマズルパーツ(C17)は大型のゲートが3つもあるので、ここも紙ヤスリでシッカリと処理を。

グリップ右側には1/100キットのような突起が設けられており、
銃持ち手とシッカリ固定されるようになっています。
こういう部分の技術的フィードバックは嬉しい。

↑白飛びしすぎましたゴメンナサイorz
基本的に合わせ目が殆ど露出しない構造で、実に良く練りこまれたキットではありますが、バックパックは強敵です。
モナカ構造で張り合わせるだけのパーツと、大型のゲート跡に悩まされました……。
ここは合わせ目・ゲート跡共に消しきれず……見えってますね。
ただ、ここは基本的に単色のため、接着して合わせ目を消した後に塗装をしてやれば目立たなくなるかな?
メガ粒子砲を4門搭載したシールド……というか、ここまでくるとウェポンデバイスですね。
裏面はABS製パーツになっており、腕部のABS製フレームにガッチリ固定されます。
そう簡単にポロリしないのは嬉しいところ。
ただ、一軸固定のためポージングの妨げになってしまう、というのは否定できない側面です。
足首はボールジョイント接続。接地性はまぁまぁといったところかな?
ソール部にはモールドがあり、ここも別売りパーツでディテールアップしたり、シッカリと塗り分けてやると面白くなりそうですね。

組む上では、ソール部(A5)、先端クロー部(A1)のパーツ及び緑の外装パーツ(E7)には大きいゲートが出てしまうので、きちんと処理しましょう。
色が濃い分目立ちますからね。
平面で構成されているので、Waveが発売しているヤスリほう台が便利ですよ。
両脚ともにスネパーツ(B1、B2、B5、B6)の合わせ目部に大きいゲート跡が出ます。
ここは曲面で構成されているので、丸めた紙ヤスリで処理してやるのが一番です。

……どう見てもゲート跡が残っちゃってるのは無念。
左サイドアーマー内部にはビームサーベルラックがありますが、一度外装パーツ(B4)を外す必要があります。
ここはちょっと工夫して欲しかったなバンダイ……。

ビームサーベルグリップはABSパーツ、サイドアーマーはプラパーツなので、
ここもシッカリ固定されます。パーツが磨耗しないからね。
ただ、塗装の際は塗膜の厚みを考慮して、一皮剥くぐらいの感覚でヤスリを掛けてやりましょう。
ビームサーベルグリップにはヒートナイフが付属。刃の部分が別パーツ(C7)になっています。
刃のエッジはダルいので、ここもヤスリほう台などを使ってエッジをしっかり出してやりましょう。

ビームサーベルはクリアイエロー成型。反りのあるものと直刀タイプの2種類が付属しています。
股間部には飛行ベースへの接続用にポリキャップが設けられています。
カバーもあるので、素立ち状態でポリパーツが露出したりはしません。

フトモモの外装パーツ(E1、E2)は合わせ目のエッジを落として段落ちモールドにしています。
400番を貼り付けたヤスリほう台で2往復か、アートナイフでカンナ掛けを2回ぐらいで充分ですよ。
アートナイフでの作業時は、ラインがヨレないように注意してください。
フライングベースは付属していないため、各自で手配する必要があります。
リボルテックシリーズに付属のベースはリボルバージョイントが3mm径なので手軽に流用可能。
ただし接地面が小さいので、安定しないのは否めません。
ファンネルはバインダーにマウントできるパーツ(A12)と、射出状態のパーツが付属。
射出状態は、透明の軟質素材のシャフトでバインダーと接続される形です。
こういうところも1/100スケールからのフィードバックがありますね。お見事。

なお、シャフトを同じ長さにカットするときは、カッティングマットの上にシャフトを乗せ、
そこにアートナイフの刃を当てて転がしながらカットするのを推奨します。
ニッパーだとどうしても長さのロスがありますからね。
バインダー側は内部フレームのABSパーツ(F10)へ接続するため、固定力は高いです。
ファンネル側はファンネルのスラスター部にシャフトを差し込む形。
ここは4枚の羽の部分をシャープにしてやると良いかも。

収納状態で内側に来る部分をシルバーで塗ったりするのもアクセントになりそうで、色々とプランは溢れて来ます。
やはりヤクト・ドーガは浮きポーズが似合います。
ちなみに射出状態のファンネルも、射出用のシャフトも、もう1セットずつ付属します。
こんかいはちょっと面倒だったので使用しておりませんが。

ここで使っているのは武装神姫のスタンド。
接続軸が微妙に『+』の形状なので、ポリキャップに対しては少しダメージが出ます。
ただ、汎用性は抜群に高いのでリボルテックよりオススメですよ。
何となくですが、ネオ・ジオン系のモビルスーツは煽りアングルが似合うと思います。
適当なサイズのHGUCキットが無かったので、HGUCのヘイズルと。
大きさでいうともう完全に大人と子供ぐらい違います。
アドバンスド・ヘイズルあたりでやっと頭頂高が同じになるかな?
ボリュームまで合わせようと思ったらフルドドもくっ付ける必要がありそうです。
最後は積みっぱなしのバリグナーと。
バリグナーも『神が宿った』と断言して良いぐらいの素晴らしい製品だったので、
早めにレビューしたいところです。
さて、そんなこんなでヤクト・ドーガでした。
実は『.30CAL CLUB』で、プラモデルをレビューするのは
今回が初めてだったりします(実話)。

……何かもう本当にごめんなさいゴメンナサイ。

だがしかし、このクオリティは本気で感動いたします。昔に組んだ1/144とは雲泥の差ですねぇ……これが時間の経過というものか。
クェス専用のヤクトもありますし、今度はリ・ガズィも発売になりますし。量産機好きとしてはジェガンもギラ・ドーガも待ち遠しい。
今後の商品展開に、夢がどんどん膨らんでいきますねー。

逆シャア好きというだけではなく、『純粋に出来の良いプラモを作りたい人』にも、自信をもってオススメできる逸品でした。