バンダイ 1/144 HGUC
RGZ-91 リ・ガズィ
さてさてさて。

せっかく先日サザビーを組み上げてレビューしたんだし、ということでリ・ガズィです。
確か発売とほぼ同じタイミングで購入し、組み上げて、パーツ割りのシンプルさやヒケの多さにちょっと気勢をそがれ、
仕上げを途中で切り上げて何となくBWS装着形態で飾ったままにしておりました。

ですが元々はさとっちさんの大好きな機体であるこのリ・ガズィ。
わずか
120分の作品中で搭乗した3人のうち、2人が死亡して1人は行方不明、ついでに死亡した1人の恋人だったメカニックも死亡すると言う、
間違いなく『疫病神』と呼ばれるに値してしまう、縁起でもない機体ですがだがそれがいい。

とは言え性能がアレだったわけではなく、アムロ搭乗時にはモビルスーツ形態の本機で
ギュネイ搭乗のヤクト・ドーガを撃墜寸前にまで追い込む強さを見せ付けました。
まぁ乱入してきたサザビーに邪魔されて撃墜は叶わず、なおかつシャアに
「そんな情けないモビルスーツ」
と言われるわ圧倒されるわで、
なかなかいい感じに初っ端から蹴躓いた感がありました。 だがそれが良い。

ちなみに他の呼称として
「オモチャのような機体」「ガンダムもどき」があります。
何かもう本当にダメな子だな!!!(笑顔で)
B.W.S.装備状態をグルッと。
この状態だと脚部、背部、腰部のスラスターとB.W.S.の備えたバーニアが全て同一方向を向くため、
最大速力は非常に高くなります。
ただ、直線的な機動しかとれなくなるという欠点もあります。
しかしこの状態でギュネイのファンネル攻撃を凌いでみせたアムロの能力は本当に高かったんですねぇ。

B.W.S.の胴体部は全体的にヒケが非常に多く出ていますので、キッチリと処理してあげましょう。
ちなみに私は途中で断念しましたが。うむ。
長く延びた機首部には大口径メガビームキャノンが装備されています。
小説版だと、直撃すればアクシズの核パルス・ノズルを破壊できる威力を持つ……という話でしたが、
弾速が遅いためビームの弾幕で容易に弾道を逸らされてしまう、という話も。

つまるところ
使い勝手の悪すぎる兵器ということで。
肉薄して撃ち込めばまた違うかもしれませんが……。
機首左右には中型のビームキャノンが装備されています。 武装の配置はゼータガンダムやZplusのそれを踏襲していますね。
また、機体下面をカバーするシールドにはハンドグレネードが装備されています。 これは射出できるのかな?
ひっくり返してみた。
B.W.Sのウイングには上反角。
フラップっぽいのも設けられていますが、宇宙空間には不必要ですよねコレ。
翼下部にはプロペラントタンクがありますが、それ以外のパイロンやハードポイントが無いのが気になります。

……というか宙間戦闘機にウイングが付いてる以上、
ミサイルの4発や6発ぐらい装備してみろと言いたくなるわけですがその辺どうでしょうか。
B.W.S.は単独でも展示できるように、機首下部へポリキャップが配置されています。
しかし単品だけで飾ると中身の空っぽっぷりが際立ちます。
こちらはモビルスーツ形態のリ・ガズィと装備品一式。
握り手は左右共にビームサーベルの持ち手を兼ねています。 平手は左手のみとなっています。
繰り返しますが、ディスプレイベースは付属しないので注意。
MS形態の全身をぐるりと。
全体的にはゼータガンダムのラインを踏襲していますが、上半身と比べて下半身が貧弱に見えますね。
これはゼータの肩アーマーが下方に広がる台形だったのに対し、リ・ガズィのものは左右へ広がるタイプのものだから、かと。
ただ、胸上面の厚みなどはかなりシッカリとしており、何となく筋肉質な感が見受けられます。

また、下半身が貧弱に見える理由としては、フトモモが短く、スネが長いというのも一つかなと。
頭部〜胸上面はこんな感じで。
頭部アンテナはガンダムタイプと違い、トサカの左右から上方へ伸びるように。
お馴染みの武装であるバルカンは頬のインテーク上部に配置されています。

胸上面は通常の胴体に装甲カバーを被せたような形状。マッシヴに見える理由ですね。
リ・ガズィの最強武器である腰部グレネードランチャーはサイドアーマーと一体化。
弾頭部はかなり良い感じの造形となっていますが、外すことが出来ればもっと良かったんですけどね。
ブルバップ式のビームライフルはこんな感じ。 弾倉と思しき部分はかなり小さめで、ブルバップ式にした意味を問いたくなります。
また、ライフル持ち手は軸が外側にオフセットされたものになります。こうしないと持たせることが出来ないんですよね。

ちなみにブルバップ式のライフルの利点としては
・銃の全長を抑えることができる
・銃全体の長さに比して、バレル長(銃身長とは別)を長く取ることが可能

というものがありますが、果たして実弾ではなくビーム弾を発射するライフルにおいてもそれらの利点が適用されるのかは疑問です。

ちなみに人間が使用するタイプのブルバップ式の場合でも、
・照準線が短くなるため中〜遠距離の射撃に向かない
・機構が複雑になって整備の手間が通常よりも増える

などの欠点があります。 そんなのを主力歩兵火器で採用してるイギリスとフランスとオーストリア、さすがお前らは……。
プラモ的にブルバップ式の利点を強いて挙げるとするならば、
『脇に構えさせた際の収まりが良い』とでもなるでしょうか。 すごくどうでも良い理由ですね。
シールド装備で颯爽と……といいたいところですが、劇中ではB.W.S.を破棄する際にまとめて投棄してたような記憶があります。
さとっちさんの印象では完全にこちらのような記憶が。
シールドなしでライフルとサーベル振るって、ギュネイのヤクト・ドーガを圧倒してたのが印象的です。
ビームサーベルは2本付属。
本来の形状だと、鍔本の左右から突き出た2本の突起からもビームが展開していたような記憶があります。
さすがにそこまでやるには、スケール的な部分で限界がある……といったところでしょうか。
確かシールド無しでサーベルを振るう場面は無かったかと記憶していますが、
一つの夢もしくはロマンということで。
最後は宿敵であるサザビーと絡めまして。
しかし並べると、というか改めて比較すればするほど絶望的な差があると言うか、シャアからしたら
「いや、ちょっと、人が本気出してるのにそれかよアムロ!!!!!」
みたいな感じでしょう。
そりゃサイコフレームも提供するわってな物であります。

ということでリ・ガズィでありました。
やはり1年近く前のキットというコトもあり、最近の尋常ではない設計と比べると……という感じですね。
また、設計だけではなくヒケの多さや合わせ目の露出を考えると、ちょっと手強いキットです。
とは言え昔のキットと比べれば圧倒的に出来が良いですし、
何よりも
『逆襲のシャア』に欠かすことの出来ない影の主役と呼んでも過言ではない一機。
暇があったら……というレベルではありますが、一応オススメさせていただきますよ!!