バンダイ 1/144 HG
機動戦士ガンダムOO GN-008 セラヴィーガンダム
さてさてさて。
世間的には1/100スケールのダブルオーや、みんな大好きミスターブシドー専用アヘッドがレビューされているタイミングですが、
.30CAL CLUBはセラヴィーガンダムです。
ガンダムダブルオーに登場する新型ガンダムの中でも、トップクラスのボリュームを持つセラヴィーガンダム。
前期のガンダムヴァーチェの後継であり、重装甲と大火力を以って敵陣を叩き潰す、というのが役割であり、
トレミーUに配属されている中でも第一話から活躍している、出番の多い機体ですね。

……とはいえあまり戦功を上げたワケではなく、GN-X3に押されたりアヘッドに押されたり
アルケーガンダムにバズーカを切断され隠し腕も切り壊され撃墜されかけたり。
何というか、苦戦している印象しか無いんですが……デザイン的にはインパクト抜群の機体ですね。
特に、背中の『顔』というか人が……。
まずは全身をグルリと。
ガンダムヴァーチェの意匠を組みつつ、もう少しブラッシュアップされた感じのある機体デザインになっています。
全体のボリュームは非常に大きく、また実際に重いんですコレが。

とはいえボリュームから想像するよりも可動範囲は非常に広く、実に良く練りこまれたキットですね。
パーツ点数もそんなに多くはなく、表面処理や合わせ目消しにこだわらなければ6時間程度で完成すると思います。
上半身〜頭部は非常に良い出来。額中央の赤いマークはクリアパーツ成型となっています。
無色透明なので、内側からクリアーレッドを塗装しました。
頭部アンテナは少しだけモッサリした印象。目立てヤスリなどでカチッとシャープに削り込んでやると良いでしょう。
両肩アーマーは前後分割のため、上面に合わせ目が来てしまいます。
左肩アーマーは接着〜600番の紙ヤスリに当て木したもので成型、ピシッとエッジを出しました。
右肩アーマーは接着だけ。 なぜ接着だけなのかというと、純粋に忘れてました
碗部可動範囲は非常に良好。 肘だけでなく手首関節部にも可動部が仕込まれており、肩アーマーに手首を接させる事も可能。
横方向への跳ね上げは100度ぐらい。肩関節は前後へのスイング可動部が設けられています。
ケルディムなどと同じで肘関節部にはクリアパーツのGNコンデンサ。

どちらも裏側から塗装してやっていますが、これは
・クリア塗料をフデ塗りしてもムラが目立たない
・クリアパーツ表面に傷が入っても塗膜に損害がない
・内側から発光しているように見える

という3つの理由によります。
GNコンデンサの発色が鮮やか過ぎる、と思う人はパーツ表面にスモーク(タミヤカラーの71番)を吹いてやりましょう。
脚部は基本的に側面のスジ彫りに沿った分割になるので、合わせ目はあまり気になりません。
ただし、クルブシのバルジ部分は結構合わせ目が目立つので、接着して600番→1000番の紙ヤスリで処理。
今回は面倒だった……じゃなくて時間の関係で省略してますが、ちゃんとスジ彫りにスミ入れしてあげたらグッと引き立つと思います。
GNキャノンは両肩と両膝に合計4門。 砲口部分はホイルシール+クリアパーツで再現されています。
仕様が発表されたときは「砲口塞がってるっぽいよね」と思いましたが、GNコンデンサーから直接粒子を放出してる感じでしょうか。
どっちにしてもGNキャノン下部には隠し腕が仕込まれていますから、砲身が空洞になってる、とかは無いと思いますが。
第一話で印象的だったクァッドキャノンはバッチリ再現可能。
足首の可動も良好なんですが、上半身が重いので転倒しやすいのがちょっと難点でしょうか。
また、膝のGNキャノンがもう少し上方へ向けば劇中の印象に近づきますね。

