バンダイ 1/144 HGUC 機動戦士ガンダムユニコーン
D-50C ロト -ツインセット-
さてさてさて。

『サマーウォーズ』のBD初動売上を軽やかにブチ抜く販売本数をたたき出した『ガンダムユニコーン』ですが、
プラキットも結構な感じで好調な模様です。
まぁ依然として袖付き側でギラ・ズール以外の機体がリリースされる様子は見えてこないので、
ちょっと寂しいところもありますが。

で、そんなユニコーンの登場機体の中でも
一際異彩を放ちつつ
その後の年代を舞台とした作品へのミッシングリンクに当たる機体、それが今回のロトでございます。

『機動戦士ガンダムF91』に登場したガンタンクR44には「何故あんな機体が開発されてたんだ!?」という印象でしたが、
見事にあの機体が開発されたことに関して理由付けしてきたなぁ、と、小説を読んで感心してたりします。

このロト自体は地球連邦軍の特殊部隊『エコーズ』の専用MSとして開発されており、
MSとしての機能のほかに、指揮通信・兵員輸送車としての機能も持ち合わせた、
何と言うかこう……設計担当者が血を吐きながら作り上げたんだろうなぁ……と思うしか無い、
無茶な要求の塊といってもいい機体ですねぇ。
多分ですけど零戦とかC-130ハーキュリーズよりも無茶な要求だぜこれ……。

ユニコーンの第一巻では、コロニー内への侵入の他、
エコーズの隊員をビスト家に送り込んだり、コロニー内で大暴れするクシャトリヤに対して
ロケット弾の嵐を叩き込んだりと、地味ながらも優秀な活躍を果たしていました。
まずは恒例の全身グルリ、といいたいところですが、かなり自立が厳しい感じなので4面で。
基本的には左右対象なので勘弁してください。

サイズは1/144となっていますが、設定上のサイズは12.2mということで、恐ろしいほど小さいです。
10センチを割り込むサイズながら可動部はしっかりと存在したりしていて、
何ていうか、サナリィ以上に変態なのがバンダイだなぁと感心したり呆れたり。

もっとも、可動範囲が広いと言えるのは腕部のみ。
脚部はフトモモの短さゆえに可動があまり生かせず、足首は接地面が小さすぎるためにグリっと動かすと
もれなく転倒します
胴体はかなりずんぐりむっくりで、頭部も潰れたような感じ。
首はボールジョイントで一応左右にも振れますが、そんなに動きません。
まぁ派手なアクションポーズとかとらせる機体でもありませんし、特に気にはならないかな?
肩の武装は25mm機銃(右肩)と投光器(左肩)になっています。
この装備は外した状態用のパーツも付属しています。

25mmとなると、対MS要ではなく完全に対人・対戦塔車両向けの装備ですね。
一定程度の対空攻撃も可能だとは思いますが、まぁ単装機銃なので……。
両前腕はミサイルコンテナになっており、ハッチは差し替えで開閉状態を再現可能。
ハッチ展開状態ではちゃんと弾頭部分も再現されていますが、塗り分けには苦戦しそうなサイズです。
前腕部上面にはビームバーナーが設けられていますが、キットでは差し替えで再現。
ビームサーベルとは違って、メガ粒子を対象に直接吹き付けるタイプの装備の模様。
コロニー侵入の際に使用していた装備ですね。
肩には装備のマウントが設けられています。こちらはロングキャノン。
200mm滑腔砲ということですが、どちらにしてもこれだけの長砲身ですから相当な貫徹力はありそうです。
こちらは対空用武装のメガマシンキャノン。 一機につき一門だけの装備となるようです。
四連装の銃身を見るに、F90のSタイプを思い出しますね。
タンクモードへの変形は、パーツの差し替えなしで再現されています何この変態的な技術力。
非常にまとまりは良く、いわれなければそんなに「変形した結果」とは思えませんね、
タンクモードでも両肩の装備を変更可能。
まぁロングキャノンが一般的なんだろうなぁ、とは思いつつ、ですが。

しかしこの投光器ユニットとロングキャノンの組み合わせは、74式戦車好きとしてはグッと来るものがありますね
74式のアレはアクティブ投光器で赤外線フィルターの使用なども可能となっていますが、こちらもそうなのかなー。
同じスケールの61式戦車(バンダイ 1/144 HGUC MS-06ザクU 地上戦セット付属)と並べまして。
61式も大概バカデカい戦車ですが、このロトは……(絶句)。

「これで隠密作戦やってこい」とか言われた当初の現場指揮官は間違いなく猛烈な怒りを抱いたと思われますが、
MSとしての火力や機動力、歩兵との共同による戦闘力の向上などを考えれば、
許容出来る範囲だったんだろうなぁと思います。

……そうとでも考えないとやってられない、という話もありますが。
しかしこの61式は出来いいなぁ。 ザクUは今の目で見るとアレだけど。
二体セットということもあって、一機はタンク、一機はMS形態で飾れるのが嬉しい感じですね。
同じ作品に登場する機体ということでHGUCのユニコーンガンダム(デストロイモード)と並べまして。
バンダイはどうしてヤケを起こしたんだろう、と思うしかないぐらいの物凄いサイズ差ですが、
あくまでも同じスケールです
……こうなるとクシャトリヤとも並べてみたくなりますが、ちょっとだけ自重します。

っということで、HGUCのロトでした。
その小ささに見合わぬプレイバリューの高さは光るものがありますが、
塗装とかそういう方向では非常にしんどいなぁという印象(笑)。

しかしバンダイの恐るべき技術力の高さを感じるにはこの上ないアイテムと言うことも有りますので、
何か変わったモノを組みたいと思ってる人にはお薦めです。お薦めです。