(画像ロールオーバー)
セラヴィーガンダムのビックリドッキリギミックにして出オチ、第1話で「まさか本当に顔だったとは」と視聴者をやや悩みこませたフェイスバーストギミックも再現されています。
ジワジワとキモさがこちらの脳髄に来る『背中の人』を分離させて。 どう見ても正座です本当に(以下略)。
下部のスラスターパック部はどう見ても脚が折りたたまれていますからね……付け根はどう考えても腰アーマーですし。
……GNキャノン基部がちょうど肩関節っぽい配置になってるんですが、動かすと本当に気持ち悪い(苦笑)。
背中の接続部ディテールを見てるとどうもこの後ろの人が本体なんじゃないか、と思ってしまうんですが、さてどうだろう。
GNバズーカUはこだわった構成になっており、2門合体⇔分離が可能。
銃身部分の黒いカバーパーツは結構表面にヒケが出ているので、当て木した紙ヤスリで一皮むく、ぐらいの気持ちで表面処理をしてやりましょう。
センサー部分はクリアパーツですが無色成型なので、クリアグリーンで塗装してやりました。
銃身インナーのレール部分は黄色成型、というのも嬉しいところです。黒に黄色をキレイに発色させるとか悪夢に近いですからね。
銃身側面に配置されているフォアグリップはちゃんと握らせる事も可能。肩の前後可動が役立っています。
ヴァーチェと違って砲門を増やしたのが特徴のセラヴィー。
やはり連邦軍機の擬似GNドライブによって機体性能が接近し、決して優位に立てる戦況ではなくなるというコトを踏まえて、
弾丸投射量で機体数のハンデをカバーする、というのが機体コンセプトでしょうね。
肩のGNキャノン砲口部にGNバズーカの尾部を接続するGNバスターキャノン(2門の場合はGNツインバスターキャノン)も再現可能。
普通の砲口ではなく、コンデンサ部に直結しているというコトで納得できるギミックです。SEEDのバスターガンダムとか酷かった……。

接続は特に凝ったギミックがあるわけではなく、パーツ同士の噛み合わせ。
それでも違和感無く接続できるのはバンダイの設計技術の確かさですね。

(画像ロールオーバーー)
GNバズーカUを合体させたうえで、グリップ側のバズーカ尾部をGNキャノンに接続し、砲身カバーを上にスライドさせたのが『ダブルバズーカバーストキャノン』。
何かこうなるとネーミングがどうでもよくなってくるのは気のせいです。
とはいえ、この状態でもバズーカ両手持ちが可能なのは驚き。GNキャノン基部の可動箇所が非常に良い仕事しています。
今回ちょっと役立ってくれたのが、Waveから発売されている『黒い瞬間接着剤』です。ヨドバシで1000円也。
瞬着というと無色透明、乾燥時に刺激臭がして多く盛りすぎると白化する。乾燥時間は非常に短い……というのがよくありますが、
この黒い瞬間接着剤は文字通り黒色で、乾燥時間は15分程度。また、切削性が良好でヤスリやデザインナイフでの加工が容易。
合わせ目消し用のパテとして使用できるので、かなり汎用性は高いです。
通常の瞬着でもパテ代わりに使えないことはありませんが、瞬着とプラの固さが違いすぎるので難しいんですよね。
その点、こいつはかなり加工しやすくてサクサク扱えました。

特に黒色で成型されたパーツとの相性は最高なので、
このセラヴィーでは、背中のスラスターブロックの合わせ目やGNキャノン砲口パーツ(C18)のゲート跡に使うと良い感じ。
特に後ろの人のスラスターブロック接続部(C10)は軸とボールジョイントに肉抜き穴が開いているので、
そこを強化してやっています。
組み上げると『デカっ!』と思ったセラヴィーもアヘッドと比べるとこの通り。 アヘッドがデカ過ぎるだけという気もしますが。
しかしコレだけ体格差があると、未だに決定的な勝利を収められていないのも納得できてしまうような……。
新生ソレスタルビーイングのガンダム3機を並べまして。
セラヴィー以上にパッとしないアリオスが残っていますが、プラモ発売に合わせてどれぐらい活躍するか楽しみです。

っということでHGのセラヴィーガンダムでした!
安心して作れるにも程がある、実に良いバランスのキットでした。
黒色成型のパーツはちょっとヒケが目立ちますから、気になる人はシッカリと表面処理をしてあげましょう。
しかしその程度しか大きな問題は感じませんし、ギミックの豊富さを考えると恐ろしく安いと思います(笑)。
あとはダブルオー&オーライザー、アリオス&GNアーチャーのようなオプションが出てくるのかどうか、が楽しみですが……さて?